(B1)

作物誘引用ワイヤによる園芸施設の耐雪補強効果

森山英樹(農工研)

 地中押し込み式パイプハウスの骨組構造に関する簡易な雪害対策として、作物誘引用ワイヤによる補強効果を明らかにした。通常およびワイヤを設置した骨組の解析モデルに積雪荷重を作用させ、パイプが降伏しない積雪深を求めた。その結果、約25cmの積雪深で塑性変形を生じるハウスにワイヤを設置すると、ノヽウス骨組の弾性挙動を許容する積雪深は約59cmまで増加することがわかった。


(B2)

コンポストガスの生態系再利用システムに関する研究(2)
−コンポストガス回収液による作物栽培−

加藤仁・東城清秀・渡辺兼五(農工大)

 コンポスト化過程で発生するコンポストガスを再利用する生態系再利用システムを構想した。本報はシステムを構成する一つであるロックウールを利用したアンモニア回収ユニットと作物栽培ユニットについて実験結果を報告するものである。実験の結果、アンモニア回収ユニットではアンモニアガスを約35%回収し、その回収液を作物栽培に有効利用できることが確認された。


(B3)

不整形な傾斜圃場に適した平張型傾斜ハウスの開発

長崎裕司・川嶋浩樹・野中瑞生・的場和弘(四国農試)

 中山間傾斜地域の狭小・不整形な圃場に適した平張型傾斜ハウスの施工技術を開発した。建設足場用資材を利用し、低コストで強化構造を有したハウスが建設できる。フィルムを除く資材コストは3.3m2当たり0.8〜1万円である。軒高が高くとれるため夏秋期の換気性が優れ、同時にハウス化により冬春作も可能となり、野菜・花き栽培の高品質安定生産が実現できた。


(B4)

ハウス内土壌水分の制御システムの開発研究(4)

中野和弘・前田敏之・大塚雍雄(新潟大)

 ハウス内土壌水分の制御を、ファジイ制御とON-OFF制御で比較すると、収量と収入ではほぼ同等な結果となった。一方、土壌水分のコントロールという点では、ファジイ制御区ではON-OFF制御区より良好に目標pF値範囲内で推移したことから、ファジイ潅水制御はハウス内の土壌水分制御に有効であることが示された。


(B5)

Application of PIV system to wind tunnel test for
greenhouse ventilation characteristics and comparison with CFD model

In-Bok Lee, Sadanori Sase, Limi Okushima(NRIAE), Atsuo Ikeguchi(NIAI)

    The performance of two new techniques of Particle Image Velocimetry (PIV) and computation fluid dynamics (CFD) were investigated for analyzing air flow distributions in naturally ventilated multispan greenhouses including their validity tests.


(B6)

精密ろ過膜を用いた水耕培養液除菌装置の開発
−実用化に向けて−

大谷敏郎(食総研)・金子明子・福田直也・西村繁夫(筑波大)・萩原昌司(食総研)・佐瀬勘紀(農工研)

 精密ろ過膜を用いた水耕培養液除菌装置を開発し、完全な除菌が可能なことから(1)養液の再利用、(2)栽培槽間の病原性細菌の伝染防止、に利用できることを明らかにした。一方、水耕栽培システム全体の菌数を低く維持し病気の蔓延を防くことは、システムの滅菌が難しいこと等から、実際上かなり困難であることが分かった。


(B7)

低濃度酸素がキュウリ果実の呼吸に及ぼす影響

安永円理子・宮村景子・安武革人・黒木信一郎・濱中大介・胡文忠・内野敏剛・秋元浩一(九州大)

 キュウリ果実の呼吸応答の遅れと、このことを考慮した場合の限界酸素法度について通気式呼吸測定法を用いて検討を行った。急激な酸素濃度の変化に対しては時間遅れが検出されたが、2〜4%/hの変化に対しては検出されなかった。限界酸素法度が3〜5%の間に存在すると思われたため、キュウリ果実の包装条件の一つとして酸素温度は5%以上とすることが望ましいと思われた。


(B8)

農産物の非アレニウス型呼吸特性について

大西美咲・黒木信一郎・濱中大介・安永円理子・胡文忠・内野敏剛・秋元浩一(九州大)

 0〜55℃の品温に対するリンゴ果実の呼吸特性を検討したところ、アレニウス式は10〜40℃の範囲では適合したものの低温域と高温域では適合しないことが明らかとなった。このことから、0〜55℃の広い温度範囲では、呼吸速度はS字曲線と逆S字曲線を組み合わせた曲線として捉えることが妥当と考えられた。


(B9)

常温好気性バクテリア群で処理した豚尿を培養液とした野菜の養液栽培

池田英男・齋藤高明・小田雅行(大阪府大)・廣江英治(東洋環境研究所)

 豚尿を常温好気性バクテリア群で処理したものを培養液として養液栽培を行った結果、適宜希釈し、不足成分を補えば、養液栽培の培養液として利用可能であることがわかった。また、実用に当たっての問題点を指摘した。


(B10)

中国在来型温室の熱環境形成機構
−現地における環境計測−

畔柳武司・山口智治(筑波大)・陳青雲(中国農業大)

 北京市郊外の中国在来型温室(日光温室)において環境計測を行った。温室内に到達する水平面全天日射量は屋外の約60%であった.また夜間の内外気温差は無加温条件で常に10℃程度を維持し、比較的優れた保温性能を持つことが判った。これは固体壁と土壌の蓄熱機能のためあるが、日中に固体壁へ蓄熱された熱量の多くは伝導を通じて外気側に失われていることも示唆された。


(B11)

空気冷却および冷水冷却におけるキャベツの冷却過程解析

椎名武夫・中村宣貴(食総研)

 表面熱伝達抵抗が無視できると考えられる冷水冷却におけるキャベツの冷却過程を非定常熱伝導理論によって解析し、温度伝導度を2.1×10-4(m2・h-1)と求めた。冷水冷却と空気冷却についてピオー数を試算したところ、92および8.5と求められた。ヒオー数が球の冷却過程に及ぼす影響を解析し、表面熱伝達抵抗がない場合と実際の冷却との違いを評価した。


(B12)

低温高湿度によるジャガイモの長期貯蔵

伊藤和彦・樋元淳一(北大)

 ジャガイモの長期貯蔵の技術を確立することを目的として、従来の貯蔵方法より低温で高湿度に制御できる貯蔵庫を試作し、これを用いて貯蔵実験を行った.試作した貯蔵庫は温度むらも小さく、低温高湿度を精度良く制御できた.ジャガイモの質量減少率は貯蔵初期から2℃95%の条件で貯蔵した場合、収穫翌年の7月で3%、外気導入により徐々に冷却した場合、収穫翌年の4月で3%と非常に小さく抑えることができた.


(B13)

CA環境下における青果物の呼吸速度計測

川越義則・成瀬智・大下誠一・瀬尾康久(東京大)

 温度とガス組成について、任意に環境条件が設定できる呼吸速度計測システムを構築し、二酸化炭素濃度がリーフレタスの呼吸速度に及ぼす影響について検討した。その結果、温度30℃、酸素濃度20.5%の一定条件下で、二酸化炭素濃度0%の場合は、呼吸商はほぼ一定であるのに対し、二酸化炭素濃度10%では経時的に呼吸商が変化していることから、高二酸化炭素濃度の影響により呼吸基質の構成割合が変化していることが推察された。


(B14)

生産現場での低温貯蔵がカーネーション切り花の流通後品質に及ぼす影響

中野浩平・前澤重禮(岐阜大)

 生産現場において、3〜12日間、収穫直後のカーネーション切り花を5℃貯蔵した。その後、無貯蔵の切り花と同時に実際の流通ルート(集荷場−花卉市場−小売店−大学)で出荷し、流通・消費期間における品質について検討した。結果、12日間までの貯蔵は、無貯蔵花と同等の品質保持期間を有することが明らかとなった。


(B15)

青果物からの極微弱発光計測

萩原昌司・大谷敏郎(食総研)・福田直也・西村繁夫(筑波大)

 本研究は極微弱発光現象の計測による青果物の品質評価法の開発を目的として、各種青果物の発光量や発光部位について検討を行った。また、周囲温度の影響についても検討を行った。葉ショウガ、エダマメ、スイカ、ズッキーニは非常に多く発光があり、緑色の青果物からは極微弱発光の測定が可能であった。しかしながら、根菜類への応用は難しいと考えられた。


(B16)

千年の歴史、堂上蜂屋柿の伝統と製法

秋元浩一・内野敏剛・胡文忠・安永円理子・黒木信一郎・演中大介(九州大)

 堂上蜂屋柿よ永遠なれ!と、その存在を誇りに思い、その存在が地域の活力のもとにもなっている極上の干し柿「堂上蜂屋柿(どうじようはちやがき)」は岐阜県美濃加茂市蜂屋町に代々伝わってきた。この干し柿をめぐって織りなされた千年の歴史と長い時を経て伝承された微妙な製法が極上の味を作り上げた。文献:秋元浩一.千年の歴史の味、堂上蜂屋柿.新農林社.2000.


(B17)

Study on Estimation of Inner Quality Indexes of
Kiwifruit Stored in Modified atmosphere Packaging

A.Addo, T.Satake, S.Ohmori, S.Sakiyama and T.Maekawa

    Feedforward backpropagation neural network and statistical regression models were developed using external quality parameters of Kiwifruit as input data to estimate the internal quality parameters. The output of the networks were soluble solids content, titratable acidity, glucose and fructose.


(B18)

ニホンナシの模擬輸送実験における振動の伝達特性

劉蛟艶・田中宗浩・小島孝之(佐賀大)

 輸送中のニホンナシに加えられる振動の伝達特性を解明するために、5kg規格の出荷箱に詰められたニホンナシを用いて模擬輸送実験を行った。積み段数は3段、7段及び11段とした。実験の結果、積載段数が増加するにつれて、加速度伝達性は弱くなり、同時に低い周波数域(10〜20Hz)での振動が大きくなることがわかった。


(B19)

振動が鶏卵の損傷と品質変化に及ぼす影響

中村宣貴(食総研)・中原亜理江(宮崎県総農試)・YuemingJiang(South China Institute of Botany)
本谷憲朗(大喜商事)・椎名武夫(食総研)

 鶏卵の振動による損傷数、振動後5、10、25℃保存中のHaugh Unit変化、卵殻の最大圧縮荷重を測定した。(1)S−N曲線はN・G8.375=5.05×104で示された。(2)Haugh Unit変化は温度と日数に影響され、振動の影響は認められなかった。(3)卵殻の弱い個体の存在が輸送中の損傷要因の一つであると考えられた。


(B20)

泡盛の熱度判定に関する基礎的研究

秋永孝義・川崎聖司(琉球大)・田中宗浩(佐賀大)

 熟成年数が10年、12年、15年の同一メーカーの市販の泡盛を試料に、近赤外線分光分析による熱度判定の可能性を検討した。成分測定の結果、フーゼル油含有量、アルデヒド含有量、酸度が熱成年数に伴って増加の傾向にあること。850〜900nm、750nmの波長の2次微分吸収スペクトルを用いてマハラノヒス距離による判別を行い、高い判別率を得ることができた。


(B21)

密度とレーザ半透過光および電気特性による複合選果技術の開発
−スイカの肉質障害果の判別−

加藤宏郎(京都大)

 スイカの肉質障害果を判別するため、果実密度と835nmのレーザ内部拡散反射光およびインピーダンスを非破壊測定した結果、ウルミ(煮え)果は高密度で、内部拡散反射光が強くインピーダンスが小きかった。果実密度と非破壊計測による2周波抵抗比または内部拡散反射光を組合せた判別分析の結果、正常果とウルミ果の分布に明確な相違が見られ複合計測でウルミ果を判別できた。


(B22)

画像情報による干しブドウの等級選別

常勝威・佐竹隆顕(筑波大)・大森定夫、藤岡修(生研機構)

 汎用画像処理装置を用いて測定した新僵ウイグル自治区産干しブドウの総合的な外観品質情報と簡易カラーセンサーを用いて行った同干しブドウの色彩情報の測定結果を比較・検討した.簡易カラーセンサーにより等級の混在した干しブドウを秀、良、格外の3等級に区分できることが明らかとなり、経済発展途上国においても利用可能なコストパフォーマンスの高い画像処理干しブドウ選別機の開発の可能性を認めた。


(B23)

エチレン除去装置によるトマト食味保持効果の検証

上四暢子・荒木徹也・相良泰行(東大)・柳井康一(ゼオン化成株式会社)

 青果物の流通プロセスにおける新しい鮮度保持技術として着目されている「光触媒式エチレン除去装置」の品質維持果を実証するために、トマトを対象とした比較貯蔵実験と官能評価試験を行い、同装置の理工学的性能データと貯蔵トマトの官能評価、特に食味評価によりその有効性を確認した。


(B24)

リンゴのレオロジ特性計測に基づくテクスチャ評価法の考察

山田員弘・都甲洙・相良泰行(東大)

 食品のテクスチヤを定量的に評価するためには工学的な計測をする必要があり、その標準試験法と新しい物理的な指標の定義が重要である。本研究はリンゴを供試材料として、その破断およびクリープ試験法に関する標準法を確立するとともに、これらの試験結果よりテクスチャを定量的に評価するための各種パラメータを抽出して官能評価結果との対応関係につき考察した。


(B25)

スイカ共選施設における人−機械系作業効果分析

都甲洙・相良泰行・荒木徹也(東大)・川西啓文(日大)

 本研究はシミュレーションによる共選施設の合理的設計および操業法を検討するための基礎的データを得ることを目的とし、スイカの空洞果を判定する密度計測装置と全表面画像計測装置を組み合わせた「ライフ指数測定装置」および箱詰めロボット、バレタイザなどの搬送設備を導入した松本ハイランドスイカ共選施設を対象とし、主工程における人−機械系の作業効果を調査、分析した。


(B26)

澱粉質生分解性プラスチックの機械特性及び耐水性に関する研究

陳野・張振亜・石川豊・前川孝昭(筑波大)

 押出成型により澱粉質生分解性プラスチックの試作を行い、機械特性及び耐水性について検討した.可塑剤(グリセリン)の添加は機械特性を向上させ、20%がその最適添加濃度であった。澱粉をアセチル化させることで、耐水性、機械強度を向上させることができた。示差走査熱量計、走査電子顕微鏡等の観察から、このフィルムが均一な表面構造をとることが明らかとなった。


(B27)

とうもろこし種子タンパク質ゼインを用いた生分解性フィルムの農業用資材化への検討

吉野智之(筑波大)・Raffi PARAMAWATI(インドネシア農務省)
五十部誠一郎(食総研)・佐瀬勘紀(農工研)・前川孝昭(筑波大)

 とうもろこし種子蛋白質ゼインを用いた耐水性を有する生分解性フィルムを作成した。添加剤によりフィルムの柔軟性が向上し利便性が増加した。乳酸添加ゼインフィルムの土壌分解性が高く、環境負荷低減型の素材であることが示唆された。


(B28)

サトウキビトラッシュ分離システムの開発
−水流式サトウキビ梢頭部、土砂除去装置の実用化研究−

大村幸次・溜池雄志・上薗一郎・末川修(鹿農試)・宮部芳照・末吉武志(鹿大)・松元幸男(鹿県糖振協)

 ケーンハーベスタの普及に伴い、収穫原料に混入するトラッシュが急増している。これらのトラッシュの中でも、除去が容易でない梢頭部と土砂の分離除去を行うために、水流選別装置の適応性について検討した。その結果、選別精度は高く、処理能力も高いことから実用性は高いことが確認された。


農業施設学会