(B1)

籾殻混合乾燥の乾燥特性

西山童雄・星光二郎(岩手大)

 籾殻混合乾燥法は籾殻乾燥が高温小風量で行えるので、原理的に高効率乾燥法であるが、実際には乾燥効率は高くない。この原因を調べるため、籾、小麦の籾殻混合乾燥モデル実験を行い、混合乾燥特性を求めた。また、球乾燥モデルで混合乾燥特性を計算し、よい適合性が得られた。この乾燥モデルなどを使ったシミュレーションによって、籾殻乾燥を交差流乾燥から向流乾燥に変えると70%近く乾繰効率が向上できることがわかった。


(B2)

Estimation and Analysis of Grain Intermittent
Drying by the Sphere Drying Model

W.Cao, Y.Nishiyama(Iwate Univ.)

 小麦(東北206)、籾(L201、長粒種)を使って間断乾燥実験を行い、休止中の穀物温度を変えてリフレッシ効果への影響を調べ、同時に球乾燥モデルで休止温度の乾燥定数を使って計算した。休止中の温度が高い程水分移動定数(乾妓定数)が大きく、リフレッシ効果が大きくなった。また、計算値と実験値は非常によく一致した。


(B3)

Thermodynamic Analysis of Condensation and
Dew Formation in Rough ice during Storage

G.Atungulu, Y.Nishiyama, S.Koide(Iwate Univ.)

 長粒種籾(L201)を使い穀粒初期温度および周囲空気状態(温度・湿度)を変えて、穀粒への凝縮量(吸着および結露)を測定した。この結果と湿り空気と穀粒間の熱力学的関係からの計算結果と比較しよい一致を得た。この計算法により凝縮量を推定することが可能である。


(B4)

特徴点抽出画像処理による玄米の品種判別と異種穀粒などの判別

森嶋博・富田節雄・武田恭明(日大)・坂井直樹(筑波大)・郭康権(西北農科技大)

 専用画像処理装置により周縁画像を等価円半径で割り正規化位置決めの後、Arc Distance Ratioや曲率なとで全周を変換写像し特徴あるパタンを得た。基本画像を複数枚重ね品種内変動を消去し上記方法で変換写像し、比較的少ない粒数で品種固有のパタンに収束させ品種の識別を可能とした。被害粒・異種穀粒の判別は容易である。


(B5)

顕微近赤外分光分析法による穀物の内部成分情報の可視化

小山良・工藤謙一・樋口俊郎(東大)

 玄米の三次元内部成分情報を得るために、これを薄切し]Yステージを用いて透過型近赤外分光でマッピング分析した。適当な厚さの連続する薄切片を作製し、その全てより2次元成分分布像を得、それを元に三次元像を構築した。


(B6)

穀物表面の赤外線瞬間殺菌に関する研究

濱中大介・内野敏剛・胡文忠・安永円理子(九州大)

 原料穀物付着微生物の殺菌を目的として、生理食塩水に懸濁したカビ胞子及び細菌胞子に対して赤外線照射行った。カビ胞子に対して有効な殺菌効果を示したものの、細菌胞子に対しては、ほとんど殺菌効果は認められなかった。生理食塩水が保護剤として働き、赤外線の直接加熱効果を妨げたことにより、致死温度の高い耐熱性細菌胞子の殺菌率が低下したと考えられた。


(B7)

中国産米の理化学特性および食味に関する研究

劉腱偉(四川工業学院)・三輪精博・後藤清和(岐阜大)

 主に中国・四川省産ハイブリッド米について理化学特性、官能評価および食味計による食味評価の試験を行い、日本の食味検査方法の中国産米への適合性を検討した。食味計による水分と粗蛋白質含量の測定精度は高く、アミロースと脂肪酸度は低いことがわかった。また炊飯型食味計による食味評価値は、官能試験の値とよく一致する結果を得た。理化学特性と食味との関連も検討した。


(B8)

Evaluation of Amylograh Viscosity properties and
rice quality during different storage conditions

Nguyen Quoc Tuan、Kiyokazu Goto and Yoshihiro Miwa(Gifu Univ.)

  Using RVA Amylograph viscosity properties of Hatsu shimo rice stored in different conditions of temp and MC are measured during storage. Analysis of data shows that 'Aging' is very complex process and influenced by individual storage parameters as well as their interactions.


(B9)

インペラ式籾すり機の脱ぷ機構に関する研究

三輪精博・後藤清和・林丈樹(岐阜大)

 乾繰エネルギや容積効率の高い玄米乾燥を実用化するためには高水分籾の脱ぷが不可欠である。本研究では、一般的に普及しているロール式籾すり機では不可能な高水分籾の脱ぷが可能であるインペラ式籾すり機について、水分別、脱ぷファンの回転速度別に脱ぷ率、脱ぷ後の玄米の品質について調査した。また、圧力測定フィルム、高速度ビデオカメラを用いて、脱ぷ室内における籾粒の挙動を解析した。


(BlO)

ポット栽培用鉢上げシステム開発
−鉢上げ機について−

金承煕・李公仁(韓国農業機械化研)

 ポット栽培での移植作業の省力化を目的に鉢上げ機を試作し、ポット供給、養土充填、移植の一貫システムについて性能試験を行った。その結果、1時間当りの作業性能は1,200株となり、手作業に比べて79%の努力節減の効果があった。また、全体の移植率は96%となり、高い精度の試作機が得ることができた。


(B11)

ポット栽培用鉢上げシステム開発
−ポット供給及び養土充填装置について−

李公仁、金承煕(韓国農業機械化研)

 ポット栽培での重労働からの解放と生産量の増加等を目的にポット供給及び養土充填装置を開発し、その性能を検討した結果、ポットの供給率においては把持式が吸引式に比べ約18%も高くなることが明らかとなった。また、ポットの大きさ別養土充填量では変動係数が1.0〜3.4%となってその差は大きくなかった。一貫作業性能は1,200個/時間となり、慣行作業と比ベ4.8倍の努力節減の効果が得られた。


(B12)

養液栽培における備長炭等が葉菜の生育に及ぼす影響

武永順次(農工大)・浦田光雅(国際炭焼き協会)

 養液栽培で備長炭等の白炭を養液タンクに約45日間浸漬して養液(EC値2.0ms/cm・液温20℃・7〜8回/h)を循環すると水分子のクラスターが対照の水道水に比べて約17.5〜24.5%に細分化することが認められた。
 養水分吸収の高まりでビタミン菜の草丈、実数および総生体重等の生育要素が対照に比べて増加する傾向が認められた。


(B13)

ハウス内土壌水分の制御システムの開発研究(5)

中野和弘・前田敏之・三河英明・元永佳孝(新潟大)

 ハウスメロン栽培をしている篤農家の灌水作業から灌水ノウハウを抽出し、生育ステージ別の土壌水分値の制御目標範囲を設定した。それに基づき、ファジイ推論による自動灌水システムの提案を行った。また、メロン果皮色の分光反射率データを用いて、糖度を推定する重回帰式モデルを作成した。


(B14)

地中加温方式を利用した寒地ハウスの厳冬期におけるメロン栽培について

後藤眞宏・中山煕之(北農研)・我妻正迪(北農会)

 コジェネシステムからの排熱と電力を利用し、地中加温と補光による厳冬期間中のメロン栽培を試みた。排熱を利用した地中加温で、地表下10〜20cmの安定した地温維持と加温に要する消費エネルギーの削減が可能であること、さらに電力による補光を加えることで、寡日照期間である1月からの栽培への可能性が示された。


(B15)

音響的手法による温室内温度の非接触測定

水谷孝一・内田智英・赤上晃通・永井啓之亮(筑波大)・奥鳥里美・佐瀬勘紀(農工研)

 音速が気温に比例することを利用する超音波温度計を作製し、自然換気時における約900m2のガラス温室の1/4領域の非接触温度測定を試みた。音の伝搬路に沿って設置した8個の熱電対による測定値と比較検討した結果、空気温度のみを測定できていることが確認できた。


(B16)

積雪地帯における連棟ハウスの消雪法の開発(1)
−連棟ハウス用消雪システムの熱利用効率−

古野伸典(山形園試)・川村啓造(山形県庁)・阿部清(山形県農研セ)

 温風吹き付け方式の消雪システムを試作し、その燃料消費量と熱利用効率を調査した。消雪システムで消費される燃料は全消費量の0.189であった。消雪システムの燃料消費量と降雪量から、消雪に関する熱利用効率を試算したところ、期間により0.42〜1.19まで差が見られた。気象条件や降雪条件が関与していると思われる。


(B17)

積雪地帯における連棟ハウスの消雪法の開発(2)
連棟ハウス用消雪システムにおける送風方式の比較評価

古野伸典(山形園試)・阿部清(山形県農研セ)

 温風吹き付け方式の消雪システムを試作し、屋根面への送風方式について比較評価を行った。1100mmと300mmのダクトを組合せ、温度勾配を抑えた改良ダブル区では送風方向に対して消雪能力の差が少なく良好だった。しかし、300mmのダクトで送風したダクト区に比較し消雪能力が低く、フィルムが2重になるため熱伝導率が低くなることが原因と思われた。


(B18)

果樹用ハウスの柱一梁接合部が有する耐風強度の解析

森山英樹・松島健一(農工研)・豊田裕道(九州農政局)

 果樹周ハウスの柱−梁接合部に使用されている接合金物をモデル化し、脆弱であると推測される部位について強度解析を行った。また接合部の模型に関する曲げ試験を行い、実際の破壊挙動を確認した。さらに骨組構造解析を行い、接合部に生じる曲げモーメントを求めた。以上の解析および試験から接合金物の変形・破壊部位を明らかにし、それらに対する簡易な改良方法を提案した。


(B19)

平張型傾斜ハウス構造の力学的特性

長崎裕司・川嶋浩樹・野中瑞生・的場和弘・田中宏明
猪之奥康治・角川修・岡戸敦史(近中四農研)

 平張型傾斜ハウスの使用部材の強度試験や実物大のハウスを利用したけん引試験を行い、耐風性の観点で構造強化対策を検討した。自在クランプによる支柱と棟パイプの接合部分には方づえ補強が必要である。また、側面特に等高線方向については強風時の筋交い補強が不可欠であることが数値的に明らかになった。


(B20)

農業施設内外における空気イオン(マイナスイオン)濃度の実態に関する研究

鶴崎孝・Sunate Hongpraneet(愛媛大)・宮下佳生(松山赤十字病院)

 農業施設周辺の空気イオン(マイナス)濃度を測定した。マイナスイオンは「快適イオン」と言われ、人体に効用がある。マイナスイオンは夏期に多く、冬期に少なかった。園芸ハウス内では平均6000ions/cm3、外気に比べて約10倍多かった。カントリーエレベータでは500〜1400ions/cm3、事務・操作室で比較的多かった。


(B21)

近赤外線分光分析による水環境汚染因子の評価

杉浦則夫(筑波大)・張燕生(茨城県科学技術振興財団)・張振亜・前川孝昭(筑波大)

 水環境の栄養評価指数(TSI)を用いて霞ケ浦の観測データを基に栄養状態の定量化を行った。栄養状態に対応する藻類などの生物の変化をchl-aおよびShannon指数によって評価した。またNIR法を用いたアオコ現存量の分析方法を試みた。対象とする実際の池水のクロロフィル-a濃度範囲では重相関係数R=0.99、検量の標準偏差SEC=0.115、予測標準偏差SEP=0.13の結果が得られた。


(B22)

近赤外分光法を用いた細胞アポトーシスの検出

江村耕司・磯田博子(筑波大)・Roumiana Tsenkova(神戸大)・前川孝昭(筑波大)

 アポトーシスによるDNA断片化の検出を試み、アポトーシス誘導したヒト乳がん細胞のDNAを近赤外分光法により測定した。得られたスペクトルデータを主成分分析した結果、アポトーシス誘導した細胞のDNAを検出することができた。この結果より、DNAの挙動解析についてもNIR法が適用できる可能性が示された。


(B23)

近赤外分光法による食用担子菌アガリクスの培養液中のβ-グルカンの分析

尹海清・磯田博子・前川孝昭(筑波大)

 近赤外分光法を用いてアガリクスの菌糸体の培養液中のβ-グルカンを測定することを検討した。β-グルカンの特異的吸収波長は、元スペクトル:1672, 2094, 2226, 2284nmであった。この波長による検量線を作成した。その重相関係数はR=0.99、RMSEP=0.68であった。


(B24)

食用担子菌類の液体培養による機能性食品の開発
−菌糸収量に及ぼすバガス抽出液添加−

院多本華夫・古山貴士・赤沢うた・磯田博子・杉浦則夫・前川孝昭(筑波大)

 ペプトン、酵母エキストラクト、マルトエキストラクトショ糖で作られた培養液に砂糖キビのバガス水抽出液を添加し、担子菌類菌糸を培養した。ATCC株、農林1号のAgariscus blazei Murill.キノコ、Chaetomium elatumとも25〜29%の増収が認められた。


(B25)

バガスを添加した澱粉質生分解性プラスチックの試作

陳野・張振亜・石川豊・前川孝昭(筑波大)

 バガスは苛性処理され、これをアセチル化澱粉とPCLに混合して、押出成形した。成形品の引張強度はバガスの添加量が15%までは増加に伴い高くなったが、水分吸収率は減少した。15%バガスを添加した試作品は汎用プラスチック容の代替として、生分解性食品容器や植木鉢、育苗ポット等を作製することが可能であることが示唆された。


(B26)

Modification properties of soyprotein and mungbeen protein films

Wimolrat Cheappimolchai・院多本華夫・石川豊・前川孝昭(筑波大)

 緑豆及び大豆のタンパク質を基礎機材に澱粉を添加して作られたフィルムは引張強度及び耐水性が改善されたが、弾力性は低下した。一方、可望剤ではグリセロール系と比べてソルビトールの添加はフィルムの引張強度及び耐水性を強化させた。


農業施設学会