(C1)
夏期高温期における屋根開放型温室の温熱環境特性
石井雅久・佐瀬勘紀・奥鳥里美・In-Bok Lee(農工研)・丸尾達・伊東正(千葉大)
本実験には屋根開放型温室を3棟使用した。各温室の屋根は全開にし、遮光カーテンの閉じる割合を3水準設けた。温室内の日射量は、構造材や被覆材の影によって変化した。また、屋根を開放すると温室内の高温を抑制することができたが、遮光カーテンを閉じると高温を助長した。以上より、屋根開放型温室は従来の温室と比べて気象因子の変動が大きいことが示唆された。
(C2)
省エネルギー型日光温室の熱環境形成機構に閑する研究
−熱環境予測モデルの開発と検証−
畔柳武司・山口智治(筑波大)
中国在来の省エネルギー型作物栽培施設である日光温室について、作物栽培が行われていない状態の熱環境予測数学モデルを開発し、2000年3月の実測データを用いて壁熱流、室内気温などの検証を行った。室内気温の予測値と実測値は比較的良く一致したが、室内湿度の予測値は実測値より低めの数値を示しており、蒸発散量の算定法について改善の余地があることが判った。
(C3)
日光温室の熱環境形成機構に関する研究
−厳寒期における現地測定結果−
今井和美・山口智治・畔柳武司(筑波大)・陳青雲(中国農業大)
冬季厳寒期、北京および長春において日光温室の環境計測を行った。北京温室では、夜間無加温で内外気温差約12℃を維持することを示した。一方、夜間外気温度−20℃の長春温室では、暖房炉が断続的に稼動しており、完全な無加温栽培を可能とするには、在来施設の構造改良の再検討が必要であることが示唆きれた。
(C4)
中国の農業施設における気化冷房システムに関する研究
−中国におけるパッドアンドファンシステム利用事例について−
趙淑梅・山口智治(筑波大学)・馬承偉・李保明(中国農業大)
水の蒸発冷却原理による気化冷房法の一つであるパッドアンドファンシステムは、1980年代に中国へ導入され、現在、中国の農業施設の主な冷房方式となっている。中国における導入事例を紹介し、2001年夏季、北京・上海市で実施した本システムに関する実験結果を報告する。
(C5)
キュウリの低温障害の早期検出
中村宣貴(食総研)・D.V.Sudhakar.Rao(Indian Inst of Hort. Res.)
石田信昭(食総研)・狩野広美(生物研)・椎名武夫(食総研)
本研究ではキュウリの低温降雪の早期検出について検討を行った。その結果、呼吸速度および果実浸漬水の電気伝導率を測定することは低温障害の早期検出に有効であることが分かった。また、MRIによるイメージの測定は、貯蔵後の果肉には温度によって異なる変化が起こることを示した。
(C6)
収穫後経過時間が青果物の呼吸反応特性に及ぼす影響
前澤重禮・佐藤宏美・中野浩平(岐阜大)
キュウリ、エダマメを用いて、呼吸速度の温度依存性、呼吸商の点から収穫後経過時間が呼吸反応機作に及ぼす影響を検討した。その結果、キュウリでは時間経過に関わらずアレニウスプロットに直線性が見られ、エダマメでは収穫直後に屈曲点が見られた。また、収穫後経過時間によって呼吸商はそれそれ異なる値を示した。以上より、収穫後経過時間は青果物の呼吸反応特性に影響を与えることが示唆された。
(C7)
修正ガス環境下における貯蔵ブロッコリの品質変化予測
中野浩平・前澤重禮(岐阜大)
収穫後経過時間、温度、および酸素濃度の関数とした、収穫後のブロッコリーのアスコルビン酸含量と色調を予測する重回帰モデルを構築した。実測値と予測値の相関係数は、それそれ0.910、0.858となり良好な予測が可能となった。本モデルを用いることにより、流通の様態に応じて要求される品質保持対策を検討することが可能となった。
(C8)
貯蔵中におけるホウレンソウ組織内ガス環境の変動
水上裕造(農工大)・齋藤高弘・志賀徹(字都宮大)
貯蔵ホウレンソウの組織内ガス環境を測定し、品質持効果を検討した。CO23%、O22%のCA貯蔵により組織内CO2濃度は2.6%、O2濃度は19%となり、アスコルビン酸の保持、呼吸の抑制に対し効果が認められた。しかし不適切なガス制御により組織内CO2濃度及びO2濃度の急激な増加、減少を招き、呼吸の異常および品質劣化を引き起こすことが明らかになった。
(C9)
Effects of Fluctuating Temperatures on Quality of
Kiwifruit in Modified Atmosphere Packages
Ahmad Addo, Takaaki Satake(Univ.of Tsukuba)
Kiwifruits were sealed in low-density polyethylene film and stored at 1C-degree for 3 weeks and later stored at different fluctuating temperatures(1-15C-degree).
Temperature fluctuation did not lead to anoxic atmospheres within the packages but affected quality parameters.
(C10)
果皮色情報による干しブドウの等級選別
−カラー画像センサとデジタルカラー判別センサによる判別−
常勝威(筑波大)・藤岡修・大森定夫(生研機構)・佐竹隆顕(筑波大)
2種類の光学センサを用いて搬送コンベヤ上の中国産干しブドウの果皮色の計測を行った。カラー画像センサはコンベヤの搬送速度を変化させても、ほば同様な判定精度が得られる一方、デジタルカラー判別センサは、測定値が搬送速度の増加とともに減少する傾向が認められ、出力の速度依存性が明らかとなった。
(C11)
イチゴの模擬輪送実験における振動伝達特性
劉蛟艶・田中宗浩・稲葉繁樹・小島孝之(佐賀大)
箱詰めしたイチゴの多段積載状態における模擬輸送振動実験を行い、果実の振動挙動を測定し、それらの振動伝達特性についての知見を得た。
13段積載時における振動台及び各積載段位の果実振動を測定し、解析した。その解析、高い周波数域での伝達比は積載段位が上部にいくほど小さくなり、低い周波数域で大きくなった。
(C12)
ペルチェコンテナの試作と性能評価
椎名武夫・中村宣貴(食総研)・福嶌信秀・関尚行・岩城邦明(東京冷熱)
1.8m×1.8m×2.2mHのコンテナ天井面に公称冷却能力150Wのペルチェユニットを10台設置した、フロンフリーの低温コンテナを試作した。庫内温度を0℃まで冷却できるコンテナ周囲温度は、標準状態で約22℃、吸熱面積が2倍では約24℃、4倍では25℃程度であった。また、吸熱面積の拡大で冷却速度が増加し、吸熱面の伝熱改善によって冷却性能が向上することがわかった。
(C13)
中国の農作物卸売市場における現状と分析
古在由春・石川豊・杉浦則夫・前川孝昭(筑波大)
中国の農作物卸売市場の変遷と現状を紹介し、現状を特徴付けるひとつの鍵である農民経紀人の存在に触れつつ、農作物流通の課題として中間流通組織の欠如などを指摘した。また農作物卸売価格の推移が健全な状況だとは言えない背景を、投資の必要な農業の台頭によって農家収入増が農家経営コスト増に追いつかず、また農家と非農家の収入較差が生じていること等から指摘した。
(C14)
輸入農産物の食品衛生法に基づく検査体制の
問題点の抽出とその対策について
石垣学・魏斌・石川豊・杉浦則夫・前川孝昭(筑波大)
食品衛生法による輸入農産物の命令検査に該当する品目の輸入状況及び検査結果から、アフラトキシンの検出事例を定性的および定量的に分析した。生産国、検査月により、その発生率に変動があることを認めた。検査命令の適用には、過去の詳しい輸入事例に沿った検査を実施することが適切であると考えられる。
(C15)
大気放射冷却を利用したハイブリッド蓄冷式冷蔵システムの集熱・冷却性能
小綿寿志・奥山武彦(農工研)
スカイラジエータを用いた大気放射冷却の集蓄熱性能並びに水蓄熱式および氷蓄熱式冷房システムによる冷蔵庫の冷却性能を実験で明らかにした。1夜でスカイラジエータの放熱面1m2当り1.1〜3.8MJが蓄熱され、集熱COPは0.9〜1.9であった。夕方から翌朝まで約18時間かけて野菜を冷却する場合、中温室では約15℃まで、低温室では約5℃までの冷却が可能であった。
(C16)
Development of Dry Methane Fermentation System(3)
-Performances of Acidification by Rotational Dram Fermentation System(RDFS)-
Wei Zhong Jiang, Yutaka Kitamura, Noriaki Ishizuka(Shimane Univ.)
The effects of hydraulic retention time(HRT) on the acidification process characteristics were determined via system parameters. Soybean meal with a higher TS content(approximately 20%) was used as substrate in this study.
(C17)
嫌気消化における有機酸濃度によるメタン生成速度の変動予測
井原一高(都立大)・杉浦則夫・前川孝昭(筑波大)
嫌気消化において、メタン生成菌の阻害物質であるプロピオン酸濃度、微生物代謝に関与しているNAD(P)Hの変化速度そしてメタン生成速度の三者の時間差を相互相関関数を用いて計算した。メタン生成が安定しているHRT=10日の運転において、プロピオン酸濃度と約13.5日後のメタン生成速度との間にやや高い相関が得られた。
(C18)
農業バイオマスを原料とした乾式メタン発酵システムの構築
坂田悦朗・織田敦・笈田昭(京大)
本研究では、フスマを原料とした乾式メタン発酵システムを考案、設計、構築した。このシステムから得られるデータとこれまで継続して行ってきた湿式メタン発酵のデータを比較することで、乾式メタン発酵では、より高い有機物負荷での運転が可能であり、より多いガス発生量が得られることが確かめられた。
(C19)
フスマを原料としたメタン発酵の特性解析
織田敦・坂田悦朗・笈田昭(京大)
農業バイオマスであるフスマをメタン発酵によってエネルギ変換することを目的として、可溶化処理を施した混合フスマを原料としたメタン発酵実験を行い、メタン発酵モデルの1つであるChen-Hashimotoモデルを適用してその発酵特性を検討した。その結果、発酵槽容積あたり最大メタン発生量や最適有機物濃度などの発酵条件と今後の実用化に向けての方向性が明らかになった。
(C20)
A Simple Instrument for Liqud Type Samples
S.N.Jhal, T.Hatsuoka and S.Kawano(Kochi Univ.)
A simple and low cost NIR spectrometer was used to determine the Brix of orange juice and the results were compared with that of NIR System. Partial least squares regression of spectral data in wavelength region from 700 to 11OO nm was performed. The standard errors of calibration and validation were found to be reasonably low(about O.47 Brix).
(C21)
電解処理および磁気分離を用いた廃水処理
井原一高・金森伊織・加藤誠志・伊藤大佐・渡辺恒雄(都立大)
鉄電極を用いた電解処理と超伝導マグネットを用いた磁気分離を併用した廃水処理法を埋立浸出水処理に適用した。電解処理によって生成した常磁性の水酸化鉄に廃水中の有機成分が吸着と考えられ、高勾配磁気分離フィルタを装着した超伝導マグネットで水酸化鉄を回収したところ、廃水中の全有機炭素濃度が減少した。
(C22)
GAによる生物生産物資の最適輸送経路の決定
佐竹隆顕(筑波大)・小高和博(新日鐵情報通信システム)・阪田治(茨城医療大)
県内に仮想的に複数設定した農業プラントへの生産物資の最適輸送経路の決定問題に関して、遺伝的アルゴリズムを援用した基本的な探索シミュレータを開発した。同域内に湖沼などの通行障害がある場合には迂回地点を経由する一方、プラントが立地する都市間の標高差や輸送車両の積載重量等の条件を加味した上で燃料コストを最小とする最適経路の探索が可能であることを示した。
(C23)
電解酸性水の貯留方法および施用装置による濃度低下の調査
本田善文・長谷川三喜(畜草研)・池口厚男(農研機構)
中酸性水では遊離塩素濃度は安定している。強酸性水は貯留中に濃度が低下し易く容器を腐蝕する性質があるため、低濃度の場合は生成直後の利用に限られ、高濃度でも使用直前に濃度を測定する必要がある。また、高圧洗浄機等で施用すると散布距離が遠くなるほど濃度が低下するが、強酸性水の方がその傾向が顕著となる。
(C24)
電気インピーダンス・トモグラフィの異物検出への応用
豊田淨彦・Tsenkova Roumiana・小川学(神戸大)
寒天やKCl溶液のモデル食品中に銅管、空孔及びプラスチック円柱を設置し、電気インピーダンス・トモグラフィ手法により、試料の抵抗分布を二次元イメージとして求めた。それにより、イメージから異物や空孔が検出可能なことを明らかにした。データ収集にはNeighboring法を、画像再構成には有限要素法ほかによる逆解析法を用た。
(C25)
ニューラルネットワークによる障害バレイショの非破壊検出
中野和弘・宮浦裕也(新潟大)・滝沢憲一(前川製作所)・鬼島透・元永佳孝(新潟大)
マルチスペクトルカメラにより取得した画像データをもとに、ニューラルネットワークにより内部障害バレイショの非破壊検出に関する検討を行った。その結果、ラディアル・ベース・ネットワークによる判別率は88.2%となり、内部障害バレイショの非破壊検出にニューラルネットワークが有効であることが示唆された。
(C26)
ニューラルネットワークを活用した汚濁湖沼の事前評価
魏斌・森岡理紀・杉浦則夫・前川孝昭(筑波大)
霞ヶ浦の栄養状態の変化を調査し評価するために、植物プランクトンについての生態学的指標の判別分析と組み合わせたニューラルネットワーク技術が閲発された。霞ヶ浦のデータの基づいた結果からは、植物プランクトン細胞数の対数値の数度によって十分に研究対象湖沼における異なった富栄養化レベルを区別することができたことが示された。