(P1)
ボールミルによる汚粒大豆のクリーニング効果
−ミルの回転数と研磨剤の粒径が与える影響−
内田進・藤木徳実(佐賀大)・緒方英郎(JA佐賀)
収穫時に生じる大豆表面に付着する土や草汁などの汚れを除去する方法としてボールミルを用いてその効果を調べた。今回はボールミルの容器サイズ(大中小)を変えてミルの回転数(2段階)、研磨剤(ジルコニアボール1mmφ2mmφにアルミナボール15mmφを混合したもの)による汚粒大豆の除去効果について測定した。
(P2)
食品生産・流通におけるHACCP支援システムの構築
豊田淨彦・Tsenkova Roumiana・大崎伸明・小川学(神戸大)
環境条件に基づいて危害発生の危険性を予測するソフトウェアの開発を目指し、拡張アメダス気象データに基づく温湿度環境グラフ化ツールと微生物成長予測シミュレータを作成開発した。更に、両者の統合により、実際の環境条件下で微生物危害の発生を精度良く予測する危害予測シミュレータを作成した。Listeria Honocytog enesを対象菌とした。
(P3)
酪農施設内における細菌数の調査
本田善文・長谷川三喜(畜草研)・池口厚男(農研機構)
搾乳施設と周辺の好気性細菌数を調査した結果、固形物が多く残存する床面では104〜106CFU/cm2と多くなる傾向がある。なお、コンクリート床面では固形物が無くても菌数が多いが、乾燥すれば低減できると推測される。また、牛床マットとウォーターカップ直下は洗浄直後でも菌数が多いので、高圧水による洗浄に他の方法を組み合わせた殺菌が必要であると考えられる。
(P4)
積雪寒冷地における家畜ふん尿のバイオエネルギー化実験施設の建設について
宮川真・秀島好昭・大深正徳(開土研)・舘山留夫(ドーコン)
北海道湧別町に家畜ふん尿の適正処理を目指したバイオエネルギー化実験施設を建設した。200頭規模を対象に、メタン発酵施設と回収エネルギーを利用した堆肥化施設からなる複合施設とした。積雪寒冷環軋地域の酪農飼養形態及び共同利用等を考慮し、固液分離機−ふん尿融解槽等の周辺設備を設置した。
(P5)
膜分離活性汚泥法によるパーラー・パドック排水の浄化処理
−施設の概要と技術的課題−
佐藤義和・中村正斗・矢用健一(北海道農研)・原宏一・西原良一(オリオン機械)
北海道農業研究センターでは膜分離活性汚泥法による汚水の処理・放流に関する実証研究を行っている。処理水のBOD、SS、大腸菌群数は安定的に良好な数値が得られている。合理的で簡便なMLSS・BOD-SS負荷の制御、安定的な脱窒・脱リン、尿や堆肥れき汁などのプラントへの受け入れ、施設の簡素化などが課題である。
(P6)
コンポスト化プロセスの不安定性についてのランダムウォーク法による検討
関平和(金沢大)
状態変数のバラツキがコンポスト化の進行に及ぼす影響を確率論的に取り扱う方法を検討した。コンポスト化を均相系における化学反応に見立て、反応を確率論的に解釈して最終的にFokker-Planck方程式を得、数値解析は、地下水中の物質移動現象の解析に実績のあるランダムウォーク法によった。そして、バラツキの程度とプロセスの不安定性の関係を調べた。
(P7)
平張型傾斜ハウスの設計及び施工技術
長崎裕司・川嶋浩樹・野中瑞生・的場和弘(近中四農研)
傾斜地域の多様な閻壕条件にフレキシブルに対応できる平張型傾斜ハウスについて、各種圃場条件に対応した設計・施工方針を明らかにする必要がある。ここでは、平均傾斜18度の傾斜畑での施工事例を中心に施工に必要な材料及び手順を整理した。3a規模のハウスで30人日で施工できることが明らかになった。
(P8)
温室における空気質の実態調査
−粉塵およびカビの測定−
奥島里美・石井雅久・佐瀬勘紀(農工研)・池口厚男(農研機構)・駒場謙一(栃木県農振事務所)
フェンロ型温室と切妻型連棟ハウス(土耕栽培および水耕栽培)にて、粉塵量とカビのコロニー数の測定を行った。それぞれの測定は、パーティクルカウンタと吸引サンプリングにより行った。その結果、温室内は外気とほば同程度であり、粒径1μm以上の粉塵は1000個/lのオーダーであった。カビのコロニー数は約200/m3であった。
(P9)
大気放射冷却のパッシブ利用による青果物の冷却・冷蔵
小綿寿志・奥山武彦(農工研)
夜間の大気放射冷却を利用した冷凍機によらない青果物の冷却・冷蔵の効果を明らかにするため、農ポリフィルムとアルミ蒸着フィルムの開閉が可能な二重パイプハウスを用いて実験を行った。秋季の晴天の夜間には、外気にさらした野菜は1夜の冷却で通常の予冷に近い品温低下が得られること、黒球温度計を用いて放射冷却の強度を簡易的に推定できること、冬季には2〜4か月間野菜の品質保持が可能であること等を明らかにした。
(P10)
バイオマス燃料のエネルギー分析
川上聡士・木谷収(日大)
バイオマス燃料は、有機物であるバイオマスをエネルギーとして利用するものであり、エタノール、メタンガス、植物油メチルエステル等に変換し、石油代替燃料として活用する方法がある。本研究では、バイオマスとして農作物を、エタノール、メタンガス、植物油メチルエステルの3種の燃料に変換する際、それそれの農作物がどのような効率でバイオマスエネルギーに変換・利用することが出来るのか分析を行った。
(P11)
北海道の酪農地域におけるエネルギー需要とバイオガスエネルギーの特徴
大深正徳・秀島好昭・宮川真・中村和正(関土研)
北海道におけるバイオマスエネルギー資源の賦存量等調査を行った。北海道には利用可能なバイオマス資源が豊富に存在し、特に家畜ふん尿や食品産業汚泥が各地域に存在することがわかった。需要特性として、水稲、畑作の耕種農業では消費に明確なピークを有し、軽油の消費に特化していたり、酪農では年間を通して時期的な需要量に変化がなく生活系との類似が認められた。
(P12)
機器測定パラメータの感性変換モデルによる青果物評価システムの開発
山田員弘・池田岳郎・都甲洙・相良泰行(東大)
リンゴを供試材料として、機器計測パラメータからその官能評価結果を予測可能なモデルを開発することにある。機器計測としてクリープメータを用いた破断試験とクリープ試験および糖酸度計測を行い、これらの結果から重回帰モデルおよびニューラルネットワークモデルを利用して官能評価結果の予測を行った。
(P13)
強酸性電解水による種籾の消毒処理
−もみ枯病細菌への効果−
吉田恭一郎・鈴木鐵也(北大)・五十部誠一郎(食総研)
もみ枯細菌を植菌したモデル系を用いて強酸性電解水、農薬などいくつかの処理による消毒効果と試料表面での微生物挙動観察を検討した結果、強酸性電解水処理で高い殺菌効果が得られた。発芽試験においては、発芽率には差はなかったが、農薬処理にくらべて根の量や長さに違いが認められた。
(P14)
連続切片の仮想再構成による米粒の三次元解析
小川幸春・杉山純一(食総研)
農産物中の成分分布や内部形状を立体で計測する手法を米粒に適用して、立体的な内部形状の解析を行った。可視化目的の成分や構造に応じた染色等の着色手法と立体計測手法を組合わせることで、米粒の内部形状などを計測した。その結果、種籾の立体構造、特に水分・養分の通路である維管束の立体形状、および玄米粒中のデンプン含有、非含有部位の分離による胚と果皮の形状などが、立体の状態で解析可能であった。
(P15)
生体材料内氷結晶構造に及ぼす凍結速度の影響
都甲洙・相良泰行・工藤謙一・樋口俊郎(東大)
本研究は凍結において生体材料内に形成される氷結晶の立体構造、サイズ、分布等を定量的に計測する方法を開発することにある。供試材料に生牛肉を選びその組織を蛍光染色することによって氷結晶と組繊を識別し、マイクロスライサ画像解析システムにより生体材料内氷結晶を三次元的に観察する方法を確立した。本方法により凍結条件と氷結晶性状の関係を定量的に明らかにした。
(P16)
海水濃縮技術開発に関する基礎研究
−濃縮した海水の物理特性-
陳介余・松永隆司・石川匡子・張函(秋田県大)
地域の自然条件を活用して効率よく海水を濃縮する技術を開発するため、濃縮段階での海水物理特性を調べた。その結果、濃縮海水の蒸気圧は、温度にだけではなく濃度にも非常に関係していることを示し、時間ことの蒸発水量は、濃縮海水と空気の蒸気庄差に比例していることを示した。
(P17)
作物生産において降水量の比較的少ない地域では、土壌の水分保持カが重要となってくる。本研究では、身近で大量かつ安価な有機廃棄物を保水剤として用いることを検討するため、新聞紙、籾殻、藁を選定した。これらの有機廃棄物は粉砕処理を施し間隙や表面積を増やし水分保持力を高める。有機廃棄物が保水剤として利用できるなら、土壌に混入することで土壌水を有効利用し、作物生産の向上が図れると考えられる。
(P18)
ジャージー酪農と稲作による複合経営に関する総合的評価
河上博美・田村悠子・干場信司・森田茂・佐藤俊弥(酪農大)・池口厚男(農研機構)
5つの評価指数を用いて、秋田県Y町の酪農家群を対象とし、地域的特徴、畜種、経営形態および糞尿処理方式の違いを評価するとともに、北海道内2町村との比較を行った。窒素負荷量の低さの原因は、水稲を加えた内部循環の成立と共同堆肥化センターの利用があげられた。