(A1)
精米の空気搬送
中谷紘志・和田聡一・園部和彦(全農)・福島幸生(日立プラント建設)
空気搬送が精米に与える影響を調査し、その実用性について検討した。モデルプラントにおいて空気搬送前後の精米品質を分析し比較検討したところ、砕粒、異物、胚芽残存率、水浸割粒、容積重、濁度について増減は見られなかった。水分、穀温減少は若干見られたが、空気搬送が精米に与える影響は微少であることが示唆された。
(A2)
米の浸漬工程における亀裂発生に関する研究
三輪精博・後藤清和(岐阜大)・臼井鏡(共和食品工業)
米の浸漬工程で米粒に発生する亀裂は、浸漬・炊飯過程に粒の内容物が溶出し、食味や食感を低下させる。本研究では浸漬工程で発生する亀裂の実態を観察的方法によって検討した。供試精米を整粒と胴割れ粒に分けて浸漬工程で撮影した写真から整粒の吸水は胴割れ粒より遅いことがわかった。また胴割れ粒の75%が浸漬20分で亀裂を発生した。整粒の亀裂発生率は試料により異なる。
(A3)
極微弱発光計測による脂肪酸度の推定
萩原昌司・加藤美穂・塚田佳苗(食総研)・齋藤高弘・志賀徹(宇都宮大)・大谷敏郎(食総研)
本研究は極微弱発光現象を用いた品質評価法の開発を目的とし、米の脂肪酸度を推定の可能性を検討した。精米歩合の変化により作成した試料の発光量を計測し、極微弱発光量と米の脂肪酸度が非常に相関が高いことが明らかになった。また粉体で測定することにより、発光量が米粒に比べ1.8倍多いことが明らかになった。
(A4)
調理用トマトの乾燥
折笠貴寛・田川彰男・飯本光雄(千葉大)
マイクロ波を熱風と併用して市販の生食用トマトを乾燥し、水分、温度、体積および色彩の変化、およびリコピン含有量を測定した。マイクロ波の併用により、乾燥時間は大幅に短縮したが、マイクロ波の過熱によるメイラード反応が原因と思われる褐変が見られた。したがって、マイクロ波のトマト乾燥への利用は、温度上昇を抑制できる他の方法との併用が望ましいと考えられる。
(A5)
Dehydration Process Characteristics and Quality Evaluation of Chili Pepper
T. W. Widodo, H. ISHIDA, E. SAKAGUCHI and K.TAMAKI(東京農業大)
Dehydration processes of chili pepper were conducted using a laboratory scale of continuous and non destructive weighing system in aapplications with a rotary-type dryer. The weight-Changes patterns of the product were investigated with given dehydration.
(A6)
制御環境下におけるホウレンソウの組織内ガス環境と呼吸
水上裕造(農工大)・齋藤高弘・志賀徹(宇都宮大)
貯蔵ホウレンソウの組織内ガス濃度を測定し、これらが呼吸とガスの拡散に及ぼす影響を検討した。大気条件において呼吸は組織内ガス濃度の影響を受けないが、CA貯蔵中は同じCO2濃度において、呼吸速度が大きいほど組織内CO2濃度は高い値を示した。貯蔵温度が低いほど、またCO2濃度が高いほどガスの拡散抵抗は大きく、気孔が閉鎖することが言える。
(A7)
吊り下げ型緩衝材による青果物の損傷防止に関する研究
−吊り下げ型緩衝材の力学的特性−
森良種・中村宣貴・椎名武夫(食総研)・上内茂秋(太洋興業)
直径の異なる球体(L,M,S)および平板圧縮治具を製作し、圧縮試験機を用いて吊り下げ型緩衝材の力学的特性を検討した。底容器は標準型が薄型より約2倍の強度を有した。不織布の最大変位は20針で40針、60針より値が大きくなった。緩衝材の最大圧縮荷重は治具Lで最も大きく、次いでMであり、Sで最も小さくなった。
(A9)
SAによる生物生産施設および施設内機械装置の最適配置設計
阪田治(茨城県立医療大)・橋本光・佐竹隆頭(筑波大)
敷地内の不定形の空地への新規建物等を配置する問題とライスセンター内の機械装置の配置問題に対し、シミュレーテッド・アニーリング(SA)を援用した配置設計シミュレーションを行った。その結果、開発したSAシミュレータは、設計技術者による設計に良く近似した配置を実現し、SAシミュレータの機能が確認できた。
(A11)
近赤外透過スペクトルを用いた生乳成分簡易迅速測定装置"MilkSpec"の開発
河野澄夫(食総研)・寺澤洋子(筑波大)・寺田文典(畜草研)
生乳および乳製品の品質管理および乳牛自体の栄養管理の観点から、生乳成分を簡易迅速に測定可能な測定装置の開発を行った。開発した"MilkSpec-2"及び"MllkSpec-3"は、前回開発した"MilkSpec-1"と同様、生乳の脂肪、無脂固形分、全固形分、タンパク質、および乳糖を高精度に測定する能力を有することが明らかとなった。
(A12)
近赤外線分光分析法を用いた藻類種の識別法の開発
張燕生(茨城県科学技術振興財団)・杉浦則夫・前川孝昭(筑波大)
アオコを形成する藍藻類の中には毒素を生産する種があり、水の人体への影響が懸念されており、水環境中に多様の藻類種が存在している場合、どの種類が優占化し、また目的とする藻種の比率がどの割合で存在するか、情報を収集することは重要である。本研究では藻種の近赤外吸収スペクトルに基づき、優占種の判別分析を試みた。
(A13)
生乳近赤外スペクトルによる乳房炎起因菌の識別
森田博之(神戸大)
生乳近赤外スペクトルによる乳房炎起因菌三種(SA,CNS,OS)の識別の可能性について検討した。乳牛毎の個体差や前後乳房の大きさの違い等による解析の複雑さを軽減するため、各分房乳から得たスペクトルについて、乳牛毎に前側・後側乳房を別にして、細菌が検出されたものからされなかったものを差し引いた。求めた差スペクトルには、各細菌に特徴的なバンドを確認できないが、ベースラインに一定の傾向が見られた。
(A14)
二次元相関赤外分光法による糊化デンプンスペクトルの解析
寺澤洋子(筑波大)・宮澤光博(農業生資研)・前川孝昭・河野澄夫(筑波大)
デンプンの糊化に伴う構造の変化を捉える目的で、糊化度の異なる小麦デンプン試料の赤外スペクトルを測定した。二次元相関分光法による解析の結果、グルコシド結合に関連するバンドに強い相関が見られたことから、同法は糊化に伴うデンプン分子の構造変化を解析するのに有用であることが示唆された。
(A15)
電気インピーダンス特性による和牛枝肉のキャラクタライゼーション
谷原礼諭(香川県畜試)・豊田浮彦(神戸大)・日浦千尋(高知県畜試)・岡山高秀(神戸大)
電気インピーダンスによる生体牛品質評価を前提に、解体約1週間後の牛枝肉の胸最長筋、僧帽筋、広背筋等、各部の電気インピーダンス特性を調べた。電気的等価回路モデルのパラメータにより、各部筋肉の識別及び胸最長筋における脂肪交雑の評価の可能性を明らかにした。
(A16)
食料の一次生産における衛生管理AgriHACCPの意義と展望
豊田浮彦(神戸大)
食料の一次生産における衛生管理には、微生物制御をはじめ未知、未開発な技術が多く・、現場での衛生管理の導入には困難を伴う。そのため、一次生産に適した管理手法や支援技術を明らかにし衛生管理の導入を容易にすることがAgriHACCP活動の現時点での達成目標である。先進的な北米等、海外での調査結果に基づいて、衛生管理システム導入の意義とその展望を示す。
(A17)
バレイショ貯蔵時の緑化とグリコアルカロイドの非破壊検出法に関する研究
中野和弘・鬼島透・元永佳孝(新潟大)・滝沢憲一・篠崎聡(前川製作所)
マルチスペクトルカメラにより取得した画像データを用いて、バレイショ貯蔵時に発現する緑化とグリコアルカロイド(PGA)を非破壊的に検出する方法について検討した。その結果、バレイショ表皮部の分光バンド比とPGA濃度の問に強い相関関係が見られ、PGA濃度をある程度推測できることが示唆された。
(A18)
インピーダンス・トモグラフイによる食肉製品の異物検出
豊田浮彦・Tsenkova Roumlana・小川学(神戸大)
ハンバーグ、ハムの食肉製品中に設けた銅管、プラスチック異物、空孔を電気インピーダンス・トモグラフイにより二次元抵抗値イメージとして検出する方法を検討した。プラスチック異物、空孔の位置と大きさ、銅管と他との種類識別が可能なことを明らかにした。測定と解析にはNeighboring法とFEMによる逆解析法を用いた。
(A19)
養豚場におけるHACCPシステム導入について
渋谷秀行(協同飼料)
HACCPの原点である「農場から食卓へ」の農場への導入を養豚場に絞り、現場の状況把握と飼養管理マニュアルの見直し等を行うことにより、養豚場でのHACCPに対する意識を高めることを目的として実践した。養豚場では、豚肉への薬品残留と注射針混入と言う事が食品の安全性管理として求められている。よって、養豚場では飼養規模の大小に係わらず飼養管理マニュアルに従って記録と文書の保管が重要である。
(A20)
地球と人に優しい農業生産への取り組み
−島根県下の養鶏施設の事例調査−
北村豊(島根大)
食料供給のみならず水資源の保全や自然景観の保持も担う農業生産が持続的に発展していくためには、高い生産効率を維持しながら、地球と人にもやさしい生産システムとなる必要がある。島根県A養鶏は堆肥の製造・流通システムや自家配合飼料の供給システム、畜体と環境の管理システム、クールチェーンシステムを構成し、環境負荷の低減と安全・高品質鶏卵の生産を達成している。
(A21)
生鮮農産物の閤場での安全確保について
−オーストラリアのガイドラインとJAS法について−
守田和夫、田中史彦(鹿児島大)
本調査研究は、オーストラリアの安全確保のためのガイドラインと新JAS法に基づく有機農産物の認証システムについて比較、検討を行い、その妥当性にについて考察したものである。新JAS法での有機農産物の認証システムでは、工程での危害分析はあるものの基準値が明確に定められていなく、安全性を確保するシステムとしては改良が必要であった。
(A22)
中国農産物の生産ガイドライン
−天津市における栽培基準・管理−
北村豊(島根大)
残留農薬や有害物質により安全性が懸念される中国からの輸入農産物は、中国国内においても重要問題となっている。その対策には生産過程そのものを管理するHACCP型の生産システムやGAPsの導入が有効であろう。天津市ではこれらの前提となる農産物生産のガイドラインとして、水、空気、土といった生産環境に基準を設定するとともに農薬使用の規定を遵守させる努力を開始した。