(B1)

大気放射冷却のアクティブ集蓄熱における潜熱蓄熱材の利用

小綿寿志・佐瀬勘紀・石井雅久・森山英樹(農工研)

 大気放射冷却の集蓄熱システムの水蓄熱槽に、12℃付近に融解点をもつ潜熱蓄熱材(PCM)を付加することにより、蓄熱効率の向上を試みた。実測で得たPCMの融解温度特性より、水蓄熱槽の2分の1をPCMで置換すると有効蓄熱量は約2倍になると推定された。検証実験により水蓄熱槽の単位体積当たりの蓄熱量の増加が確認された。


(B2)

寒冷地における高温バイオガスプラントの始動

梅津一孝・西崎邦夫・高橋潤一・岸本正・池滝孝(帯畜大)・三崎卓也・濱本修(三井造船)・安達淳治(松下電工)

 帯広畜産大学畜産フィールド科学センターに60m3の高温バイオガスプラントを建設し共同研究を行っている。ガス発生量は平均で140m3であった。発電量は約90kWh、プラント消費量は40kWhで本プラントは熱的に自立し残りの50kWhを農場内に供給した。


(B3)

酪農学園大学家畜ふん尿用バイオガスプラントのエネルギー収支

石川志保(酪農大)・横山慎司(アグリウェザー)・干場信司・森田茂(酪農大)

 酪農学園大学バイオガスプラントにおける通常運転時のデータを用いて、総合的なエネルギー収支について検討した。産出される利用可能エネルギーだけで総投入化石エネルギーを回収する場合は15年、消化液を有効利用すると9年で償還できるという結果を得た。


(B4)

繊維性バイオマスメタン発酵の高負荷運転特性

織田敦・笈田昭(京大)

 繊維性バイオマスをメタン発酵によってエネルギ変換することを目的として、混合フスマを原料としたメタン発酵実験を行った。実験結果にChen-Hashimotoモデルを適用してその発酵特性を解析し、さらに高負荷条件下での発酵実験によってモデルの有用性を検証した。その結果、水理学的滞留時間や有機物濃度などのパラメータの限界条件が明らかになり、今後の実用化、大規模化における検討課題が明白になった。


(B5)

有機汚淀の熱処理腐植化装置と製品の特性

松岡かおり・若月利之・増永二之(島根大)・松井謙介・柴田健(栗田工業)

 し尿処理汚泥を160−180℃で処理した。装置は熱媒油を用いた間接加熱方式である。15時間弱処理すれば、85%程度の減量率が達成でき、汚泥臭はほぼ消えた。各種農産物の栽培試験を行ったところ、持続性の高い肥効を示した。この加熱製品はよく熱成させたコンポストに比べ腐植化程度がかなり高い可能性があることが示された。


(B6)

アルコール蒸留残さのメタン発酵によるビタミンB12の生産

権太勝・張振亜(筑波大)・張燕生(茨城県科学技術振興財団)・前川孝昭(筑波大)

 本研究では廃棄物の再資源化を狙い、アルコール蒸留残さをメタン発酵によるVB12の生産を目的とした。HRT=15日、負荷=120mL(糖度=5)の連続培養に微量金属塩の添加実験の結果、1.0ml/L時一番良く、この時のVB12の濃度は1.636mg/Lであった。


(B7)

廃食用油のエステル化処理法について

富田節雄(日大)

 国内で発生する廃食用油は年間約40〜60万トンと推定され、年々増加の傾向がある。このうち約50%は何らかの製品にリサイクルされているが、残りの半分は廃案され環境汚染の問題の一つになっている。できるだけ簡単にメチルアルコールと水酸化ナトリュームによりメチルエステル化処理を行い処理油を作る方法と、できた油の油性を調べた。処理油は軽油の代替燃料としてディーゼル機関用燃料として使用できる事が分かった。


(B8)

実用的バイオリアクタ生産プロセスにおけるβ−D−グルカンの変動

院多本華夫・賈俊業・佐々木優子・前川孝昭(筑波大)

 Agaricus blazei Murill 菌糸体の液体培養でβ−D−グルカンの実用生産を開始し、上澄液を主体とした製品を開発した。数回の連続ロットのβ−D−グルカン含有の平均は5.249〜6.426mg/100mL、菌糸収量は、838.09〜1122.18g/1000Lであった。β−D−グルカン含有と菌糸体乾物重との間にr=0.829の相関があり、本培養のβ−D−グルカン含有の変動に菌糸生育の影響が大であった。


(B9)

食用担子菌類菌糸体の液体培養におけるアミノ酸の生産特性

賈俊業・院多本華夫・前川孝昭・佐々木優子(筑波大)

 異なる3種類(chaetomium elatum, Agaricus blazei Mill 及び Fuscoporia oblique)の食用担子菌類キノコの菌糸液体培養を行い、回分培養によって得られた菌糸の集塊状態及び菌糸体収量を確認した。菌糸培養液及び菌糸体の構成アミノ酸の種類及び含有量が菌抹において異なり、生理活性を有するアミノ酸を定量分析した。


(B10)

異なる乾燥方法によるブルーべリーアントシアニンの抽出への影響

車海涛・張振亜・権太勝・張頴・前川孝昭(筑波大)

 本研究はブルーベリーの主成分であるアントシアニン色素の高効率の抽出・精製などの実験を行い、抽出の収率および含有濾度に影響を与えられる抽出条件などを検討することを目的とする。乾燥方法比較実験では熱風乾燥が冷凍乾燥と減圧乾燥より効果が低かった。


(B12)

積雪地域における連棟ハウスの暖房・融雪負荷の検討

古野伸典(山形園試)・佐瀬勘紀・石井椎久(農工研)・鈴木勝治(山形園試)

 屋根面に温風を噴き付ける融雪システムを有する連棟ハウスと単棟ハウスの発熱量の検討と、従来の暖房負荷の算定値との比較を行った。連棟ハウスは融雪システムを有していても、単棟ハウスに比べて発熱量が少なく、熱効率の高い方式であると、降雪による純放射量の軽減と融雪負荷の増加が相殺されることで算定値とほぼ同等となることが推察された。


(B13)

積雪荷重が作用するパイプハウス挙動の構造解析

森山英樹、佐瀬勘紀、小綿寿志、石井雅久(農工研)

 積雪荷重下のパイプハウス挙動の正確な把握を目的として、3つの破壊条件(曲げモーメントによる部材の降伏、直線に近似したアーチパイプ柱脚部の座屈、円弧に近似したアーチパイプの座屈)ごとに許容限界の積雪荷重を算出し、それらの最小値を限界積雪荷重として決定する解析手法を開発した。実際のパイプハウスに関して適用した結果、現実的な耐力を算定することができた。


(B14)

大間ロバイプハウスの開発
−(1)積雪荷重に関する検討−

森山英樹(農工研)・小川秀雄(神奈川大)・山城正行(渡辺パイプ)

 490N/m2の積雪荷重に耐え得る単棟の大間口パイブハウスの開発を目的として、屋根部にプレース材と斜材、軒部および柱脚部に斜材を追加した新構造ハウスに関する載荷実験および構造解析を実施した。その結果、応力が主骨材全体にほぼ均等に分散し、所定の積雪荷重に耐えられるフレームであることが確認できた。


(B15)

大間ロバイプハウスの開発
−(2)風圧力に関する検討−

小川秀雄(神奈川大)・森山英樹(農工研)・山城正行(渡辺パイプ)

 前報と同一形状のパイプハウスについて、耐風性能を確認するために理論解析を行った。モデルは水平プレースのパイプを使用した場合と鉄筋を使用した場合の2種類である。風速50m/sの場合でも、プレースにパイプを使用することで最大曲げ応力がほぼ許容値以下となり、各部の変位も低く抑えられることが確認された。


(B17)

大型温室のパッドアンドファン冷房システムに関する研究
−パッドアンドファンシステム利用事例について−

趨叡梅・山口智治(筑波大)・馬承偉(中国農業大学)

 2001年夏季に中国北京、上海及び愛知県の大型温室においてパッドアンドファン冷房システムの運転状況に関する実験調査を行った。本冷房システムの冷却効果は、気候条件によって異なること、また温室床面積当たりパッド面積及び床面積当たり換気率の増加にしたがって冷却効果が向上する傾向が示された。


(B18)

日光温室の熱環境形成機構に関する研究
−冬季における温室熱環境の長期観測結果−

今井和美・山口智治・畔柳武司(筑波大)・陳青雲(中国農業大)・干海業(古林大)

 北京および長春の日光温室において、冬期4ケ月間の連続環境計測を行った。北京温室では、平均最低外気温は−4.7℃(12月)であり、無暖房で内外温度差約10℃を維持した。また、夜間の土壌および固体壁から室内側への放熱割合は土壌面からのものが最大であった。


(B19)

日光温室の熱環境形成機構に関する研究
−作物栽培を想定した熱環境予測モデルの開発−

畔柳武司・山口智治(筑波大)

 作物が栽培されている状態を想定した日光温室の熱環境予測モデルを構築するため、植被層の日射透過モデルおよびエネルギー収支モデルを新たに導入した。作物長を変化させて予測計算を行ったところ、植被層を透過して温室の床面および東・西・北壁表面に入射する日射量の割合はその作物長に左右され、室内気温・相対湿度も同様に作物長に影響を受けることが示された。


(B20)

片屋根型プラスチックハウスの温熱環境特性

長崎裕司、玉城勝彦、金井源太(中央農研)

 片屋根型プラスチックハウス内の温熱環境特性としてハウス内垂直方向の温度分布を測定した。丸屋根型ハウスに比べハウス内気温が低く推移したものの、その差は体感温度で約1℃と小さかった。しかし、開放面積をできるだけ多く確保することで、ハウス内気温の較差を小さくできる見込みが得られた。日射が強い条件での遮光処理(遮光率約60%)は温度低下に有効であり、外気温との較差を小さくすることが可能であった。


(B21)

園芸ハウスにおける温熱環境と作業者の身体負担に関する研究

鶴崎孝・宮下佳生・岡本直洋・兵頭志穂(愛媛大)・長崎裕司(中央農研)

 ハウスの温熱環境と身体負担の関係の労働科学的な実 験を行なった。温度と安静時心柏数の関係から25℃前後の心拍数は10〜15℃及び30〜40℃に比較して少なく,安静時酸素摂取量も心柏数の場合に類似していた。酸素摂取量は風速が強くなると減少し,適度の送風は代謝エネルギーを小さくする効果があると考えられる。


(B22)

高温期における数種屋根開放型温室の温熱環境特性

石井雅久・佐瀬勘紀(農工研)・宇田川雄二・福地信彦・崎山一(千葉農総研セ)

軒開放型,棟開放型は屋外との気温差や湿球黒球温度 の差が小さく,高温抑制効果が高い温室であることが明らかとなった。しかし,両温室は開放した屋根の影響によって室内日射が大きく変化するため,日射の均一性を高めるための改善を要する。また,丸屋根型は室内日射の変化は小さいものの,高温抑制効果が低く,屋根の閉口面積や開閉機構について検討する必要がある。


(B23)

熱電対温度計と超音波温度計で測定した温室内温度の比較評価

赤上晃通・水谷孝一・工藤功介(筑波大)・石井雅久・奥島里美・佐瀬勘紀(農工研)・永井啓之亮(筑波大)

 超音波温度計と通風型熱電対を用いて温室内温度測定を行った結果,前者は日射の影響を受けず領域平均温度が測定できた。後者は,僅かながら日射の影響を受けていること等が判かった。


(B24)

ハウス内土壌水分の制御システムの開発研究(6)
−ファジィ推論による土壌水分予測と灌水実験−

中野和弘・元永佳孝・前田敏之・相田貴子(新潟大)・陳青雲(中国農業大)

 フアジィ推論によりメロン栽培時の必要灌水量を決定し,自動灌水制御を行うシステムを構築した。実際のハウスで実験したところ,ファジィ制御区は慣行区に比べて52%も節水でき,果肉糖度の上昇や果実の等級も遜色ないことが示された。また,画像処理でメロン表皮画のネット発生割合を算出する方法も検討した。


農業施設学会