(C1)

畜舎建築における基礎断熱工法について
−その1 高原地における特性−

細川和彦・苫米地司(北海道工大)・小林敏道(コバ建築設計事務所)
干場信司(酪農大)・川端伸一郎(北海道工大)

 畜舎関連施設における使用目的の違いが、基礎周辺の地盤凍結環境に与える影響について考察した結果、凍結指数と凍結探さの関係から畜舎の使用環境および断熱工法の有無などを考慮した畜舎独自の凍上対策工法の選択が可能になることが明らかとなった。


(C2)

畜舎建築における基礎断熱工法について
−その2 平地における特性−

小林敏道(コバ建築設計事務所)・苫米地司(北海道工大)・干場信司(酪農大)
川端伸一郎・細川和彦(北海道工)

 平地部に建設された畜舎建築に対して.施設の使用環境の違いによる凍結状況を考察した結果、敷き藁敷設開始の前後および堆肥の搬入開始の前後を比較すると、地盤および基礎部だけではなく屋外部にまでその断熱効果もしくは保温効果が及んでいることが明らかとなった。


(C3)

畜舎建築における屋根雪の滑雪特性
−その1 屋根葺材による滑雪特性の差異−

内藤恵・苫米地司(北海道工大)・小林敏道(コバ建築事務所)
干場信司(酪農大)・細川和彦(北海道工大)

 本研究では、畜舎建築のコストに影響を与える積雪荷重の評価を確立するために種々の屋根葦材の滑雪特性を検討した。滑雪現象は屋根葺材の材料性状および雪質に影響を受けており、接触角が80°前後の屋根葺材では、勾配を2寸程度まで小さくすることも可能である。


(C4)

畜舎建築における屋根雪の滑雪特性
−その2 実在屋根の滑雪特性−

中静仁平・苫米地司(北海道工大)・小林敏道(コバ建築事務所)
干場信司(酪農大)・細川和彦(北海道工大)・千葉隆弘(雪研スノーイーターズ)

 本研究では、既存畜舎に各屋根葺き材を施工し、各屋根における滑雪状況の連続観測を行なった。平年並の気象条件の場合と暖冬の場合とでは、各屋根材における滑雪状況に差異がみられた。


(C5)

膜構造畜舎の滑雪特性

苫米地司(北海道工大)・小林敏道(コバ設計事務所)・干場信司(酪農大)
川端伸一郎・細川和彦(北海道工大)

 本研究では、滑雪特性に優れた膜材料の畜舎建築への適用を検討した。膜構造畜舎における屋根は、屋根雪を分割するとともに家畜からの放射熱を直接受けることから、屋根雪の滑雪を促進する工法として期待できる。また、景観的にも優れていることから農業施設における膜材の活用が期待される。


(C6)

レール走行式堆肥クレーンの稼働状況管理システム

加茂幹男・喜田環樹・青木康浩・河本英憲・張建国(畜草研)

 レール走行式堆肥クレーンを装備した堆肥化施設において、材料の投入、切り返し、乾燥材料の搬出(堆肥の搬出)などに関わる稼働状況、取扱量、消費電力量などの情報を管理するシステムを開発し、1月から12月上旬における稼働状況を調査した。その結果、月別の材料投入量や堆肥生産量などを容易に把握でき、堆肥の計画的利用が可能になることを明らかにした。


(C7)

実証堆肥舎における堆肥化過程発生臭気の堆肥吸着効果

田中章浩・薬師堂謙一・嶋谷智佳子(九沖農研)

 堆肥化処理を行うと、発酵開始複2週間程度は、極めて高濃度のアンモニアを主成分とする悪臭が発生する。堆肥化1、2週目の悪臭を、出来上がった堆肥へ吸着させる低コストな方法で低減化を行った結果、発生アンモニアの9割を除去できた。また、アンモニアの他に硫黄化合物が良く除去されるという特徴が見られた。


(C8)

ゼロエミッション型コンポスト化システムに関する研究
−環境負荷ガスの回収と利用−

加藤仁・東城清秀・渡辺兼五(農工大)

 試作したゼロエミッション型コンポスト化システムを用いて実験を行った。発生したアンモニアは、ほぼ全量回収することができ、そのうち56%の窒素を再資源化することができた。また、作物栽培を行う半閉鎖型ハウス内を高濃度の二酸化炭素条件にすることができた。しかし、硫黄系化合物等の回収されない微粒ガスが、トマトの生長阻害を引き起こす一因であることも確認された。


(C9)

高勾配磁気分離および電気化学的酸化を組み合わせた廃水処理システム

井原一高・加藤誠志・金森伊織・金村聖志・渡辺恒雄(都立大)・島田恵理子(神奈川工大)

 鉄電極による電気分解、超伝導マグネットを用いた高勾配磁気分離そして電気化学的酸化プロセスを組み合わせた実証規模の廃水処理システムを構築し、埋立浸出水処理に適用した。鉄電解による磁性粒子を磁気分離させることによってCODの一部とT-Pが処理され、電気化学的酸化プロセスによってCODおよびNH4-Nが分解された。


(C11)

豚舎屋根の遮熱塗料塗布による舎内放射熱負荷低減調査

長谷川三喜・市来秀之・本田善文(畜草研)
池口厚男(農研機構)・上野慎一(昭和産業)・小川秀雄(神奈川大)

 豚舎内放射熱環境を屋根に遮熱塗料を塗装した場合(試験区)と従来塗装(対照区)でとと較調査した。両区の舎内気温の違いは少ないが、屋根裏面温度・屋根裏面放射熱量・豚房直上放射収支量は大きな差が見られた。晴天日中において、試験区は対照区に比較して屋根からの放射が少なくまた豚・床からの放射抑制が少なくなった。


(C12)

鶏糞からのアンモニア排出量
−アメリカにおける現地調査−

田中章浩(九沖農研)・Hongwei Xin(Iowa State Univ.)

 アメリカにおける鶏舎からのアンモニア排出量は、ヨーロッパ値を用いて算出されており、独自の資料を作成する必要がある。産卵鶏舎からの排出量について測定を行った結果、トンネル換気無窓鶏舎からの排出量は2.65mg/h-bird、高床式無窓鶏舎59.16mg/h-birdとなった。高床式はヨーロッパに比較して大きな数値となった。


(C13)

酢酸噴霧による無窓鶏舎内アンモニア濃度の低減

市来秀之・長谷川三喜・本田善文(畜草研)

 無窓採卵鶏舎等を対象に、超音波噴霧器で酢酸を噴霧し、舎内アンモニア濃度の低減効果について調査した。自作チヤンバを用いた基礎試験では、0.1%程度に希釈した酢酸溶液を噴霧した結果、10〜30ppmの噴霧前アンモニア濃度が1ppm以下に低減した。また無窓鶏舎内での噴霧効果試験では、1%程度に希釈した酢酸溶液を噴霧した結果、アンモニア濃度低減の可能性が示唆された。


(C14)

ウインドレス畜舎内の空気分布特性に関する研究
−数値解析による換気効率の解析−

星典宏・山口智治(筑波大)

 陰圧換気方式のウインドレス畜舎を対象に、仮想的な汚染物質濃度を用いた数値解析による寒冷期の換気効率を評価する数値シミュレーションを行った。スロット型給気口の設置位置によって、また舎内各位置によって舎内の局所換気効率に差異が示された。汚染物質濃度が初期の1/10までの減衰する時間を効率指標とすることにより舎内の換気効率を定量的に評価した。


(C15)

自然エネルギー利用型肥育牛舎と臭気対策

東城清秀・中川信次・渡辺兼五・鈴木創三・黒川勇三・鎌田寿彦(農工大)

 牛舎からの環境負荷ガス放散を防止するためには、集気ファンを常時稼働することが必要である。そのための電源として太陽電池・風力発電機併用システムを検討した。その結果、風力発電機の発電変動率は大きいものの太陽電池と組み合わせることで両者の相補性が発揮されることを確認した。牛房のアンモニア濃度は室内温度に比例して増加するが、30℃を越えると逆に低下する。


(C16)

化石エネルギーからみた家畜ふん尿の圃場還元の評価
−共同堆肥化処理施設利用の場合−

菱沼竜男(高根沢町役場)・干場信司・森田茂(酪農大)

 共同堆肥化処理施設を利用した場合の家畜ふん尿の圃場還元に関して、できあがり堆肥の利用方式が、酪農家自身の圃場に全て還元する場合、耕種農家の圃場に全て還元する場合および酪農家と耕種農家の双方の圃場に還元する場合にわけて、投入化石エネルギーの視点から評価を行った。


(C17)

畑作と酪農の生産システムに関する総合的評価
−北海道十勝の畑酪混同地帯における調査結果−

田村悠子・干場信司・猫本健司・河上博美(酪農大)
松本光司(O&R技研)・森田茂(酪農大)

 畑酪混合型地帯の十勝管内S町の畑作農家151軒を対象にし、経済性、エネルギー、窒素負荷、人間の満足感の4指標で評価を行い、同町の酪農家と比較した。その結果、畑作農家の方が酪農家よりも環境にやさしい農業経営であるといえた。


(C18)

畑酪混同地帯における地域内循環による窒素負荷の低減
−北海道の一町村を対象とした窒素収支の調査結果−

猫本健司・干場信司・田村悠子・河上博美(酪農大)
松本光司(O&R技研)・森田茂(酪農大)

 畜産施設等からの環境負荷を低減するには化学肥料や購入飼料など外部からの投入窒素量を減らす必要がある。そのためには地域内で有機物を循環させることが有効である。本研究では一町村を対象に堆肥と敷料との物物交換や交換耕作による地域内循環と窒素収支を調査した。


(C19)

放牧型への転換にともなう酪農生産システムの変化

干場信司(酪農大)・森田梨穂(レイクヒル牧場)
河上博美・猫本健司・森田茂(酪農大)

 北海道十勝地方の足寄町放牧研究会に所属する7軒の酪農家を調査対象とし、放牧へ転換する事により酪農生産システムがどのように変化したかについて、5指標(経済性、エネルギー、窒素負荷、人間福祉、家畜福祉)を用いて総合的評価を行った。転換前に比べ、転換後の方が全体的に好ましい結果になっていることがわかった。


(C20)

資源循環を基盤とする乳牛の群飼養管理における物質循環の解明(2)
N−P−Kの収支実態

張建国・加茂幹男・青木康浩・河本英憲(畜草研)

 フリーストール実験牛舎と糞尿還元専用圃場を用い、酪農生産におけるN−P−Kの収支実態を調査した。年間34頭の乳牛群の摂取したN−P−Kのうち51.9−59.4−69.6%が糞尿として排泄され、24.3−22.1−10.7%が生乳として生産された。排泄されたN−P−Kの約60%は11.6haの圃場に還元された。


(C21)

中国の主要養豚生産地域における豚体からの発生熱量

川西啓文(日本大)・馬承偉・李保明(中国農業大)・山口智治(筑波大)

 本研究は、中国の養豚の主要な産地である北京周辺、四川省、湖南省ならびに湖北省における豚体からの放散熱量を把握するため行われた。顕熱量は、体重60kgの豚では北京112〜340W、武漢91〜302W、成都117〜289W、長沙88〜293Wであった。潜熱量は、北京では冬に最も発生量が多いのに対し、武漢や長沙では夏に多い事が示された。


(C22)

簡易鉄骨造畜産施設の柱・梁接合部の補強効果確認実験

小川秀雄(神奈川大)・森山英樹(農工研)

 畜産農家が自家施工することで柱・梁接合部に強度不足が多く見られる堆肥舎・飼料庫等に使用される部材を基に、一般的な接合方法と接合部に補強施工を行った場合の実物モデル実験を行った。試験体はH形柱と丸パイプ、角パイプと丸パイプ等の部材を組み合わせ、方杖補強も行った合計6体であり、使用部材による損傷発生の状況、方杖設置による補強効果等について検討している。


農業施設学会