(A1)
大豆の厚層乾燥特性
丸岡裕和・三輪精博・後藤清和(岐阜大)・水野英典((株)サタケ)
近年、多様化している乾燥方法の中で、ラック式乾燥装置は個別処理に適し、高付価値農産物の乾燥に有効である。この装置の問題点として厚層乾燥方式であるため大きな乾燥むらが発生する可能性がある。特に大豆では、乾燥中に粒の形状や寸法が変化し、送風路となる空隙の形状、寸法、割合に変化が生じる。本研究では、最適乾燥条件についてシミュレーションにより検討した。
(A2)
籾の厚層乾燥特性
楊志偉・後藤清和・三輪精博(岐阜大)・水野英典((株)サタケ)
ラック式乾燥施設で籾を乾燥する場合、厚層乾燥となるため、大きな乾燥むらが生じる。そこで、初期の水分分布状態を設定し、種々の乾燥条件で処理した場合の水分分布を含む乾燥過程をシミュレーションにより考察する。従来のシミュレーションでは乾燥過程中の水分分布を検討できないが、今回は特に水分むらの発生状況を求めて、適切な運転計画を決定するための考察を行う。
(A3)
米の調整条件と水浸亀裂の関係について
Ly Hoang Tung・三輪精博・後藤清和(岐阜大)
日本において、精米技術はほぼ確立されているが、時折、白米に水浸亀裂が多発するという問題が起こる。水浸亀裂は、炊飯時の澱粉溶出、飯の外観、食感など食味評価が低くなり、商品価値が低下するため、経済的損失を伴う。この原因として、不適切な乾燥条件や調整条件等が考えられる。本研究では水浸亀裂と吸収特性の関係を求めるとともに、精米条件が水浸亀裂に与える影響を検討した。
(A3)
Measurement of Protein and Moisture Contents in Single-Kernel Milled Rice with NIR Transmittance
R. Rittiron (Tsukuba U.) and S. Kawano (NFRI)
The effect of DOM on the performance of NIR calibration equation for determining protein and moisture contents in single-kernel milled rice was investigated. The calibration equation developed from spectra of medium DOM kernels caused biases in protein determination when the DOM was varied. This problem could be compensated.
(A4)
高水分小麦の粒径選別による水分選別の可能性
金井源太・玉城勝彦・長崎裕司>(農研機構中央農研)
高水分の小麦粒について、選別粒径および選別後の品質の面から検討を行った。29.7〜47.3%の試料について目開3.0mmの篩、18.9〜46.7%の試料について目開3.2mmの篩にて選別試験を行い、常に篩上が篩下より水分が高く、最大5%程度の水分差を得た。3.0mm篩では篩上が篩下より選別される量が多い傾向であったが、3.2mm篩を用いた場合には水分35-40%程度の時期に篩上下がほぼ同量となり、以降は篩下が多い傾向を示した。
(A6)
寒地ハウスにおけるガスコージェネレーションの基本システム
後藤眞宏・中山煕之(北海道農研)
加温用の熱と補光用の電力を低コストで供給できるコージェネレーションシステムに着目し、寒地ハウスへの適用を試みた。バックアップボイラーやラジエータなど寒地ハウスへの導入において必要となる基本システムを明らかにするとともに、地温制御方法や補光以外の電力利用についての検討、イチゴの厳冬期栽培の可能性について示した。
(A7)
日光温室の熱環境形成機構に関する研究
−慣行栽培条件下における熱環境特性−
畔柳武司・山口智治・星典宏・趙淑梅 (筑波大)・李天来・須暉(瀋陽農大)
遼寧省瀋陽市において、植栽密度が密な状態で、夜間補助暖房が用いられて作物栽培が行われている日光温室の環境計測を実施した。日中、北壁への蓄熱量は床面土壌に比べて大きく、逆に夜間は床面土壌からの放熱量が北壁を上回った。また、後屋根においては、昼夜を問わず常に室内側から室外側への熱損失部位となっていた。
(A8)
大型温室のパッドアンドファン冷房システムに関する研究
−愛知県の花き温室における環境計測結果−
趙淑梅・山口智治・星典宏・畔柳武司(筑波大)
2002年夏季、愛知県渥美町においてパッドアンドファン冷房システムと遮光カーテンを併用した大型花き温室の環境計測を実施した。測定結果から、外気最高温度が約32℃、最低相対湿度が60%以上において、平均室内気温は29℃以下、葉面温度は外気温以下に抑制されており、明らかな冷却効果が示された。
(A9)
融雪システムを有する連棟ハウスの暖房設定室温が融雪能力に及ぼす影響
古野伸典>(山形園試)・佐瀬勘紀・石井雅久(農工研)・鈴木勝治(山形置賜総合支庁)
暖房設定室温(17℃,14℃,10℃)が、融雪能力におよぼす影響について検討した。降雪時における融雪量は、各区とも降雪に応じた経時的な変化が見られ、融雪量の最大値は,17℃区が約2.3kg/m2/h,14℃区が約1.5kg/m2/h、10℃区が約1.4kg/m2/hであった。また、カーテン上部気温が高いほど融雪量が多い傾向がみられた。
(A10)
ハウス栽培でのコンポストガス施用が作物生長に及ぼす影響
加藤 仁・東城清秀・矢野紘子・渡辺兼五(農工大)
コンポストガスに含まれるメチルメルカプタンが、閉鎖空間内での作物栽培において、その生長を阻害することがわかった。微生物を利用した回収装置の他に、活性炭と触媒フィルタでメチルメルカプタンを回収することによりハウス栽培への施用が可能となった。コンポストガスの施用で、ハウス内CO2濃度を高めることができた。
(A11)
生葉中の窒素水分迅速診断用近赤外分光分析装置の開発
大倉力(マキ製作所)・宮本久美(和歌山果樹試)
農業における灌水、施肥量は作物の生育状況のみならず、環境に大きな影響を及ぼす。果樹葉の水分、窒素量を現場で迅速に測定できれば、適量の灌水、施肥を実施できる。
波長範囲1.3μ〜2.4μm、波長分解能20nm、測定時間10秒以内、重量10Kg以内、且つ低価格を目標として近赤外分光装置を開発、和歌山にて温州蜜柑葉により測定試験を行い、良好な結果を得た。
(A12)
補助光として用いたLEDが鉢花の花芽保持・分化に及ぼす影響
宮本眞吾・浅野紘臣・世良田和寛・内ヶ崎万蔵(日本大学)・林恭子((株)ヒューネット)
LEDを補助光として用い、室内のおよそ2.3倍(27.9(μmol/u・s))の平均光量子束密度を与えてミニバラの花芽の誘導実験を行った。LEDを照射した場合のミニバラに着いた蕾・花の数は照射しない場合のおよそ3倍の蕾・花が着き、総合的な着蕾・着花数で両区間にはおよそ97%有意水準で差が認められた。
(A13)
積雪荷重によるパイプハウスの円弧座屈を防ぐための設計
−実物大模型に対する載荷実験−
森山英樹・佐瀬勘紀・小綿寿志・石井雅久(農工研)
積雪荷重によるパイプハウスの被災に対する円弧座屈の影響を調べるために、屋根部を補強したパイプハウスに関するFEM解析および実物大模型に対する載荷実験を行った。ワイヤで屋根部を補強したパイプハウスには座屈耐力も考慮する必要があること、異なる荷重条件による破壊モードの差等を明らかにした。
(A14)
台風0221による千葉県・茨城県下の園芸施設構造の被災特性
森山英樹・佐瀬勘紀・小綿寿志・石井雅久(農工研)
台風>0221の通過により、千葉・茨城両県の一部で、園芸施設の被災が多発した。園芸施設構造の被災データの蓄積を目的として、被災した園芸施設に関する現地調査・構造解析を実施した。その結果、被災施設で使用されていた柱梁接合部・基礎の一部は、50m/sの風に対する耐風性を有しないことを明らかにした。
(A15)
微細霧噴霧による温室の蒸発冷却に関する研究
石井雅久・佐瀬勘紀・小綿寿志・森山英樹・奥島里美>(農工研)
微細霧噴霧装置で温室内を蒸発冷却し、蒸発冷却法の最適制御について検討した。自然換気温室の内外気温差は約5℃あったが、蒸発冷却温室は外気温まで冷却できた。また、水の粒子は地表面に達する前に気化し、間断噴霧による制御は必要なかった。しかし、蒸発冷却温室の気温は湿球温度には達しておらず、冷却効果を高めるためには噴霧量を増大させる必要がある。
(A16)
小規模根域冷却育苗技術の開発
−底面給水によるセル成型苗の根域冷却育苗の効果−
長ア裕司・玉城勝彦・金井源太(農研機構中央農研)
発芽・苗立ち不良や徒長を生じやすい高温期のセル成型苗育苗において、均一なかん水が可能な底面給水に水温13℃の低温水を使用する根域冷却育苗を適用した。レタス苗では地上部がコンパクトな苗が得られ、低温処理をしない苗に比べ生育が良好であることが明らかになった。
(A17)
片屋根型プラスチックハウスの温熱環境特性
−模型による丸屋根型ハウスとの換気特性の比較−
長ア裕司・玉城勝彦・金井源太(農研機構中央農研)
側面の開放面積が大きくとれる片屋根型ハウスの換気特性を1/2縮尺模型ハウスで丸屋根型ハウスと比較した。その結果、温度上昇は全開放時で丸屋根型が外気温+3℃に達する場合でも片屋根型は+1℃にとどまり、効率的な換気が行われているとみられた。
(A18)
ファジィ推論によるメロン果実の外観等級判定
中野和弘・阿部啓太郎(新潟大)・陳青雲(中国農業大)・相田貴子・敖長林・楊迪桂(新潟大)
JAの出荷基準をもとに画像処理によりメロン外観特徴を抽出し、等級判定指標を探った。メロン画像からの特徴抽出により有効な因子を導出することで、等級判定の基準を構築できた。ファジィ推論による等級判定では総合判定率78.9%となり、メロン等級の自動判定の可能性が示された。
(A19)
スパイラル杭を用いた高軒高園芸施設の開発
田中誠司・石氷泰夫(熊本農研)
台風等気象災害に強く、夏場の換気性に優れ農家自らが建設できる低コストハウスを開発するためスパイラル杭を利用した基礎施工と高張力鋼を利用した防風性の高い骨組み等を検討した。スパイラル上部にパイプを溶接した杭は長さ、径、鋼材の厚さが増大すると垂直耐力及び水平耐力が向上した。また、スパイラル杭による基礎と高張力鋼で製作した軒高2.5mのハウスフレームの牽引実験を行い、耐風性が高いことが認められた。
(A20)
食品廃棄物を用いた生分解性定植ポットの開発と特性評価
伍強賢(食総研)・鈴木憲治(食総研・福島県立福島明成高校)・五十部誠一郎(食総研)・永井光男(日本製鋼所)・矢内徳正・富田哲司(昭和産業)
水不溶性のとうもろこし蛋白画分を含んだミールを主材料として、射出成型法で生分解性を有する固形成型資材の製造方法を開発した。農業資材への適用を目的として育苗ポットの試作し、強度向上のための食物繊維の添加と乾燥処理の検討と栽培試験を実施した。
(A21)
近赤外分光法によるウメ果実の硬さおよび主要有機酸含量の非破壊測定
陳介余・松永隆司・張函(秋田県立大)
梅果実の成熟度の判別に近赤外分光法の利用を試みた。近赤外装置及び光ファイバーを利用して、インタラクタンス方式で梅果実の近赤外スペクトルを非破壊的に測定できた。近赤外スペクトルと梅果実の硬度及び有機酸含量(クエン酸・リンゴ酸)を用いてPLS回帰分析を行ったところ、良好な結果が得られた。
(A22)
近赤外分光法による食用担子菌類の培養液中のβ-グルカン測定法の開発
賈俊業・前川孝昭・院多本華夫(筑波大)
近赤外分光法により担子菌の液体培養中にβ-D−グルカン含有量を迅速測定する手法を検討した。その結果、直線重回帰法(MLR法)と比べて、主成分分析法による部分最小自乗法(PLSR法)が優れ、この方法で作成した検量線ではそれぞれ相関係数r=0.980、検量の標準偏差SEC=2.74、予測標準偏差SEP=2.92の結果が得られた。
(A23)
近赤外イメージングによる温州ミカンの腐敗果の識別
中嶌輝子(静岡柑試)・吉川公規(静岡柑試)
従来のRGB画像で検出が難しい温州ミカンの腐敗を、近赤外のイメージング画像を用いて識別を試みた。
果実の腐敗部と健全部の各スペクトルデータをSIMCA解析した結果、MSC処理した場合が比較的精度良く腐敗を判別できた。この時、判別に寄与した3波長を使って作成した画像は、従来のRGB画像と比較し腐敗部の識別が明瞭な果実が多く、近赤外のイメージング画像による腐敗果識別の可能性が示された。
(A24)
近赤外分光イメージング手法による果実原料における異物・夾雑物検知技術の開発
蔦瑞樹(東大院)・高尾智宏(日世(株))・杉山純一((独)食総研)・和田行広(日世(株))・相良泰行(東大院)
ブルーベリー果実を供試材料とし、果実と異物・夾雑物の吸光スペクトルを比較して両者が識別可能な波長帯を特定した。この波長帯で分光画像を撮影し、各画素の吸光度を算出して二値化処理を行い、異物・夾雑物の検知画像を作成した。画像と実際の異物・夾雑物の位置は良好に一致し、本技術が有効であることが示唆された。
(A25)
レーザードップラー法を用いた果実硬度の非破壊・非接触測定法
桜井直樹>(広島大)・山本良一(帝塚山大)・寺崎章二(松下寿電子)・村山秀樹(山形大)・元村佳(弘前大)・岩谷真一郎・藤路陽(広島大)
レーザードップラー法は、果実の粘弾性を非破壊・非接触で測定することができる。弾性率(E)を、E=m2/3・f22で求めた。mは果実の重量、f2は第2共鳴周波数である。また粘性は振動減衰率(m・2πf2/Q)を計算し粘性指標とした。Qはf2のピークの鋭さである。