(C1)

ウインドレス畜舎の空気分布に関する研究
−CFDによる温度およびガス環境の解析−

星典宏・山口智治(筑波大)

 陰圧換気方式のウインドレス畜舎で保温機器を想定した熱源を設定し、寒冷期低換気量時の舎内の気流、温度分布、温度変化及びアンモニア濃度の挙動を再現する数値シミュレーションを非定常・非等温条件下で行った。換気や保温機器の熱による温度分布およびアンモニア濃度勾配を示した。CFD技術を用いた温熱・ガス環境の分布性予測は適切な生産環境設計に有用と考えられる。


(C2)

中国における大型ウインドレス鶏舎の環境制御に関する研究
−中国の養鶏の現状と冬季のブロイラー鶏舎における環境計測結果−

星典宏・趙淑梅・山口智治(筑波大)・ケ松林(北京四方公司)

 中国におけるブロイラー養鶏の現状と大型ウインドレス鶏舎の冬季における舎内環境測定を行った。温度環境は比較的良好であったが、鶏舎内壁面での結露あるいは急激なアンモニア濃度の上昇が発生し、冬季の鶏舎内換気制御の問題点が示された。


(C3)

中国における大型ウインドレス鶏舎の環境制御に関する研究
−冬季の種鶏舎における環境計測結果−

趙淑梅・星典宏・山口智治(筑波大)・ケ松林(北京四方公司)

 2002年度冬季に中国北京市と山東省の種鶏舎における現地測定結果から、鶏舎の換気不足、温度分布の不均一性、高濃度の浮遊粉塵やアンモニアガス等の問題が認められ、良好な飼育環境を作り出すためには、さらに鶏舎の冬季換気制御法を検討しなければならないと考えられた。


(C4)

酢酸噴霧による無窓鶏舎内アンモニア濃度の低減(続報)

市来秀之・長谷川三喜・本田善文(畜草研)

 無窓鶏舎で酢酸を噴霧した場合の舎内アンモニア濃度の低減効果について調査した。水のみの噴霧では効果がなかったが、1%酢酸を4分毎に30秒間断続噴霧した場合、鶏舎内のアンモニア濃度は10ppmから5ppmに低減した。試作した超音波噴霧システムは市販システムと比較して、粉塵によるノズルの詰まりで効果が劣ったが、導入コスト(資材費)は10,000羽規模無窓鶏舎では同等で、鶏舎の規模が小さくなると安価になると試算された。


(C5)

我が国における牛舎研究の動向
−20世紀後半の文献調査より−

森山英樹・筒井義冨(農工研)

 牛舎構造に関する技術は、生産現場における試行錯誤的な開発と、研究機関における学術研究の、2つの流れで蓄積されてきた。生産現場におけるニーズと、研究機関における研究動向の比較を目的として、戦後、我が国で公表された普及雑誌、学術研究誌上の、牛舎構造関連文献を調査した。その結果、牛舎の低コスト建設に関する研究の継続必要性を確認した。


(C6)

中国の主要酪農地域における牛体からの発生熱量

川西啓文(日大)・馬承偉・李保明(中国農業大学)・山口智治(筑波大)

 本研究は中国の酪農地域(新彊、内蒙古、黒竜江省、河北省)における牛体からの放散熱量を把握するため行った。体重600kgの牛の顕熱量は烏魯木斉601〜1108W、呼和浩特622〜1115W、哈爾濱587〜1120W、石家庄472〜1119W、潜熱量は烏魯木斉130〜381W、呼和浩特132〜426W、哈爾濱131〜419W、石家庄133〜434Wであった。


(C7)

歩行動作時の乳牛腰部の加速度

佐藤義和(畜草研)・高橋圭二・堂腰顕(根釧農試)・妻木昭則・萩原匡(北海道農業開発公社)

 乳牛の腰部に加速度計を取り付け、4種類の床条件で歩行時の左右方向の加速度を測定し、数値積分によって腰部の変位を算出した。加速度の最大値は4〜6m/s2程度、変位の振幅は12〜46cmであった。今回の実験では床条件の違いによる加速度や変位の明瞭な差異は認められなかった。


(C8)

通路構造による乳牛の歩行状態

高橋圭二・吉田邦彦・堂腰顕(根釧農試)

 乳牛の歩行状態から牛舎通路の仕上がり状態を現場で評価する方法として、歩行速度、歩幅、前後肢接地位置などについて検討した。クロボク敷き、コンクリート縦溝、コンクリート六角溝、通路用ゴムマット敷き、凍結路面の5種類について試験した結果、滑りやすい路面では前後肢接地位置が大きくずれることが確認され、歩行の容易さの評価に利用できると推察された。


(C9)

活動量による発情行動の検出

高橋圭二・堂腰顕・草刈直仁・大滝忠利(根釧農試)

 フリーストール式牛舎内の横断通路などに個体情報と活動量を受信できるアンテナを設置して、乳牛がアンテナ設置場所を通過するたびに活動量を頻回収集するシステムを開発し、活動量の変化と発情行動、排卵状況などを検討した。その結果、発情時の活動量は平常時の約3倍となり、排卵を伴う正常発情牛全頭の発情行動をリアルタイムで検出することができた。


(C10)

ふん尿分離床フリーストール牛舎でのバーンスクレーパ補助パドルの試作

長谷川三喜・市来秀之・本田善文(畜草研)・加茂幹男(中四国農研)
青木康浩・張建国(畜草研)・河本英憲(東北農研)

 通路中央に排尿用パイプを有するふん尿分離床フリーストール牛舎において、バーンスクレーパのふん横移動を規制する補助パドルを試作した。3時間毎のふん搬出において試作補助パドルからのふん溢流は見られず、搾乳牛の通路滞在率、ストール・飼槽利用率の各調査期間の差は少なかった。


(C11)

軽量H形鋼の各種柱梁接合方法における耐力比較実験

小川秀雄(神奈川大)

 低コストな畜舎や堆肥舎等への使用が見られる軽量鉄骨部材の各種柱梁接合方法について、耐力・剛性・損傷状況等を確認するための実大フレーム実験を行った。
 実験により、エンドプレート接合ではプレート厚さの不足による破壊が、柱の上に梁を乗せただけの簡易接合では梁フランジの曲げ発生により使用部材の耐力が生かされないことが、また、簡単な補強金具を設置することで耐力が向上することを確認している。


(C12)

カラマツ丸太材によるトラスフレームの畜舎への応用(1)
堆肥舎の試作

干場信司・二階佳奈(酪農大)・小川秀雄(神奈川大)・小林敏道(コバ建築事務所)
菅原智美(マルショウ技研)・苫米地司(道工大)・森田茂(酪農大)

 丸太カラマツ間伐材によるトラスフレームを用いて堆肥舎屋根の建設を行い、低コスト化や自家施工の可能性について検討した。その結果、専門作業者のみで作業した場合の人件費を約63%に抑えることができた。しかし、接合金具の材料費の高さが今後の課題である。


(C13)

カラマツ丸太材によるトラスフレームの畜舎への応用(2)
実大トラスフレームの耐力確認実験

小川秀雄(神奈川大)・小林敏道(コバ建築事務所)・菅原智美(マルショウ技研)
干場信司(酪農大)・苫米地司(道工大)

 カラマツ丸太をトラス弦材に、鋼材をラチス材に使用した2種トラス形式のフレームについて耐力確認実験を行った。耐力決定の主要因はボルトとなること、ボルト間隔が短いと部材割れが生じること、カラマツのひび割れは耐力への影響が少ないこと等を確認した。


(C14)

畜舎施設の実大屋根で発生する滑雪の観測

小林敏道(コバ建築事務所)・苫米地司(北海道工大)
干場信司・森田茂(酪農大)・千葉隆弘((株)雪研スノーイーターズ)

 2000年度から2002年度の3冬期間にわたって、既存畜舎に3種類の屋根葺材を施工し、各屋根における滑雪状況の連続観測を行った。本研究はこの3冬期間の観測結果をまとめるものである。観測では北海道江別市酪農学園大学構内の既存牛舎を対象とした。


(C15)

ユーグレナ(ミドリムシ)を用いたメタン発酵消化液の処理技術の開発
−豚ふんのメタン発酵消化液によるユーグレナの培養−

長峰孝文・亀岡俊則・山本朱美・古川智子・伊藤稔・古谷修(畜産環境技術研究所)

 メタン発酵処理の後に残る消化液の処理が問題となっている。そこで、ユーグレナを用いて、この消化液を処理できるかを検討した結果、消化液でユーグレナは良好に増殖し、アンモニアとリン酸濃度を低下させた。


(C17)

凝集及び濾過による畜舎排水浄化の提案

高橋励起・干場信司・猫本健司(酪農大)・畑山皓((有)ハタヤマ)
・森田茂(酪農大)・松本光司(O&R技研)

 畜舎排水(主にパーラ排水)の浄化を目的として、凝集剤と曝気を使用した浄化方法を検討してきた。本研究では、これまでの研究で効果を得られた凝集剤と、機械式濾過機を併用した排水の浄化と、その過程後に曝気処理をした浄化方法の効果を、室内実験にて検討した。


(C18)

電気化学的手法を用いた廃水中の窒素・CODの低減

井原一高・金村聖志・渡辺恒雄(都立大)

 塩素発生用DSAとTi/PbO2電極を用いて、廃水中のCODおよび窒素の分解に関する検討を行った。フタル酸水素カリウム水溶液を分解したところ、Ti/PbO2電極を用いた場合に直接酸化反応による低減効果が得られた。埋立地浸出水に対して電気化学的酸化処理を行ったところ、COD、NH3-Nの低減が認められたが、Ti/PbO2電極を用いた場合にNO3-Nの蓄積が増加した。その原因として電極表面での直接酸化反応の関与が示唆された。


(C19)

メタン発酵脱離液の電気化学的処理に関する基礎検討

井原一高・渡辺恒雄(都立大)

 おからを基質とするメタン発酵後の脱離液の処理方法として電気化学的手法の検討を行った。塩素発生用DSAを陽極とし、6時間の電気化学的処理を行ったところ、アンモニア性窒素はほぼ除去された。CODの除去率は約40%で、残存CODの中では揮発性有機酸の占める割合が大きかった。、アンモニア性窒素の分解には、次亜塩素酸による電気化学的間接酸化反応が可能なDSAの選択は適していると考えられた。


(C20)

The Effect of Ventilation on the Physical Properties of
Corrugated Fiberboard Box:Overrall Heat Transfer

Ermia SOFIYESSI,Takayoshi AKINAGA(University of Ryukyus)

The effect of the ventilation rate on the overallheat transfer a Corrugated Fiberboard Box (CFB)wasinvestigated. An increase in the total area ratio of the CFB indicated in increase in theVentilationrate and thus the overall heat transfer coeficient. The correlation between the effects ventilation.


(C21)

生ごみを基質としたメタン発酵消化液による水稲の実証栽培試験

田中宗浩・川ア貴明(佐賀大)・久保田孝・江上修一(南筑後農改セ)・中村修(長崎大)

 生ゴミを基質としたメタン発酵消化液を稲作用の肥料として供試し、肥料品質の確認を行った。その結果、消化液は肥効の発現及び持続時間が比較的短いが、水田作の肥料として利用可能であることが確認された。また、消化液は水口からの流し肥を行うことで均一に簡便に散布可能であることも確認された。


(C22)

バイオガスプラントより排出される消化液の圃場散布について

岸本正・梅津一孝・谷昌幸・西崎邦夫・高橋潤一(帯畜大)

 現段階では作物の種類やその作業体系での適切な散布技術はまだ完成されていない。欧州を中心に使用されているブロードキャスト、バンド、トレイリングシューの各スプレッダ、浅層型、深層型の各インジェクタの特徴を散布システム確立のための基礎データとして示した。消化液散布に起因するアンモニア揮散や悪臭防止などの環境汚染対策も考慮した散布システムの確立が望まれる。


(C23)

放牧酪農における窒素収支の調査

猫本健司・干場信司・山根麻里(酪農大)・望月和親(JA大樹)・森田梨穂(レークヒル牧場)
須藤純一(北海道酪農畜産協会)・松本光司(O&R技研)・森田茂(酪農大)

 放牧酪農を対象に農場全体、糞尿処理および採草地と放牧地の窒素収支を調べた。窒素収支からみて、採草による給餌より放牧の方が効率的な事例があり、その分の投入窒素量を減らすことができる。このことから「放牧」することが「低投入」につながる可能性が示唆できた。


(C24)

電位規制法によるバイオガスプラントの安定化

松本奈美・濱本修(三井造船)・高橋潤一・梅津一孝(帯畜大)

 バイオクーロメトリー用の電極等として表面処理により水素過電圧を高めたカーボンフェルトを用いて、電極電位とバイオガス発生との関係について検討した。今回の実験で−0.44V〜−0.70V vs Ag/Ag Clの間でガス発生量に有意な差は見られなかったが、バイオガスのメタン濃度にかなり大きな差が見られた。


農業施設学会