(P1)
低コスト堆肥化施設の開発(2)
−ガルウィング型堆肥舎の利用状況−
向弘之(北海道農研)
ガルウィング型堆肥舎を利用して温暖期と寒冷期の堆肥化を行った。温暖期には23℃、寒冷期には10〜20℃の内外気温差が得られた。材料の最高到達温度は70℃を超え、蒸発水量と乾物分解発熱量との比は、寒冷期においても700〜1,000kcal/Lであった。良好な堆肥化発酵が実現された一方で、処理可能量、搬入時の作業性、屋根を跳上げた状態での耐風性などに問題が残った。
(P2)
畜舎およびふん尿管理施設における環境負荷ガス濃度調査
長田隆(畜草研)・猫本健司・干場信司(酪農大)
白石誠(岡山総畜セ)・石橋誠(熊本畜産研)・原正之(三重科技セ)
広域環境への影響が懸念されるNH3、CH4およびN2Oの3物質について、実際の農家における発生実態を調査した。特に養豚・養鶏のふん尿処理からのアンモニアと、搾乳牛・養豚の汚水処理施設からのメタンと亜酸化窒素の放出が顕著であることが確かめられた。
(P3)
デンマークおよび日本における酪農生産システムの4指標による総合的評価・比較
河上博美 (酪農大)・高井久光・Anders Hoejlund Nielsen(デンマーク国立農業研究所)
干場信司・森田茂(酪農大)
本研究では、デンマークのオーガニックファームと一般的な酪農家を調査対象として、経済性、エネルギー、余剰窒素、家畜の健康状態の4指標から評価した。また、北海道内の草地型酪農専業地帯のH町、畑酪混合地域のS町との比較も行った。
(P4)
搾乳施設の汚水を対象とした低コスト浄化施設
木村義彰・高橋圭二・大越安吾・堂腰顕・吉田邦彦(根釧農試)
牛乳処理室などから排出されるふん尿混入の少ない汚水を対象とした、低コストな浄化施設の開発とその浄化処理能力を検討した。その結果、本施設におけるBOD、SS除去率は、95%以上で排水基準を満たした。また、活性汚泥沈殿率(SV30)を30%以下になるように曝気槽を管理することにより厳寒期の浄化能も大幅な低下がなく、周年運転が可能であった。
(P5)
フィターゼによる家畜飼料中のフィチン態リンの分解に及ぼすZn及びCuの影響
郝桂玲・西尾道徳・前川孝昭(筑波大)
家畜飼料の主原料であるトウモロコシ、マイロ及びダイズ粕中のフィチン態リンのフィターゼによる分解に及ぼす亜鉛及び銅の影響を検討した。飼料原料中の無機リンの生成速度は、いずれも亜鉛と銅の濃度及びpHに大きく影響された。亜鉛及び銅によるフィチン態リンの分解阻害はトウモロコシ(マイロ(ダイズ粕の順に高かった。
(P6)
膜分離活性汚泥法によるパーラー・パドック排水の浄化処理
−循環率と窒素・リン除去率および寒冷期のシステム−
佐藤義和 (畜草研)・中村正斗(北海道農研)
矢用健一(生資研)・原宏一・西原良一(オリオン機械)
膜分離活性汚泥処理方式の汚水処理システムの循環率と窒素・リン除去率との関係、および寒冷期のシステムの特徴について検討した。窒素・リン除去率とも循環率を大きくするほど増加したが、実験期間中に汚水の性質が変化したため、循環率のみの効果であるとは判断できなかった。
(P7)
植物形態の音響的抽出
水谷孝一・平山康行・工藤功介(筑波大)・奥島里美・佐瀬勘紀(農工研)
植物形態の非接触抽出のため、測定対象を空間に分布させ音響波を照射した。測定した透過振幅特性と物体の幾何学的な配列・サイズとの関係を調べた。振幅特性と物体の幾何学的な配列・サイズに相関関係があることと、対応する周波数で透過音響波が減衰することを実験的に確認した。
(P8)
分散ネットワーク化された音響センサによる気温の領域測定
水谷孝一・糸賀一也・工藤功介(筑波大学)・奥島里美・石井雅久(農工研)
音響センサを分散ネットワーク化して領域測定性に優れる温度計を構成した。屋外100mの直線区間において気温の1次元領域測定を行なった。区間中央に設置した一点測定式の超音波風向風速計での測定値に対して、空間的に平均された気温を測定することの違いが確認できた。
(P9)
トマト畝間狭通路内の空間的平均温度計測
工藤功介・水谷孝一・赤上晃通(筑波大)・奥島里美(農工研)・平山康行・糸賀一也(筑波大)
これまで施設内の温度分布を把握するために、音響波プローブを用いた非接触の温度計測を研究してきた。ここではトマト栽培施設の畝間狭通路に音響波プローブを設置し、空間平均温度の計測を行っている。その結果、栽培棚等からの反射・散乱は計測に影響を与えず、栽培施設内でも適用可能であることを示した。
(P10)
マルチスペクトル画像解析によるカビ(ペニシリウム属)の色の特徴
奥島里美 (農工研)・斉藤道彦(食総研)・佐瀬勘紀・石井雅久・小綿寿志・森山英樹(農工研)
培養した19種のペニシリウムを可視域の420〜750nmについて10nm幅毎に撮影した。培地裏面画像の平均強度の波長分布において同種異株間はユークリッド距離が近い値を示した。ただし,異種も近い値を示すことがあり,色に関するユークリッド距離だけで種の同定はできないものの、同種候補を絞ることには利用できると考えられた。
(P11)
青果物輸送トラックにおける振動解析
臼田浩幸(筑波大)・石川豊・椎名武夫(食総研)・佐竹隆顕・前川孝昭(筑波大)
青果物を輸送するトラックの荷台における振動を実測し、周波数スペクトルを抽出した。エアサスペンションを装備したトラックでは、上下振動が抑えられ、上下、左右の2方向の振動解析が必要となった。また、試験スペクトルを作成する際、データのばらつきやS−N曲線を考慮した設定が必要である可能性が示唆された。
(P12)
近赤外イメージングによる凍結材料内3次元氷結晶構造の計測
都甲洙・蔦瑞樹(東大)・杉山純一(食総研)・宮下一成(茨大)・上野茂昭・相良泰行(東大)
本研究のでは近赤外イメージングにより水溶液と動物性細胞質材料の凍結プロセスにおいて、これらの材料内に形成される氷結晶を3次元的に観察し、更に、氷結晶の構造、サイズおよびその材料内分布などについて定量的に計測する手法を確立した。
(P13)
製塩用原料海水の濃縮における高圧電場の利用に関する基礎研究
張函・陳介余・松永隆司(秋田県大)
食塩製造用原料海水の濃縮における高圧電場利用の可能性について検討した。最適な電場印加条件の下、異なる環境温度および海水濃度に対して蒸発量を調べた結果は、各自の対象区に比べ印加実験区の蒸発は約2倍の効果があった。効率的な原料海水濃縮における高圧電場の利用が可能であることと考えられる。
(P14)
カントリーエレベータでの籾の超低温貯蔵技術の開発と普及
竹倉憲弘・川村周三・伊藤和彦(北大)
北海道のカントリーエレベータで、籾を氷点下で貯蔵する超低温貯蔵技術の実用化試験を行った。カントリーエレベータで籾を超低温貯蔵する技術は、北海道のような寒冷地の冬季の寒冷外気を用いて籾を高品質保持する貯蔵技術である。籾の超低温貯蔵が行える共乾施設は、北海道で収穫される籾の1割強を貯蔵できるまでに普及してきている。
(P15)
生ゴミ用固液分離機の試作とその性能
島田敏(筑波大)・馮伝平(茨城県科学技術振興財団)・前川孝昭(筑波大)
メタン発酵の発酵効率を向上させる前処理装置として、生ゴミ用固液分離機を試作した。 形状及び性状の異なる生ゴミに関して、粉砕試験を試み、本装置によって湿式、乾式共に、最大粒径5mm以下に生ゴミを粉砕できることがわかった。今後、小供給量の節付など実用性を配慮して、効率的な粉砕・固液分離の条件を探る。