(A1)

畜舎構造のパターン化と全体およびブロック別建築工事費

干場信司(酪農大)・高瀬博志(高瀬計画工房)・小林敏道(コバ建築事務所)・森田茂(酪農大)

 フリーストール乳牛舎とつなぎ飼い乳牛舎および肥育牛舎の合計3種類を対象とし、それぞれ2〜3種類の平面計画を想定した。さらに、それぞれの平面計画に関し、木造と鉄骨の2種類について一般的な図面を提示すると共に、積雪荷重別の工事費を算定した。


(A2)

畜舎パネルの釘打ち面内せん断実験

小川秀雄(神奈川大)

 畜舎に使用される輸入パネルについて、接着剤を使用せずに釘打ちのみでパネルを構成した場合の耐力等を確認するための面内せん断実験を行った。実験は、パネル2枚と1枚の場合の他、比較のためにJAS合板2枚の場合についても行い、降伏耐力や最大耐力等を基に、規定された方法により、単位長さ当たりの短期許容せん断耐力を求めた。


(A3)

片流れ木造トラス堆肥舎の強風被害

小川秀雄(神奈川大)

 強風により木造屋根構造部分が飛ばされた堆肥舎について、被災時の状況資料、木造トラス骨組みの構造計算を行い、被災した要因と現状の設計方法の対応を検討した。また、壁開放度の高い、同様の特殊屋根形状の堆肥舎の安全度を増すための方策として、屋根や壁部分の構造形式及び仕上げ材の止め方等に関する施工方法について述べている。


(A4)

搾乳ロボット利用農場へのアンケート調査

長谷川三喜・市来秀之・本田善文(畜草研)

 搾乳ロボット導入農場の利用実態アンケート調査を行った。30件から回答(回収率44%)があり、平均土地利用面積41.6ha/戸、家族労力2.8人/戸、搾乳牛頭数76.5頭/戸、等の数値を得た。また関東以西においても、乳量・乳質・乳房炎発生などについて、従来から各地域が抱えている問題の範囲内で対応が可能であり、改善点も見られることが回答結果から推測された。


(A5)

暑熱が搾乳ロボットの利用率に及ぼす影響

本田善文・長谷川三喜・市来秀之(畜草研)

 千葉県佐原市で稼働している搾乳ロボットについて、搾乳ロボットへの訪問回数、利用効率等を周年調査した結果、(1)利用効率は夏期の牛舎内温度が28℃程度までの範囲であれば気温の影響を受けない、(2)利用効率は搾乳頭数に大きく影響される、(3)ロボットの効率的な運用には入室回数を180回程度に設定することが好ましい、等の知見が得られた。


(A6)

寒冷期放牧のための不凍結水槽

佐藤義和(北海道農研)・手島茂樹・進藤和政(畜草研)

 寒冷地で放牧期間を延長する場合、あるいは周年放牧を行う場合には、飲水の凍結を防止することが不可欠である。電源の確保できない放牧地で、特別なエネルギー源を使用せずに、貯水タンク部分は内部の水を熱源として次回の給水まで、飲水器部分は温水を熱源として用い夕方から翌朝まで、十分な断熱をすることによって簡易に凍結を防止する技術を開発した。。


(A7)

中国の主要養鶏地域における鶏体からの発生熱量

川西啓文(日大)・山口智治(筑波大)・馬承偉・李保明(中国農業大)・都甲洙(日大)

 本研究は中国の養鶏地域における鶏体からの放散熱量を把握するため行った。採卵鶏(1.8kg)の山東、河北、河南、江蘇省における年間平均の顕熱量は7.3W/羽、潜熱量は7.2W/羽であった。ブロイラー鶏(2.5kg)の山東、江蘇省における年間平均の顕熱量は6.5W/羽、潜熱量は6.6W/羽であった。


(A8)

中国における大型ウインドウレス鶏舎の環境調節に関する研究
−冬季の鶏舎内の空気分布と熱収支−

塔木扎布(筑波大)・趙淑梅(筑波大)・星典宏(近中四農研)
山口智治(筑波大)・ケ松林(北京四方公司)

 中国北京市、山東省、福建省のウインドウレス鶏舎の冬季における舎内空気分布と熱収支を検討した。3鶏舎とも舎内温度・湿度分布の不均一性が示され、山東鶏舎の換気量不足、福建鶏舎の換気方式の不適切性などが認められた。熱収支解析から、山東鶏舎の断熱性の問題点が指摘された。冬季の換気方式の改善が望まれる。

 
(A9)

家畜ふんを利用した合併浄化槽用シーディング剤の研究

小島陽一郎・松田從三・近江谷和彦(北大)

 本研究は、実験室規模の10L汚水処理槽においてシーディング剤の投入の効果を検証した。負荷を6段階、シーディング剤の投入量を0、8、40gの3条件とし実験を行った。排水の透視度やCODは、シーディング剤の投入によって改善がみられ浄化能力は強くなったが、高負荷・連続運転では徐々に効果が低下していく傾向がみられた。発生汚泥量には有意な差は認められなかった。


(A10)

太陽光発電を利用した低コスト堆肥化技術

榊原幹男(愛知県農試)

 太陽光発電を利用した堆肥化装置を低コストで利用するため昼間8時間通気による堆肥化試験を実施した。牛ふんを材料とし、水分60%・65%・70%水準でそれぞれ24時間連続通気と比較したところ、発酵温度は立ち上がりがやや遅れるもののその後は高く推移し、通気終了後の温度上昇も早かった。水分の減少率は若干低かったものの有機物分解率は差がなかった。これらの結果から太陽光発電と8時間通気の組み合わせは有効であった。


(A11)

加温通気による冬期堆肥化促進技術

田中章浩・嶋谷智佳子・薬師堂謙一(九沖農研)

 冬期堆肥化における発酵促進のため、1次発酵1週目槽からの暖まった排気を1〜4週目発酵槽入気に再利用する加温通気システムに関して検討を行った。その結果、加温通気によって入気温が高まり通気量を増加させることができた。冬期の有機物分解率は、加温通気システムを用いて夏期通気量で堆肥化を行うことで1.5倍に促進された。加温通気システムと脱臭システムを組み合わせることで、アンモニア揮散量は1次発酵の2%程度となった。


(A12)

成分調整成型堆肥の生産システム

薬師堂謙一・田中章浩(九州沖縄農研)

 堆肥の利用拡大のため、耕種農家が化学肥料感覚で使用でき、石灰散布機などの手持ちの機械で散布可能な成分調整成型堆肥の生産システムの開発を行った。牛ふん堆肥の成型処理の適正水分範囲は20〜27.5%で含水率の高い方、油かすを混合した場合成型性能が向上する。処理量10t規模(含水率15%換算)の生産システムで加工費は5.2〜6.7円/kgと試算された。


(A13)

牛ふん堆肥の発酵特性

薬師堂謙一・田中章浩(九州沖縄農研)

 良質の牛ふん堆肥を生産技術を確立するため、牛ふん堆肥材料の発酵試験を行い発酵特性を明らかにした。供試材料は生乳牛ふん尿と自然流下式のスラリーに、副資材としてオガクズ、モミガラ、古紙、乾燥ふん、戻し堆肥を混合したものを使用し、1.8m3の強制通気式発酵試験装置で4週間にわたり発酵させ、有機物分解特性や適正通気量、かさ密度の変化等を明らかにした。


(A14)

発酵乾燥ハウスの北海道内冬季における処理状況

向弘之(北海道農研)

 北海道道の内冬季における発酵乾燥ハウスの稼働状況を調査した。堆肥化中の材料温度が60℃以上に達し、乾物分解率が26%程度の比較的良好な堆肥化が行われているが、水分蒸発量あたりの乾物分解熱量は1,350kcal/kgであり、処理過程での大きな水分低下は望めない。また処理量も温暖期の1/2〜1/4に低下している。この施設の導入にあたっては、処理頭数や前後段の貯留施設等に余裕を持たせる必要があると考えられる。


(A15)

ダイヤモンド電極を用いた電解酸化法による窒素含有廃水処理の基礎検討

井原一高・梅津一孝(帯畜大)・金村聖志・渡辺恒雄(都立大)

 ダイヤモンド電極を用いて、廃水中に含まれるアンモニア性窒素およびCODの分解に関する検討を行った。ダイヤモンド電極は、Ti/PbO2電極を上回るフタル酸の分解特性を示し、廃水中の有機物分解電極として有望であると考えられた。アンモニア性窒素の低減にも効果を得られたが、同時に硝酸性窒素の蓄積が観察された。


(A16)

直接酸化反応によるフェノール分解過程の検討

太田和雄(都立大)・井原一高(帯畜大)・杤久保文嘉・渡辺恒雄(都立大)

 Ti/PbO2電極を用いた直接電解酸化反応によりフェノールの分解を行った。得られた結果より、今回の条件下ではフェノールはまず、カテコール、ベンゾキノン、ヒドロキノンと酸化され、その後、脂肪族カルボン酸へと分解されることが示唆される.またフェノールの初期濃度が高い時は、CODの電流効率は高い値が得られた。


(A17)

養豚廃水の活性汚泥処理放流水の電気化学的処理

阿部真・馮伝平・前川孝昭(筑波大)

 茨城県下のIおよびT養豚場の活性汚泥処理水の懸濁粒子、高T-Nといった問題があった。そこで電気化学的処理の一つであるFe溶解を行った。これは凝集作用とフェントン反応による分解反応が期待できるからである。結果は懸濁粒子の沈降性は良好で、大部分のリンも除去された。ただし窒素の除去は不十分であり、上澄水からのNH4+の効率的な除去を今後検討する。


(A18)

電気処理と曝気による酪農パーラー排水の浄化処理システムの開発

猫本健司・干場信司・高橋励起(酪農大)・諫早統(中道機械)
松本光司(O&R技研)・五十嵐武士(イガデン)・堀江篤彦(桜川ポンプ製作所)
山中芳郎・戸島俊一(ノーステック財団)・小林智行(小林牧場)・森田茂(酪農大)

 近年、対策が求められる酪農パーラー排水を対象とし、電気的凝集(有機物の回収)と排水の消毒・透明化工程を有する、新しい浄化処理システムを開発し、札幌市近郊の酪農場へ設置、実証展示を行った。


(A19)

籾殻とリン酸を利用したアンモニア回収装置の開発

福重直輝・阿部佳之・朴宗洙(畜草研)・伊藤信雄(東北農研)・本田善文(畜草研)

 吸引通気式発酵処理の排気中のNH3は圧送通気式に比べ高濃度となり、新たな脱臭方法を検討する必要がある。籾殻にリン酸を添加した材料を回収資材とし、円形回収槽(直径15cm、充填高さ50cm)で高濃度NH3の脱臭および回収試験を行った。試験後の回収資材はpHからリン酸二水素アンモニウムとリン酸水素二アンモニウムが籾殻に付着したものと考えられる。


(A20)

環境負荷を考慮した農産プロセスシステムの評価
−発生エントロピーによる実験用冷却システムの評価−

磯部正和・坂口栄一郎・川上昭太郎・穂波信雄(東京農大)

 農産プロセスシステムの一例として実験用冷却システムを用いた。冷蔵室に熱負荷を与えた時のシステム内部と外部の環境負荷をエントロピーにより評価した。熱負荷が増加して冷凍機の性能が低下し、内部の環境負荷が大きくなり発生エントロピーは増加した。熱負荷に関わらず外部環境への流入エントロピーの変化は小さかった。


(A21)

有機農産物生産の環境負荷−採卵養鶏−

東城清秀・山口琴子・渡邉兼五(農工大)

 比較的小規模の採卵養鶏を取り上げ、有機採卵養鶏に取り組んでいる農家と慣行法の農家とを比較しながら、採卵養鶏のエネルギー消費とマテリアルフローを中心に、採卵養鶏の環境負荷について検討した。この結果、有機養鶏では飼料調達におけるCO2排出量が慣行型に比べて多いものの、製品流通では慣行型より低い値となった。全体としては有機養鶏が慣行型より約25g-CO2/10卵、つまり6.8%程多かった。


(A22)

5つの酪農生産システムの評価および比較

加藤(河上)博美・干場信司・森田茂(酪農大)

 本研究では、今まで学会にて報告をしてきた5つの生産システムを対象とし、その生産システムの位置づけを整理し、さらに(1)経済性、(2)投入化石エネルギー量、(3)余剰窒素、(4)家畜の健康状態、(5)人間の満足感の指標を用いた総合的な評価によって、各生産システムの特徴を明らかにするとともに、レーダーチャートによって表現した結果を示す。


(A23)

有機性廃棄物の資源利用システムにおけるゼロエミッション化に関する研究
−システムダイナミックス解析によるシステムの環境影響評価−

加藤仁(中央農研)・東城清秀・渡辺兼五(農工大)

 ゼロエミッション型コンポスト化システムのモデルを作成し、システムダイナミックス解析によって環境負荷物質であるコンポストガス(窒素・二酸化炭素)エミッション量を求めた。その結果、従来のシステムに比べ、ガスエミッションを抑制することができ、また、投入資源量についても削減できることが示された。


農業施設学会