(P1)

乳牛ふん尿とてん菜と混合メタン発酵

山崎世理・梅津一孝・早田典生(帯畜大)

 てん菜の葉茎部、根部、全体を10%、20%、30%の割合で乳牛ふん尿と混合し、てん菜のバイオガス化の可能性を検討した。葉茎部の添加による混合メタン発酵の最適混合割合は20%〜30%、根部の添加は、10%〜20%の間に投入限界があった。てん菜全体の添加による混合メタン発酵の最適混合割合は20%〜30%であった。


(P2)

エネルギー回収型資源循環有機系廃棄物処理のシステム技術開発
−発生バイオガスの小型ディーゼルエンジンへの利用−

岩崎浩一、守田和夫・基山竜広・折口悦久(鹿児島大)・梅津太一郎(西日本環境エネルギー)

 有機系廃液分解浄化処理に伴い発生するバイオガスの小型ディーゼルエンジンへの利用について検討した。その結果、メタンガスと二酸化炭素の混合ガスにより、軽油燃料を最大で84%程度代替することができた。


(P3)

大気放射冷却利用冷房システムのエネルギー効率

小綿寿志(農研機構本部)・佐瀬勘紀・石井雅久・森山英樹(農工所)・Murat Kacira(農工研)

 大気放射冷却を利用した水蓄熱式冷房システムの連続運転を行い、エネルギーの授受を解析した。大気放射冷却量の見かけの回収率は1.53〜1.86、冷熱集熱成績係数は2.04〜2.11であったが、冷蔵庫の冷房を含めたシステム全体の成績係数は1を下回り、ポンプの消費電力を低減する対策が必要と考えられた。集熱した冷熱エネルギーの見かけの有効利用率は0.70〜0.95であった。


(P4)

近赤外分光法利用による水質分析に関する基礎研究

守田和夫・田中史彦(鹿児島大)

 本研究は、家畜糞尿処理施設、食品工場の排水処理施設での簡易連続水質モニタリングシステムの開発を目的に、近赤外分光法の適用の可能性について検討したものである。すなわち、デンプン系の有機物のモデルとして濃度の異なるショ糖の水溶液を調整し、近赤外分光法利用によるショ糖のCOD濃度を短時間に正確に測定・予測を行った。この方式により連続モニタリングを可能にするシステムの構築可能性が見出せた。


(P5)

電解水による切花の鮮度保持効果

守田和夫(鹿児島大)・紙谷喜則(ホシザキ電機)・進藤昌子(前川製作所)・Yen Con Hung(ジョージア大)・田中史彦(鹿児島大)・島木貴之(鹿児島大)

 本研究では、強力な殺菌力(酸性電解水)、界面活性効果(アルカリ性電解水)を持つ電解水を従来の鮮度保持剤の代替品として、切花に応用することが可能であるかを、(1)界面活性効果、(2)殺菌力、(3)pH調整、の項目に従って検証し、電解水の性質が切花の鮮度保持に及ぼす影響について基礎実験を行った。


(P6)

カンキツ周年マルチ点滴灌水同時施肥法の新たな灌水管理法の開発(予報)

星典宏(近中四農研)・森永邦久・草塲新之助・島崎昌彦(近中四農研)

 周年マルチ点滴灌水同時施肥法により糖度の増加、減酸が得られているが、園地内、あるいは灌水ブッロク内で品質の偏差が認められた。園地全体の判断から一括灌水を行う現行のマルドリの栽培管理から、樹体の水分ストレスを基に適量の灌水を行う、汎用性のある新たな灌水方法の構築を行う。


(P7)

CFDによる生物生産施設内空気分布の解析パッドアンドファン冷房大型温室における温度分布解析

趙淑梅(筑波大)・星典宏(近中四農研)・山口智治(筑波大)・李保明(中国農大)

 CFD数値解析方法を援用して、パッドアンドファン冷房大型温室の温熱環境に対してシミュレーションを行った。室内遮光カーテンが展張され、かつ無栽培条件と想定した現在解析段階の解析結果では、温室内の温度及び気流分布性が表現されている。今後、実際の温室状況に基づき更に解析条件を検討して解析を行う予定である。


(P8)

片屋根型プラスチックハウスの現状と快適化を中心とした改善方向

長ア裕司・玉城勝彦・金井源太(中央農研)

 開発した片屋根型ハウスは、比較的構造が強く軒高を2〜3m確保できるため、四方を開放することで換気性が良い特長がある。さらに、遮光処理を適切に加えることで作業負担軽減が図れる。広い作業空間を活用した、高設・循環型養液栽培技術を導入することで、快適で環境保全型の野菜生産技術を確立することを目指す。


(P9)

音響反射を利用する温室内温度プロファイルの計測

工藤功介・水谷孝一(筑波大)・奥島里美・佐瀬勘紀(農工研)

 音響反射を利用した長区間超音波温度計により、温度プロファイルを計測した。従来では1対のスピーカ及びマイクロフォンあたり1個の平均温度しか測定できないが、平板を4枚設置することにより、伝搬経路を2本に増加させ2個の平均温度を計測している。空調可能な室内の温度プロファイルを計測し、熱電対による計測温度と比較を行った結果、双方とも良い一致を示した。


(P10)

大型音響波プローブと複数の風向・風速計による測定結果の比較

水谷孝一・柏崎賢一・糸賀一也(筑波大)・若槻尚斗(秋田県大)

 200m2の正方形領域において直交する2本の音響波プローブを微気象センサとして用い気温、風速・風向の空間平均値を計測した。同時に測定基線上に設置した5個の温度計−風向風速計と比較した結果、空間的に風向風速にばらつきがある場合には後者の測定機材では十分な領域代表性を持った測定ができていないことが分かった。


(P11)

温室内のトマト畝間における垂直温度分布の音響的モニタリング

二又陸・工藤功介・水谷孝一(筑波大)・奥島里美(農工研)

 非接触の温度センサである音響波プローブを4本用いて温室内のトマト畝間における高さの異なる4段の気温を計測し垂直温度分布の時間経過をモニタリングした。レスポンスが速く、暖房用温水パイプの輻射熱や日射の影響を受けることなく正確な温度分布の非接触計測が可能であることがわかった。


(P12)

音響波プローブによる微気象測定における誤差解析

糸賀一也・工藤功介・水谷孝一(筑波大)・若槻尚斗(秋田県大)

 大型園芸施設には2次元の気温・風速ベクトル分布が生じており、従来の計算方法ではなんらかの測定誤差を生じることが予想される。本稿では音波の水平伝搬シミュレーションを行い、伝搬経路・伝搬時間・気温と風速成分の経路平均値の計算値と実際の値を比較することにより、原理的な測定誤差を解析した。その結果、音響波プローブは、効果的に微気象を測定できることが分かった。


(P13)

気柱振動プローブを用いる土質評価の可能性の検討

岡村智弘・金子昌弘・水谷孝一(筑波大)

 本研究では、気柱振動管の自由開封端近傍に音響インピーダンスが不連続な面が存在すると、固有振動数に変化をもたらす性質を利用して、構造が簡単で高感度な遅延線発振と気柱振動を組み合わせるセンサプローブを用いた非接触の土質評価の可能性について検討した。今回は、土を模した発泡スチロールの球径の発振周波数依存性について検討した。


(P14)

トマト栽培パイプハウスにおける自然換気型細霧冷房の環境特性と生育・収量

古野伸典(山形村山支庁)・中西政則(山形園試)

 トマト栽培をしているパイプハウスにおける、自然換気型細霧冷房の効果を検討した。水道圧程度の水圧で噴霧する方式では、植物体温がやや低下したものの、ハウス内気温の冷却効果は小さかった。高圧(3Mpa)で噴霧する方式では、十分な冷却効果が得られ、噴霧周期は、ハウス内気温と湿球温度の関係から30秒噴霧120秒休止が適すると考えられる。


(P15)

計算機トモグラフィ法を用いる小空間における風 向・風速分布の可視化

蜂須賀豊・二又陸・水谷孝一(筑波大)・ 石井雅久(農工研)

 作物の最適栽培には、温度、風向・風速、湿度等の微気象情報の取得が重要視されており、測定対象空間全体を非接触かつ実時間で把握することのできる音響波による測定は有用である. 本研究では、従来実施してきたマトリクス法では得られなかった高い分解能を得るために計算機トモグラフィ(CT)法を用いて再構成を行う。


(P16)

近赤外分光法によるじゃがいもの炭水化物含量の非破壊測定

陳介余(秋田県大)・繆冶煉(三重大),張函・松永隆司(秋田県大)

 じゃがいもの炭水化物含量の非破壊測定への近赤外分光法の利用を試みた。汎用タイプの近赤外装置と光ファイバーを利用して、インタラクタンス方式でじゃがいものノイズ少ない近赤外スペクトルを測定できた。そのスペクトルから、じゃがいもの炭水化物含量を予測した結果、相関関係は0.93、SEPは0.98%となり、高い予測精度を得た。


(P17)

予測微生物学的手法による微生物挙動のダイナミック予測モデルの開発

田中史彦・守田和夫(鹿児島大)

 フードチェーンにおける微生物挙動を予測し、安全評価を行うためのシステム開発を行った。本研究では、熱・物質移動モデルと予測微生物学的モデルを組み合わせることによって動的環境下における微生物挙動を予測した。ニューラルネットワークによる殺菌時間予測の迅速化や時間的・空間的菌密度分布の発生についても検討し、食の安全を科学的に支えるための技術開発を行った。


(P18)

活性酸素消去発光(XYZ系微弱発光)における評価手法の検討

齋藤高弘(宇都宮大)・はぎ原昌司・大谷敏郎(食総研)・志賀徹(宇都宮大)

 本研究は、活性酸素消去発光での試薬濃度と発光曲線の関係、有害性のある溶媒濃度について検討した。その結果、XとZ成分は最大発光量を、Y成分は200秒の積算値を指標とでき、短時間・多検体の計測に道が開かれた。溶媒であるアセトアルデヒド濃度は、3%まで低減が可能であった。


(P19)

低コスト堆肥化施設の開発(3)
−ガルウィング型堆肥舎の処理量、他−

向弘之(北農研)

 ガルウィング型堆肥舎で、切返しにホイルローダを利用して寒冷期の堆肥化を行った。トラクタ装着型切返機の利用に比べ処理量が倍増し、乳牛40頭分に達したが、作業時に施設周囲が汚れ易い問題もあった。20℃以上の内外気温差が得られ、材料の最高温度も60℃を超えた。搬入・搬出材料の重量比は2.4:1.0となった。またレキ汁・結露水の回収量は530L/日であった。


(P20)

畜産糞尿メタン発酵から排出される消化液の電解酸化処理

井原一高・梅津一孝(帯畜大)・後閑ゆず・金村聖志・渡辺恒雄(都立大)

 畜産糞尿メタン発酵から排出される消化液に対し,DSAを陽極とする電解酸化処理を行った。消化液に含まれる懸濁成分をフィルタで固液分離し希釈したサンプルを電解したところ、アンモニア性窒素およびCODの低減効果が得られた。電解によって生成する次亜塩素酸が酸化剤として働き、塩化物イオン濃度が反応効率に大きな影響を与えることを示した。


(P21)

濾材の組合せによる酪農雑廃水の簡易な懸濁物質低減手法の検討

森岡理紀・加藤邦彦・金澤健二・細川弘史・向弘之・長田隆(北農研)

 パーラー排水など酪農系雑廃水の懸濁物低減処理を目的として、おがくずと籾殻を混合した濾材の使用を検討した。混合濾材中のおがくず比率が高まると、効果も向上する一方で閉塞が発生したが、混合比率の調整で等量のおがくずでも濾過性能の維持が可能であった。また層厚調整により処理水質の制御が容易であった。


(P22)

一般堆肥化施設のエネルギー的評価

松本光司(O&R技研)・猫本健司(酪農大)・小林敏道(コバ建築事務所)・干場信司・森田茂(酪農大)

 糞尿処理施設の建設にかかる投入エネルギー量の算定やその手法の提案を行った。調査対象は北海道の堆肥舎と貯留槽とし、糞尿は重量分離比用いて頭数をそれぞれに按分して算定した。堆肥舎と貯留槽の両者の構築に要した1頭あたりの投入エネルギー量は差はないことがわかった。


(P23)

高水分小麦の粒径選別を利用した水分選別乾燥技術
−粒径選別の基本特性及び品質への影響−

金井源太・玉城勝彦・長崎裕司(中央農研)・佐竹隆顕(筑波大)

 収穫直後の粒径選別による水分選別技術について検討を行った。目幅3.0mm、3.2mm、3.4mmの篩にて選別試験を行い、常に篩上が篩下より水分が高く、3.0mmでは最大約6%、3.2mmでは最大約5%、3.4mmでは最大約8%の水分差を得た。3.2mm篩では水分35-40%程度の時期に篩上下がほぼ同量となり、以降は篩下が多い傾向を示した。灰分及び蛋白質含量は篩上が若干高い傾向を示した。


農業施設学会