(C2)

レタスの水耕栽培における各種処理水の影響(3)

小島孝之・松田伸志(佐賀大)

 本研究では、水耕栽培に於て基本となる水に着目し、水道水、創生源水、セラミックフィルタ処理水、磁化水の4種の処理培養液でレタスを栽培した。水道水及び電子水の葉面散布区、固形培地としてはロックウール培地区も設定した。播種後3ヶ月では、セラミックフィルタ処理水区、創生源水区が他区より好成績の傾向が見られた。しかしASA濃度に関しては最も生育の悪かった水道水区が最も大きく、葉色も濃い結果となった。


(C3)

苺のロックウール水耕栽培に関する基礎研究

宮本眞吾・世良田和寛・青山友雄(日大)

 ロックウールを用いた水耕栽培を行い、養液中の各イオン濃度、EC、pH、養液消費量などの測定を行った。栽培には232株の『とよのか』を用いた。11月3日より収穫を始めた。硝酸態窒素イオンの吸収は頂花の開花期から終了まで大きな変化を示した。また養液消費量は結実量が多くなるにつれて急激に増えた。このための給液の予測には日射量等の環境要因のほかに結実量等の要因を加味する必要がある。


(C4)

FA農業に関する研究(1)
-施設農業の現状と未来型農業について-

田原迫昭爾・守田和夫・米森剛(鹿児島大)・元田謙郎(元田電子工業)

 本研究は、農地を人間が移動し、農作業を行うという伝統的な形態から脱却し、圃場が移動し、人間が室内で作業ロボットと共に農作業を行うという発想の未来型農業として位置づけられ、地下温室や太陽集光装置の導入など農業生産にFAの発想を取り入れた自動化への概念設計およびトータルシステムの構築を行うものである。


(C5)

FA農業に関する研究(2)
-地下温室と地上温室の比較-

田原迫昭爾・守田和夫・米森剛(鹿児島大)・元田謙郎(元田電子工業)

 温室で周年栽培を行うには、冬季の暖房、夏季の冷房が必要である。しかし、地下は年間を通じて比較的温度変動が少ない。この地下エネルギを直接的に栽培温室に利用する目的で、地下温室の熱収支を求め、冷暖房費の算定を行い、地上温室と比較した。その結果、地下温室は温度も安定し、環境調節が容易であることが示された。


(C6)

Impedance Spectroscopyによる植物細胞組織の
状態モニタリング-ノイズFFT法によるインピーダンス応答の迅速測定

豊田淨彦・児島初男(神戸大)

 迅速測定に適したノイズFFTインピーダンス法のハードウエアの構築とデータ処理法の検討を試みた。供試した装置構成と処理アルゴリズムにより、ダミーセルについては従来と同程度のボード線図、Cole-coloプロットが得られ、迅速な測定が可能であることが確認された。アンチエリアジングフィルタ、移動平均、積算平均化等がノイズの抑制に大きく寄与することもわかった。


(C7)

植物の表面生体電位測定

山城勇人・院多本華夫・前川孝昭(筑波大)

 本研究は植物体表面に現れる電位現象に注目し、それを新たな植物活性指標とするための基礎的実験である。発芽直後のカイワレダイコンの根系を測定対象に絞り測定を行った結果、光合成の開始及び終了に対応した各測定部の電位の上昇下降傾向が測定された。これは、根系の吸水に関するプロトンポンプ由来の電位発生という仮説を支持するものと思われる。


(C8)

生育条件による作物中の栄養成分の変動

原昌司・志賀徹・黒田修幹・小倉祐幸・見目明継(宇都宮大)

 成長中のコマツナの栄養成分の蓄積に影響を与える光質、特に紫外線の消長について季節的変動、成長部位別の測定を加え検討した。アスコルビン酸含量は着葉により成長段階の若い葉ほど蓄積量が大きい。単位葉重当たりのアスコルビン酸含量は紫外線透過区の方が大きいが、生長量は紫外線除去区の方が大きい。また夏期は冬期に比べアスコルビン酸の蓄積が少なかった。


(C9)

井水散水による温室の冷房法(3)
-夜間冷房の熱負荷解析-

小林有一・志賀徹・小島信剛・藤重宣昭(宇都宮大)

 イチゴの花芽分化促進用の夜冷育苗施設として井水の顕熱利用型のウォータカーテン細霧冷房方式を考案し、ハウス内気温に及ぼす環境条件とその熱収支について調べた。日没後、散水開始して約20分で定常状態に達した。熱貫流負荷は屋根面からがほとんどを占め、その結果、ハウス内気温は外気温の影響を最も受けた。


(C10)

形状記憶合金利用によるトンネル裾自動開閉装置

大村幸次・仲川政市・常法和廣(鹿児島農試)

 本装置は、温度が上昇すると収縮する一方向形状記憶合金コイルバネの特性を利用したもので、作動原理は、コイルバネの収縮運動をプーリによって回転運動に変換し、プーリに連結した裾引き上げ用のアームを上下させるもので、開閉幅は最大46cmである。装置設置トンネル内におけるゴボウの規格品収量は、20m間2台設置区105.5kg/a、3台設置区96.6kg/a、観光区100.3kg/aと大差なく、装置の性能は良好である。


(C11)

ハウス内環境制御への人工知能応用研究(2)

連小東・中野和弘・倉田・渡辺・湯浅(新潟大)

 実験用ハウス内環境の制御にファジィ理論を応用し、温度、湿度の変化率に応じて、目標値に対するスレッシュホールドを変化させて、制御特性を検討した。換気のよる温度制御では、ファジィ制御はON/OFF制御より天窓の動作時間回数が多いものの、目標温度に対する誤差が少なかった。温度湿度複合制御では、目標湿度に対するオーバーシュートや累計誤差が低くおさえられた。


(C12)

園芸用被覆材の開発に関する研究
-フィルムの留め方式と展張強度-

小川秀雄・津下一英(神奈川大)・向弘之・山下進(農工研)

 耐用年数が5〜10年のフッ素系フィルムとポリエステル系フィルム、及び1〜2年の農ビの3種フィルムについて、平面載荷の金具留め方式(ビニペット留め、タッピング留め)と局面載荷のテープ留め方式(マイカ線他)の展張実験を行い、正・負荷重方向における破壊強度や留め方式による損傷の特徴を報告した。


(C14)

クリンネスマシンシステムによる温室内防除の研究

清水隆行・谷重和(イカリ消毒)・清宮智(クリンテック)・高橋賢・武藤宣博・寺尾一樹(協和種苗)

 常温煙霧方式の温室用農薬無人散布システムを開発し、その性能・効力試験を行ったところ、目づまり無く水和剤を微粒子化噴霧でき、かつ、薬剤の空間分布状態はほぼ均一であった。防除効力は動力噴霧器と同等で、1回の散布薬量を減らし散布頻度を増せば防除効果が高くなることがわかった。


(C15)

リモートセンシングによる霜害茶畑の検出

小川幸春・石黒悦爾・宮里満・陳介余(鹿児島大)

 システム化による農地管理の可能静模索の一例として、霜害茶畑の特定を衛星リモートセンシングを用いて試みた。教師付き分類法により茶畑を抽出した結果を土地利用図と比較すると90%以上の抽出精度が確かめられ、この結果に霜害の有無を人工的に作成した茶葉の分光特性を考慮して得た画像演算指標を適用すると、霜害茶畑の検出が可能であることが示された。


(C16)

乳酸菌によるグルコースとセロビオースからの同時乳酸発酵基礎実験

岩瀬勝則・上野孝・前川孝昭(筑波大)

 有機系廃棄物であるバレイショ残渣を利用して、微生物により付加価値の高い乳酸を生産する。乳酸菌は一般に、セロビオースよりもグルコースを先に代謝するため、セロビオースとグルコースとの混合培地での乳酸発酵はセロビオースが残る結果となる。本研究では、セロビオースを優先的にまた同時に乳酸に変換させることを試みた。


(C17)

寒冷地型バイオガス生産装置に関する研究 -原料の性状とバイオガス生成量について-

梅津一孝・高畑英彦(帯畜大),川本恒美(日甜)

 スタンチョン牛舎脇に有効容積4m3の嫌気発酵槽を設置し、無希釈糞尿スラリを用いた高負荷運転によるランニングテストを行った。本報はこれらの結果をまとめ、原料の性状とバイオガス生成量の関係について報告した。


(C18)

光合成細菌による水素生産に関する基礎的実験

谷畑幸二・前川孝昭(筑波大)

 光合成細菌による水素生産はアンモニア態窒素により阻害される。従って、廃水処理を兼ねた水素生産を考えた場合、アンモニア態窒素濃度による水素生産速度の阻害を調べることは重大な課題となる。人工光源及び合成培地を用いて各NH4Cl濃度における水素生産速度を調べた結果、NH4Cl濃度が0mM、1mM、3mM、5mMの時の水素生産速度はそれぞれ760、83.3、12.5、0.00μl/hr/gcellとなった。


(C19)

焼酎廃液の中間規模メタン発酵実験
-気相部圧力制御による無希釈発酵-

前川孝昭・北村豊・阿部一博(筑波大)

 麦焼酎廃液はC/N比が5程度でメタン発酵させる場合低く、アンモニア阻害を生じ易い。水希釈による阻害防止に代わって、本研究では300Lの中間規模メタンリアクタを試作し、消化ガスのリアクタ内気相部の分圧を上昇させ、発生するアンモニアを炭酸アンモニウムとして中和する方法を試みた。この無希釈処理によって有機物負荷は4kg/m3/dでメタン収率0.72m3/kg-vsが得られた。


(C20)

焼酎蒸留廃液のメタン発酵における限外ろ過膜の利用

北村豊・前川孝昭(筑波大)

 麦焼酎の蒸留廃液を処理するメタン発酵装置に、菌体濃縮と処理水排出を同時に行うための限外ろ過膜分離装置を組み込んだ。その結果、メタン菌をウォッシュアウトさせずに、水で希釈した焼酎廃液の連続投入が可能となり、原料の低C/N比に由来するNH4+の蓄積を回避することができた。また、菌体濃度の増加により有機酸除去率や消化ガス・メタンの生成速度、収率といったパラメータを向上させることができた。


(C21)

二相式ファーメンタによる焼酎廃液のメタン発酵

守田和夫・田原迫昭爾(鹿児島大)・西功至(日清エンジニアリング)・林恒生(豊国工業)

 有機物濃度が高く、廃棄の難しい麦焼酎蒸留廃液の嫌気性発酵実験を行い、廃液処理効率、バイオガス発生効率について検討した。廃液処理では、有機物の分解消化をCOD除去速度、COD除去率、BOD除去率、および発酵阻害物質から論じ、その最適な発酵条件を示した。発生するバイオガスについては、ガス発生速度、ガス化率およびメタン濃度からガス発生効率を論じ、二相式ファーメンタの有効性を示した。


(C22)

焼酎廃液のメタン発酵について

守田和夫・田原迫昭爾(鹿児島大)・西功至(日清エンジニアリング)

 二相式ファーメンタは酸生成菌とメタン生成菌を分離し、相分離によって発酵速度の異なる酸発酵とメタン発酵のバランスを保ちながら、高速で廃液の分離消化を目的としている。本研究では最適発酵速度を求めるため、焼酎廃液の酸発酵について回分培養実験を行い、菌体増殖曲線から菌体増殖速度および基質消費速度などを求め、Monod式による発酵過程のシミュレーションを行った。


(C23)

生物系産業廃棄物を材料とするコンポスト化の事例

木村俊範(筑波大)

 農村部における自然循環システムの試みとして、製材所や建築現場から発生する木くず等木質廃棄物と家畜ふんを主材料とするコンポスト化の実験を行い、難分解性の木質の混入にもかかわらず良好な分解反応を検出した。材料の有効熱伝導率測定の結果、その理由が材料の断熱性に起因することを明らかにした。


農業施設学会