(A1)

畜舎の臭気に関する研究(2)
-豚舎内の臭気強度の現状-

福重直輝・川西啓文・長島守正・都甲洙(日大)

 本研究は豚合の臭気強度の実測を行ったものである。冬期の臭気強度は清掃直後に最低となったが、夏期ではその傾向はなかった。臭気強度の最高地点の約70%は糞尿溝と通路の位置であった。また、重回帰分析から、豚舎内で臭気強度に最も影響を及ぼしている環境要因は絶対湿度で、豚舎外では気温であった。


(A2)

畜舎の臭気に関する研究(3)
-豚舎内の臭気成分の現状-

福重直輝・川西啓文・長島守正・都甲洙(日大)

 本研究は豚舎における臭気成分とその濃度の実測を行ったものである。検出された成分はアンモニアとトリノナルアミンのみであった。臭気成分も臭気強度と同様に、清掃直後に最低値を示した。これは、第1報のアンケートの結果と同じである。24時間の重回帰分析で両成分に最も影響を及ぼしている環境要因は粉塵濃度であった。


(A3)

和牛における鼻紋の画像処理による個体識別

皆川秀夫・今西俊裕・久下真一(北里大)・田中一人・矢野智司・一柳まさみ(富士平工業)

 和紙と黒色インクで採取した和牛鼻紋に大きさ13cm四方の基準枠を設定しCCDカメラにより鼻紋画像を撮影し、コンピュータで鼻溝を細線化した。この細線化鼻溝画像を基に日本短角種の成牛および育成牛合計10頭の個体識別を試みた。鼻溝画像の図心、分岐数、方向では2〜3個体が識別できなかったが、総延長、あるいは図心・分岐数・方向を組合わせた方法では10個体すべて識別できた。


(A4)

遺伝的アルゴリズムによる配合飼料の最適設計

佐竹隆顕(筑波大)・古谷立美(東邦大)・南善行・立花文夫(全農)・橋本光・月成顕子(筑波大)

 飼料成分や栄養成分の制約を有する配合飼料の設計問題こ対しGAを適用した。配合率を遺伝子コーディングした染色体をエリート戦略、一点交叉および突然変異といったオペレーションにより世代交代させるとともに、配合コストや配合率の制約条件により評価を行った。シミュレーションの結果、2万世代以降に全個体が最適点に進化し、GAによる配合設計の可能性を認めた。


(A5)

農業施設の評価法に関する研究(7)
-エントロピーからみた系の持続性-

池口厚男(畜試)・干場信司(北海道農試)

 系の持続性をエントロピーを用いて表すことを試みた。ある期間に系に蓄積されるエントロピーが系の寿命までに蓄積されるそれよも小さいことが、持続の条件となる。狭義に定常状態であれば系は維持される。鶏含の換気による舎内温度制御を例として、線形領域において、エントロピー生成速度の時間微分が負値である場合、系は定常状態に向かっていることが示された。


(A6)

農業施設の評価法に関する研究(8)
-エネルギーからみた酪農生産システムの評価指標-

干場信司(北海道農試)・池口厚男(畜試)

 物質・エネルギー収支を主体として酪農生産システムの類型化を行い、それぞれについてモデル表示するとともに、単位生産量当たりの使用化石エネルギーを記号で表し、概念的に比較した。その結果自給飼料・放牧型、購入飼料・たれ流し型(海外飼料依存型を含める)および地域複合型等の経営類型における、環境負荷や化石エネルギー使用量過多等の問題点が明確化した。


(A7)

ミルキングパーラの搾乳作業能率について

加茂幹男・長谷川三喜・池口厚男(畜試)

 フリーストール・ミルキングパーラ施設を導入している酪農家を対象に、畜産技術協会が実施した搾乳作業の実施状況などの聞き取り調査をもとに搾乳作業能率などを調査した。各種パーラの搾乳頭数と搾乳ユニット数との関係、各種パーラの搾乳作業能率、1ユニット当たりに搾乳作業能率、一人当たりの搾乳作業能率などについて搾乳ユニット数、一人当たりの搾乳ユニット数との関係を明らかにした。


(A8)

1993年釧路沖地震による酪農関係の被災・影響について

瀬野誠之・佐原傳三・熊谷良雄(筑波大)

 1993年1月15日に発生した「平成5年釧路沖地震」は酪農関係にも大きな被害をもたらした。酪農管理作業に及ばす地震の直接・間接の被害実態を明らかにし、今後の防災対策のあり方を探る目的で調査研究を行った。この結果、建物、および設備・機械・器具の直接的損壊と、ライフライン障害(停電、断水)の相乗作用により、日常の管理作業に多大な影響を与えたことが明かとなった。


(A9)

農業建築物に対する法規制の海外における実態について

干場信司・佐藤義和(北海道農試)・小川秀雄(神奈川大)・高橋圭二(根釧農試)・向弘之(農工研)・トゥールムハメット

 欧米諸国における畜舎等農業建築物に対する建築規制の実態についてアンケート調査を行い、6ヶ国から回答を得た。ほとんどの国で農業建築物に対する規制を緩和しているが、その理由として各国とも共通に、「農業建築物では滞在密度・時間が小さいので人間の健康と安全性における危険性が少ない」ことを指摘していた。我国においても、同様の規制緩和が望まれる。


(A10)

堆肥舎壁面に作用する圧力について

向弘之・豊田裕道(農工研)・小川秀雄(神奈川大)・道宗直昭(生研機構)

 堆肥舎の壁の設計資料を得るため、堆肥の物性と実際の堆肥舎での切り返し作業時に壁面に作用する圧力を測定した。堆肥は全般に軽量で僅かな粘着力があり、堆積によって璧面に作用する圧力は、通常の無機質土に比べ極めて小さなものと推定された。また切り返し作業時には、作業機の最大けん引力をバケットの前面面積で除した値にほば等しい圧力が最大値として計測された。


(A11)

畜舎機能評価のための家畜動作行動解析 -係留拘束条件と起立横臥動作-

長谷川三喜(畜試)・向弘之(農工研)・加茂幹男・池口厚男(畜試)

 つなぎ飼い牛舎の4係留方法について、拘束条件の違いが乳牛の起立横臥動作におよほす影響を調査した。カムフォート係留は動作時に首を曲げる傾向があり、ません棒・上下2点支持タイ・スタンチョンよりき甲部が前方に移動した。係留具支持枠への動作時加力はスタンチョン係留が最も大きく200kgfを越える場合があった。


(A12)

エキスパンドメタルとジオテキスタイルによるパドックの泥ねい化防止

佐藤義和・干場信司・小綿寿志・福本昌人・落合一彦・池田哲也(北海道農試)
三田村強(東北農試)・原令幸・高橋圭二・稲野一郎(根釧農試)・中辻浩喜(北大)

 エキスバンドメタルとジオテキスタイルの組み合わせによるパドックの長期的な泥ねい化防止効果を実証的に検討した。エキスパンドメタルは腐食防止のため溶融亜鉛メッキされたものを用いるべきであることと、ジオテキスタイルの耐用年数は数年であることを明らかにした。


(A13)

アンモニア晶析を前処理とした畜産排水の間欠曝気法による硝化・脱窒に関する実験的研究

馮興東・前川孝昭(筑波大)

 豚舎廃水中のNH4-Nをストラバイト(MgNH4PO4・H2O)の結晶化による除去する方法と晶析後廃水を間欠曝気による硝化・脱窒実験を実施した。結果は反応温度、時間、NH4:PO4:Mgモル比及び反応温度とpHの交互作用がNH4-Nの除去率に大きな影響を与えた。間欠曝気法で結晶化処理液を24h回分処理した場合、NH4-N除去率は99%に達した。


(A14)

家畜糞尿の流動特性

梅津一孝・高畑英彦・干場秀雄(帯畜大)

 乳牛糞尿スラリーのレオロジー特性値、すなわち、せん断速度とせん断応力の関係を決定するパラメターについて遠心分離法によりスラッジ体積を用いる方法について検討した。固形分濃度とスラッジ体積には高い相関が認められた。また、スラッジ体積と粘性係数、粘性指数についても高い相関が認められ、各せん断速度の見かけ粘度はスラッジ体積を求めれば高い確率で予測できることがわかった。


(A15)

アオコの生物活性阻止に関する研究

院多本華夫・宮崎龍雄・前川孝昭(筑波大)

 アオコ含有水1Lにオゾンと紫外線を与え、アオコの生物活性の阻止を試みた。5%オゾン発生装置ではアオコのクロロフィルa濃度で59μgL-1以下、44μwcm-2の紫外線では134μgL-1以下までは3分処理でアオコの生物活性を完全に阻止した。クロロフィルa濃度で423μgL-1以上のアオコ濃度の場合には15分以上の紫外線照射でもアオコ個体は消滅しなかった。


(A16)

アオコ懸濁水の電気凝析におけるファラデーの法則の適応性

鄭盛元・森嶋博・冨田節雄(日大)

 アオコを含む水に直流電流を通じ、電気凝析と水の電解により発生する微細気泡でフロックを浮上分離させ、水の清澄化を図ることを目的とする。アオコ濃度が大であると清澄効果が高いが、濃度が薄いとき電荷がある限度を越すと電解により生じたAl(OH)3の影響を受け原水よリ回収水のSSが大きくなることが知られた。太陽電池を電源とした装置の試作により実用化を進めている。


農業施設学会