米の品質指標としての可能性を検討するため、含有率の栽培地による変動、形態的品質との関係、貯蔵中の変化などを調べた。(1)スクロースは米粒内で外層部ほど多い層状の分布形態を示した。(2)含有量は栽培条件によって変動し、形態的品質である整粒割合と正の相関を示した。(3)高水分籾の4℃、3ヶ月の貯蔵において含有量は顕著に減少した。これらの結果より、スクロース含有量が米の品質指標になり得る可能性が示唆された。
玄米をより食べやすくするために玄米を発芽させた発芽玄米の食品化を検討した。玄米成分の保持、外観性及び食味の維持を図るために発芽条件及び環境制御法を決定する基礎実験を行った。発芽玄米の成分は、通常の玄米成分と比較し、栄養学的価値は低下していなかった。実用規模発芽玄米製造装置を試作し、大量の発芽玄米を製造する条件を確認した。
米全体に通用可能な品質評価法の糸口の構築を目的として、米飯のテクスチャ測定法を確立するためにインディカ、ジャポニカを供試し、現在、米のねばり指標として認識きれている米飯付着力と米粉糊の機械的粘度は、炊飯液の糖質画分の質的性状との関係に基づいて検討した。その結果、米粉糊の機械的粘度は、米飯の付着力と同一指標と見なせないことが分かった。
水分13%の玄米ニホンマサリをポリ袋に密封、ダンボールに入れ5〜7℃,70〜80%RHで16年貯蔵したものを供試、Nutrient Agar と Czapek Agar 平板培地で35℃,72h培養した。総菌数は1粒当たり104のオーダーで収穫直後の106に比し減少、新米では総菌数の90%を占めた Chromogenic Ps. と Fluorecent Ps. が併せて30%程度と減少したのに反し、Red Pseudomonas が約50%を占めた。
共乾施設の運営においては、多大な初期投資を要することと年間短い操業期間であることにより運営が厳しい状況にある。このため本研究では、共乾施設の導入時と稼働時の運営状況を分析するための支援システムを開発した。この支援システムは、損益分岐点の経営評価法を用いて、求められた年間荷受量と経営経費の収支関係から、共乾施設の経営状況について評価を行うものである。
前報では乾燥施設における荷受け部の稼働特性に影響を与える因子を荷受け要素として分析を行った。本研究では、計量機の稼働効率が向上が可能であるマルチタンク方式の荷受け工程をとらえ、その合理性を検討した。また、最適な荷受け方式は能率とコストの両面から総合的に考察する必要があるため、自由に各荷受け要素を設定して稼働特性をとらえることができるシミュレーションプログラムを開発した。
CEでのサイロによる長期貯蔵は、穀温の上昇を招き、品質の維持が困難となる。本研究では、穀物サイロにおける穀温変化の実態を知り、穀物に対する熱負荷の抑制方法を検討するために鋼板モデルサイロを製作し、経時的に穀温を計測した。サイロ表面を種々の材料で被覆した時の穀物の積算温度を計算で求め、脂肪酸度増加の推定により品質の変化過程を検討した。
東北のような冷涼な地域における除湿転燥の適合性について検証を試みた。除湿機効率の評価指標として定義した動作係数は、除湿量が多いと高い値を示した。また、空気の平衡含水率の降下量により乾燥能力を評価した。そのほか、部分風量比、粒間水分分布、乾燥むら等が品質に及ほす影響を検討し、施設運営にあたっての提言を行った。
吸引式貯蔵乾燥の室内実験と実機実験から次の結果が得られた。(1)制御式の修正により含水率の均一性が増した。(2)吸湿してしまった層の乾燥が困難である。(3)吸湿した層の品質が低下した。本報では、(2)、(3)の問題解決のためと制御法の確立のため、シミュレーションによって検討を加えた。
農産物の乾燥に遠赤外線を利用することを目的として、遠赤外線ヒータを持った乾燥装置を試作した。本装置の乾燥室の天井は放物線状で、その焦点に遠赤外線パイプヒータを設置し、ヒータと試料台との距離は変化させることができるようにした。実験結果から遠赤外線により農産物を乾燥する場合には、農産物表面近くの雰囲気温度より内部の温度が高くなることが認められた。
快適な作業環境を実現するためにブドウ棚がT〜Y字形に可動する棚を開発し、従来の平棚との比較実験を行った。誘引・整房・摘粒・袋かけ・収穫・薬剤散布・せん定作業で、可動棚は総体的に高能率で、心柏数、酸素消費量も小さかった。各作業が立位、対面位の自然体で楽に行えたことが好結果を得たと考えられる。
農業施設内の作業省力化などの観点から、空気膜構造の利用可能性を検討するため、その特徴を整理した。また、エアバッグ式ビニルハウスの試作を行い、日射量、温度について通常型ビニルハウスとの比較を行った。この結果、試作ハウスの日射透過率は通常型ハウスより8%程度少なかった。夜間の温度低下は試作ハウスの方が少なく、外気温より下がることはなかった。
園芸用ガラス室が地震や風によって変形した場合を想定した屋根面の面内変形実験、壁面の面外変形実験及び、積雪や風の等分布荷重を想定した等分布荷重実験の3種について、合計10体の実験を行った。実験結果は、園芸用施設安全構造基準の耐力及び地震応答解析結果の変形角を満足する値であり、現状のクリップ部材、施工方法で支障の無いことを確認した。
容量1200m3のアイスポンドにおいて、貯水中の氷の融解の経過と熱収支を測定した。氷は6月末までに初期体積の2分の1に減少し、8月末に全て消失した。総熱負荷の内、氷の上表面の侵入熱量が49%と最大であり、次いでファンコイルユニットの交換熱量が43%であった。氷の融解潜熱量の24〜39%が6月末までのバレイショ貯蔵庫冷房に利用され、以降は貯蔵庫を野菜の予冷に使用することで、最終的に41〜47%が冷房に有効利用された。
対流熱伝達率と風向・風速の関係を、ビニールハウス構造体を対象に風洞模型実験をとおして検討した。その結果、対流熱伝達率を風速のみの関数として扱うのでは不十分であり、風速と風向の両者の関数として表すことが必要であることがわかった。
ハウス内の土壌水分変動を予測し、潅水の最適制御方法を検討した。セラミックス土壌水分センサの実用性の検証を行った後、土壌中に設置した。パソコン、電破弁、灌水装置により、1ヶ月間のフイードフォワード制御を行った紡架.珊水川電磁弁のON-OFFのタイミングを適切に制御することで、目標pF値2.0に対してpF1.9〜2.1の範囲に抑えることができた。