本研究はニオイセンサの測定値と人間の官能試験の関係を調べた。結果として、この試験は危険率1%以上で有意な正の直線関係が得られた。しかし、1日に2回測定を行った場合、人間の嗅覚では2回目の反応が鈍くなる傾向が求められた。人間の嗅覚を基準とした臭気強度の測定には嗅覚の順応を考慮する必要があると思われる。
本研究では豚舎周辺における臭気の分布を人間の官能試験およびニオイセンサで調べた。人間の官能試験では臭気強度は豚舎からの距離が離れるに従い、べき乗の関係で減少することが示された。臭気強度の分布および人間の官能試験と距離の関係から、豚舎から約30m離れることにより臭気の強度は表示法の1以下になることが示された。
冬季間の冷たい外気を利用して、鶏ふん堆肥化処理施設内で強制的に結露させ除湿するとともに、結露するときに臭気成分も結露水にとけ込むことを利用して、除臭をも行う換気法を開発することを目的とする。また、結露にともなって発生する潜熱の利用を試みる。
人工ゼオライト(アルカリ処理石炭灰)を濾過材にした脱臭装置で、アンモニア、トリメチルアミン、メルカプトエタノール、ブドウ状球菌培養液の臭気を脱臭試験した。ニオイ減少勾配は各試薬、同じ傾向(平均40〜60Hz/h)を示した。本装置では風量約30m3/h、ゼオライト量0.40〜0.45s/100m2の時、脱臭率70〜90%/hを得た。ゼオライトは乾燥すれば再生利用できる。
ミルキングパーラを導入している酪農家及びパイプラインミルカを導入している酪農家を対象に、搾乳時の作業分担状況、搾乳作業順序、乳頭清拭の方法、乳房の汚れ等の聞き取り調査を行い、ミルキングパーラシステムでは乳頭マッサージ、後搾り等が省略される一方で、乳房・乳頭の洗浄、プレディッピングの実施割合が高く、不適切な前搾りが実施されていることなどを明らかにした。
農業建築物に関する独自の基準を持つアメリカ、イギリスの2ヶ国と日本について、同一規模の畜舎の構造設計を行い、荷重基準の相違が荷重値、部材断面、部材数量でどれほどの比率となるかについて比較、検討し、建築物の重要度や用途に応じて荷重条件を緩和する意義について述べている。
昨年度報告した堆肥舎壁面構造に関する堆肥の物性試験、ならびに押圧実験の実験結果をもとに、長期荷重または短期荷重として擁壁や隔壁それぞれに作用する設計荷重を提案し、この荷重にもとづいて堆肥舎壁面構造を一般的な壁底部を固定支持と見なした片持壁として計算した場合の配筋方法、および計算方法の相違による安全率の見込み等の設計事例について報告している。
飼料成分や栄養成分の制約を有する配合飼料の設計問題に対しGAを適用した。配合設計条件を実用飼料のレベルまで拡張する一方、最適解を決定する配合コストの目的関数にLPでは解くことのできない非線形項を導入しGAによる設計を行った。シミュレーションの結果、GAによる実用配合設計の十分な可能性、ならびに非線形な制約条件に対するGAの柔軟性が検証された。
光切断法を動体に用いる方法を考案して、牛の起立横臥動作の3次元計測を試みた。カメラのシャッタの高速化により、動作の全過程で輝線が流れない画像を得ることができた。実験では、画像を分割し、閾値を変化させて2値化する必要があったが、黒毛部の少ない牛を用いれば、2値化処理は容易と考えられた。考案した方法は、動体の3次元計測に広く応用可能であると考えられる。
フリーストール牛舎内の水分制御を行うに当たって、ふん尿が貯留する通路床面の水分移動を定量化するため、対流物質伝達係数(水分伝達係数)を風洞実験により求めた。水分伝達係数は気流の関数として回帰された。また、無次元数を用いて自然対流と強制対流の共存対流物質伝達についても検討した。
メタン菌特有の自己蛍光性補酵素F420に着目し、励起光波長である420nmの光線を菌体の照射することによって得られる蛍光を、画像処理を用いて計測した。H2/CO2資化性メタン菌を回分培養したところ、メタン生成速度と、画面当たりの蛍光画素数の割合である蛍光画素濃度は相関を示したことから、蛍光画素濃度はメタン発酵槽の指標となり得る可能性は十分あるものと思われる。
藍藻Spirulinaを用いたリアクタによるCO2固定を物質移動係数KLaにより計測し、細胞の比表面積aの決定および粒径分布測定を行った。得られた値aを用いCO2移動係数kLを決定した。細胞の比表面積aは約5.0(m2/g-d.m.)であり、細胞を触媒とみなしたときのCO2移動係数kLは0.8〜1.0(×10-4m/d)程度であった。
筆者らは試料をごく薄くスライス(0.1〜5μm)するマイクロスライサを顕微鏡と組み合わせて、そのスライス断面を観察し、コンピュータ上の試料の3次元像を構築する3次元内部構造顕微鏡を開発し、種々の実験を行ってきた。今回、取り込んだ画像データより試料の体積や表面積を測定したので報告する。
でんぷん残渣の有効利用の一手段として、酵素糖化が挙げられる。本研究では、比較的解析が容易であると予想される生デンプンに対象を絞り研究を行った。その結果、膨潤及び湖化による平均デンプン粒子経の増大により、デンプン単位重量当たりの酵素吸着量増大し、酵素糖化率が大きく増大した。また、デンプン懸濁液液相への可溶性糖高分子の溶出が認められた。
本研究では家畜固有の腸内細菌に着目し、総菌数や糞便性大腸菌数の定量並びに糞便性連鎖球菌については菌類の同定を行った。糞便性連鎖球菌の菌類は合計8種が検出、同定された。これらの細菌のうち、調査河川の25地点中ウシに固有とされるS.uberisは18地点で検出されたので、家畜の中でもウシ糞便による汚染の指標細菌としてより適当であると考えられた。