前報までの均一乾燥のための制御法は、等時間間隔・定量張り込みの場合であったが、実際の施設では、農家の収穫状況により、非定量張り込みになることが多い。本報では、より実用性を高めるため、非定量張り込みの場合に、風量制御を加味し、その制御性をシミュレーションによって検証した。
角形ピンを使った貯蔵乾燥施設において、乾燥効率を高め、かつ高品質乾燥を実現するために、新しい乾燥操作法を提案し、その有効性をシミュレーションによって、含水率及び呼吸量により評価した。その結果、従来法と比較して水分の乾減率及び呼吸量の観点から、新しい操作法の方が良好な結果が得られた。
東大農場で同一条件で同一品種の水稲を毎年継続的に栽培した籾を冷蔵庫に直ちに収納貯蔵したものを試料とし、コメの貯蔵品質の経年変化を実証的に検討した。収穫年度ごとに外観・水分・発芽率・胚の活性度・脂肪酸度・アミロース・タンパク質・食味値を求めた。発芽率や胚の活性度・職味値は貯蔵年数とともに低下する。またミクロフローラの顕著な変遷傾向が見られる。
玄米の発根を抑制した発芽を発生させた発芽玄米を製造するため外部物理的環境による発芽特性について検討した。発芽における発芽機構、発根機構それぞれに影響すると考えられる温度、ガス環境、水環境などの外部環境因子について検討した結果、30℃前後の温度、完全浸漬、浸漬水の流動化についての制御条件が決定された。
表面含水率と物質伝達係数を導入した球乾燥モデルを構築し、穀物薄層乾燥への適応性が高いことを明らかにした。乾燥の相似則は、乾燥特性が風速の影響がない薄層の存在が成立要件であることから、風速と物質伝達係数の関係から、風速0.15m/s以上で乾燥の相似則の成立することがわかった。
農産物の乾燥に遠赤外線を利用する目的で、遠赤外線ヒータを用いた乾燥装置を試作し、2〜3の農作物を乾燥して、汎用化、有効性及び乾燥能率等を検討した。サツマイモの乾燥では乾燥能率が高く、品質も市販品と同程度に乾燥できた。もみは乾燥能率を高くすることができたが、品質等の関係で今後検討しなければならない。焼き海苔の実験ではある条件で色、味ともに優れたものができることがわかった。
正月料理の食材として需要の高い丹波黒大豆の収穫後の乾燥について、裂皮や皺を生じることのなく同時に乾燥時間の短縮、熱効率の改善をはかるために、莢での間欠乾燥を提唱し、莢入り大豆、莢および大豆粒子の乾燥特性の解析を行った。その結果、2槽モデルによる乾燥過程の予測が可能であることを明らかにした。
米全体の普遍的な特徴である米飯のテクスチャによる品質評価法を構築する狙いのもと、本報では米飯の水分含量を変化させた試料を用いてその力学的特性に及ぼす試料温度の影響を調べた。その結果、温度が及ぼす米飯の見かけの弾性率の影響は水分含量の低下とともに増すこと、また米飯の粘着力は水分増加と試料温度低下によって増加したことから、米飯の表面の澱粉の水和度によって形成されるものと考えられた。
酪農生産しての中から購入飼料型と自給飼料型の2つを対象とし、それぞれについて単位生産量(産出エネルギー)当たりの使用(投入)化石エネルギーの比(総投入産出比と呼ぶ)を求め、比較を行った。その結果、総投入産出比は購入飼料型で3.7、自給飼料型で1.9であった。また、濃厚飼料の生産・輸送に要するエネルギーの割合は50%前後と極めて高かった。
水素発酵により生成した水素と二酸化炭素を一般家庭で利用可能なメタンに変換した。希釈率0.066h-1、NH4+濃度1.03g/Lの条件で連続的水素発酵により生成された。しかし水素発酵により生成した過剰な二酸化炭素によりメタン発酵槽のpHが低下し、メタン菌の増殖および水素のメタン変換率を阻害させた。
Clostidium acetobutylicumでホエーパーミエートを原料とした発酵を生産物阻害について動力学研究を行った。三角フラスコでの回分培養の結果、阻害定数αとβはそれぞれ1.27、2.91と決定し、PmとP'mはそれぞれ9.58(g/L)、8.67(g/L)と決定した。ブタノールは4.53(g/L)生産されトータルソルベント量は8.01(g/L)であった。
2相式簡易メタン発光装置を用いた中温メタン菌によるスタートアップは、メタン発酵槽内温度が11.5〜15.0℃、外気温8.0℃においてもメタン発酵が可能であることが明らかとなった。地下3mまでの年間温度測定の結果地下1m以下において温度変化が少ないことから地下埋設型も可能である。
アイスポンド容量1200m3、バレイショ収容量約200tの標記システムについて、製氷COP(氷の潜熱蓄熱量/消費電力)、冷房COP(FCUの交換熱量/消費電力)、氷潜熱の有効利用率(FCUの交換熱量の累計/氷の潜熱蓄熱量)、1サイクル期間COP(FCUの交換熱量の総計/期間総消費電力)等を測定し、本システムが現行の電気冷房機と比べ省エネであることを示した。
硫酸源の存在系における硫酸還元菌とメタン生成菌の相互関係と両者の役割について調べた。硫酸塩は系内に共生している硫酸還元菌によって還元され、生成した硫化物はメタン菌のS源となる。硫酸還元菌が阻害されている場合、メタン菌増殖およびメタン生成は減少する。硫酸還元菌は硫酸塩を硫黄源とするCO2とH2資化性馴養メタン菌培養に必要不可欠な要素であると明確された。
本研究は、担体により発酵槽内のメタン菌を固定し、メタン発酵の効率化を図ることを目的に小型実験用発酵槽を用い担体材料の検討を行った。担体としてポリウレタンとポリエステルの2種類を用いた。有機物負荷10.09g/l・day以上でメタンガス生成量に差が見られ、発酵槽有効容積に占める担体の割合が高いほど、メタンガス生成量が増加した。これは担体によるメタン菌の固定の効果によりメタン発酵が良好に進行したものと考える。
北海道東部の湖から採取した汚泥から低温性メタン菌群の分離・培養を試みた。硫酸還元菌の優占的棲息と思われる理由により、低温性メタン菌群を種汚泥として培養できなかった。中温性メタン菌群の粒状汚泥は発酵温度30℃でウオッシュアウトを引き起こしたのに対して、懸濁汚泥は30℃と25℃に対して馴化され、発酵槽の見かけの処理能力は大きく低下しなかった。しかし20℃に馴化されずに、発酵は停止した。
泥の臭気の干渉を制限された培養アオコ含水を供試した官能試験にてアオコの臭気源の特定を試みた。官能試験に妥当であると判断したパネリストを用い、基本臭気試薬と培養アオコの臭気を対比させた結果、培養アオコ含水の臭気は「草っぽい」、「キャベツの腐った臭い」、「泥っぽい」の性格の異なった臭気を持つイソプロピルメルカプタン、メチルメルカプタン、ジメチルジサルファイドの臭気試薬のいずれかに属していると判断した。
「筑紫湖」(霞ヶ浦調整池)から採集したアオコ含有水1Lにジュースミキサーで処理した後、オゾンおよび紫外線を与え、アオコの活性阻止を試みた。ジュースミキサーによる1分間前処理後のオゾン(5%/空気体積)処理ではアオコの活性阻止に対し有効な効果を示さなかったが、紫外線処理では有意な阻止効果をもたらした。