(B1)

プラスチック製通いコンテナの回収と強度の経年変化

秋永孝義・川崎聖司・國府田佳弘(琉球大)

 沖縄県では県内産の青果物の流通の円滑化を図るために通いコンテナが導入されている。包装コストや労力の削減、品質保持などに効果を発揮しているが、破損や目的外使用などによる空コンテナの回収率の低下の問題から事業の存亡が議論されている。そこで、目的外使用の実態、回収の問題点を調査するとともに、コンテナの強度の経年変化を落下試験と圧縮試験で検討した。その結果、強度の低下は実用上問題がないものと判断した。


(B2)

人工ゼオライトのカンキツ貯蔵庫壁材への利用

棚橋保仁・Dorji SANGAY・鶴崎孝(愛媛大)

 水分及びガスの吸着保持機能を有するゼオライトを混入したコンクリート板を貯蔵容器の内側に張り、ウンシュウミカンの貯蔵実験(150hr・繰り返し)を行った。温度、湿度、CO2濃度、果実の重量、果皮色などを測定した。本容器は、器内が過度の高湿になることを緩和すると共に、CO2を吸着すると考えられる結果を得た。対照のコンクリート、ポリスチレンホーム材にはない特性があると思われた。繊維板などへも混入を試行したい。


(B3)

大型強制通風式予冷庫におけるキャベツの冷却

中島教博・伊庭慶昭(宇都宮大)

 近年、キャベツの大型産地では省力のため大型強制通風予冷施設を建設し、集荷したキャベツを翌朝までに12〜14時間予冷した後、出荷している。そこで著者らは、その冷却状況を調査した。キャベツは最も冷却されにくい中心でもほとんどの場所で10℃近くまで冷却され、温度むらも2〜4℃であった。測定結果から、冷風の吹出口に注意し、パレット間にスペースを十分とればキャベツの予冷にはこの方法で十分効果があることが分かった。


(B4)

キャベツの強制通風冷却に及ぼす包装と積載の影響
−IQCによる急速予冷の提案−

椎名武夫・山内宏昭・増田欣也・豊田政一(北海道農試)

 キャベツについて、強制通風予冷による冷却の実態把握と予冷の適正条件の解明のため、無包装、段ボール箱包装、段ボール箱積載の各条件でフーリエの法則に基づく冷却過程の解析を行った。また、機械収穫と共選に対応した包装前の個体急速冷却(Individual Quick Cooling,IQC)による新しい予冷システム、および庫内温度の最適化による予冷の高速化について検討した。


(B5)

農産物貯蔵庫の環境分布特性の解析(2)
−汎用3次元流体解析システムα-FLOWによる庫内気流速の予測−

椎名武夫・山内宏昭(北海道農試)・佐瀬勘紀・奥島里美(農工研)・久保田涼子・小野澤徳夫(富士総研)

 8L×6D×5H(m)の試験用貯蔵庫について、庫内気流の数値シミュレーションを行った。解析は、デカルト座標系およびBFCで、k−ε乱流モデルを用いて行った。シミュレーション結果と、実測および類似施設のシミュレーション結果との比較を行った。


(B6)

雪室による切花の貯蔵

高阪いつ子・東城清秀・渡辺兼五・萩原勲(農工大)

 北陸地方の多降雪地帯では昔から雪室と呼ばれる小規模の貯蔵施設が利用されてきた。今回は最近試みられ始めた雪室による切り花の短期貯蔵について検討した。実験にはバラを供試し、貯蔵試験区として雪室(約0℃)、雪室までの連絡通路(約10℃)、雪室に隣接する居室(約20℃)の3ヶ所を使用して、5日間の湿式貯蔵を行った。呼吸量は通路区では対照区の1/4、雪室区では1/8であった。雪室貯蔵後の花色は貯蔵しないものに比べてやや赤色の発色が遅れる傾向が観察された。


(B7)

野菜の自然保蔵方法の解析と合理化(1)

辻本壽之・小中俊雄・木村俊範・前川孝昭・山口智治(筑波大)・櫻井文海(JICA筑波国際センター)

 発展途上団における野菜の貯蔵を合理化するために、高地等における冷涼な自然環境を活用する簡単な貯蔵方法の可能性について検討した。圃場での白菜貯蔵実験を行い、材料温度の推移や品質指標変化を測定した結果から、藁等による簡易被覆が保蔵期間の延長に効果的であることを確認できた。


(B8)

ナスの品質評価と最適包装貯蔵に関する研究

志賀徹(宇都宮大)・鈴木真理(荒井食品)・齋藤高弘(字郡宮大)

 ナスの収穫後の鮮度保持技術の確立を目指し、温度や外的ガス環境条件の変化による呼吸速度を測定し、貯蔵温度や貯蔵ガス組成及び包装条件等がナスの鮮度劣化に及ぼす影響を検討した。ナスは温度の上昇とともに呼吸量が増加したが、過度なCA条件に対しては外観及び内部の品質劣化が大きく、高CO2、低O2には適応性が低く、温度と湿度が品質に影響する主要な因子であった。


(B9)

温度変動に対する果菜形状の微小変化応答
−キュウリ、ナス、ミニトマトを用いた予備実験−

小綿寿志(食総研)

 貯蔵温度に振幅と周期の異なる変動を与えたとき、減量率および直径減少量に及ぼす影響は3種の果菜で一様ではなかった。直径減少量のハワースペクトルは定温区に比べ温度変動区の方が大きかったが、スペクトルが乱れる環境区があった。野菜の品目により形状変化の応答特性が異なることから、品質劣化ヘの影響が小さい温度変動パターンが存在する可能性があることが示唆された。


(B10)

タマネギの表皮水分の非破壊迅速測定法について

内田進・藤木徳実(佐賀大)

 良質のタマネギを供給するには、収穫後のタマネギの乾燥が重要な要因となる。ここでは、市販の可搬型近赤外水分計と色彩色差計を用いて、タマネギの表皮水分を測定する方法について検討した。その結果、水分計および、色差計のみでは推定精度が勧めて低く、両者の重回帰式で示すと相関係数が0.76まで高められた。さらに精度をあげるために水分計の赤外線吸収率に影響するタマネギの曲率半径を考慮した式を提案した。


(B11)

青果物呼吸モデルの構築と包装内ガス組成解析への適合性

疋田慶夫・安部武美・T.M.Afzal(愛媛大)

 前報(平成8年度農業施設学会講演要旨、60-61)に継続した研究結果として、温度と呼吸環境の酸素濃度を変数とする呼吸モデルが提案され、モデルを包装内ガス組成の解析へ適用した結果が述べられた。
 酸素濃度と青果物の酸素吸収速度の関係には比例関係が得られ、呼吸速度定数が導入された。呼吸速度定数と温度の関係はArrheniusの式に従った。これらの結果に基づき、伊予柑、ネーブル、イチゴ、キュウリの呼吸モデルが示された。イチゴを包装保存したときの、小袋内ガス組成の実測値と推定結果が示された。


(B12)

環境ガス組成が野菜類のガス代謝に及ばす影響の解明(2)
−流気方式による代謝測定における測定精度に関する考察−

椎名武夫・山内宏昭(北海道農試)

 開発した流気式の代謝解析装置について、測定精度に影響を及ぼす、(1)ガス分析精度、(2)通気ガスの濃度変化、(3)入気と排気のガス濃度差の大小、(4)通気流量の測定精度などの要因、および、測定精度の向上のための方策について検討した。その結果、酸素濃度を制御した条件下で、青果物の酸素吸収速度の測定が可能となった。


(B13)

環境ガス組成が野菜類のガス代謝に及ぼす影響の解明(3)
−酸素濃度に対する青果物の代謝応答の温度依存性−

椎名武夫・山内宏昭(北海道農試)・Ratiporn Haruenkit(モンク王工科大、タイ)

 メキャベツ、スィートコーン、アスパラガスの3種類の野菜について、酸素濃度と温度が酸素吸収と二酸化炭素排出に及ぼす影響を解析した。酸素濃度の低下に伴って呼吸速度比が低下した。5〜15℃では、温度が高いほど酸素濃度の低下に伴う呼吸速度比の低下が著しい。


(B14)

Development of an Automatic Peeling Machine for Mango Fruit

Junn-Fu Hsieh・Takaaki Maekawa(Univ.of Tsukuba)

    The Ivwin variety mango was examined. The maximum peeling efficiency reached to 96%, peeling rate reached to 140kg/h (the conveyor circulating speed was 0.8m/min, knives plate was 160rpm. The peeling speed was six times of hand peeling.


(B15)

ケニアにおける豆類の貯蔵と流通

オジジョ N.K.0.・木村俊範(筑波大)・小疇浩(ジョモケニヤツタ農工大、ケニア)

 アフリカの諸国では、食材としての豆類は重要であり、その流通、加工過程における品質保持問題は食料自給をも左右する課題にもなる場合がある。本研究では、ケニアにおける豆類の生産と貯蔵・流通実態を調査し、その問題点を抽出して品質保持にかかわる技術的諸問題解決の方向性を検討した。


(B16)

食品の解凍状態の評価
−インピーダンス・スペクトロスコピィの魚肉への応用−

北村誠(島根大)・豊田淨彦(神戸大)・田川彰男・内山均(東京農大)

 魚肉の解凍状態の評価にインピーダンス・スペクトロスコピィを適用するため、インピーダンス特性やドリップ・硬度等の物性を測定した。3つの解凍条件(パーシャル、流水、室温)間で、魚肉の物性には有意差が認められた。またオス肉については硬度とドリップの間で負の相関が得られた。一方インピーダンス特性は全て直線的であり、Cole-Cole型の円弧は示されなかった。


(B17)

等価流動抵抗を考慮した施設内の気流解析手法

田中晃(日立プラント)・田中俊一郎・田中史彦(鹿児島大)

 農産物充填層などの流路障害物を有する子冷、冷蔵施設内の気流分布を予測する手段として、等価流動抵抗を考慮した二次元の等温乱流(標準 k-e モデル)解析手法を導入した。本手法の有効性を模型実験装置を用いて検証した結果、流路障害物を考慮した施設内の速度や風向分布の計算値は実験値とよく一致した。


(B18)

一輪ギクの品質評価に関する研究(1)
−専門家による評価とその評価指標−

近藤直・門田充司・後藤丹十郎(岡山大)

 本研究では、人間の感覚という曖昧な評価基準で行われているキクの品質評価の定量化を目的とし、専門家の評価決定因子について考察した。形態的特徴の異なる一輪ギクを、専門家が評価した結果、人によってその結果に大さな違いが見られた。また、同一人による複数回評価においても差が見られた。専門家の評価指標は、草丈、主茎径、葉及び、花の色、葉と花のバランス、うらごけ、節間長、花首長等であることがわかった。


(B19)

一輪ギクの品質評価に関する研究(2)
−ニューラルネットワークを用いた評価−

近藤直・門田充司・後藤丹十郎(岡山大)

 前報で計測したキクの特徴量と専門家の評価との関係を求め、比較的相関が高いと判断された葉部面積、草丈、主茎径、花首長および第1葉の全長を評価決定因子としてニューロに入力した。同時に、専門家の評価結果を教師データとしてカルマンフィルタを用いて学習させ、評価を行った。その結果、ニューロの評価結果は専門家の評価によく追従し、人間の曖昧な評価を定量化できることが明らかになった。


(B20)

カーネーションの強制開花に関する研究(2)
−光環境が開花速度および品質に及ぼす影響−

水口聡・渡辺久・川崎哲郎(愛媛県農試)

 処理中の光環境だけを変えて強制開花させたカーネーションにおいて、満開時の花のサイズおよび花弁や葉の色調に顕著な差異はなかったが、花持ち日数に興味深い傾向が認められた。すなわち、24時間連続で光照射するより明期と暗期を設ける方が花持ち日数が長くなり、さらに、一周期当たりの明期と暗期の時間が長いほど花持ち日数が長くなることが明らかとなった。


(B21)

ヤシ殻活性炭がシクラメンの生育に及ぼす影響

武永順次(農工大)

 シクラメンの育苗時にヤシ殻活性炭を処理した以降の生育推移について検討した。
 ヤシ殻活性炭を処理してシクラメン苗を育成すると無処理に比べて葉数と花蕾数並びに開花数が増加する傾向が見られた。総生体重もヤシ殻活性炭の処理が無処理に比べて増し、また総葉面積も大きい傾向を示した。
以上、ヤシ殻活性炭はシクラメンの生育を促進する作用が認められた。


(B22)

散水量削減のための散水冷房温室の最適制御

小林有一(農工大)・志賀徹・齋藤高弘・藤重宣昭(宇都宮大)

 地下水を低温水源として利用する顕熱利用型の冷房システムは、大量の地下水を必要とすることが普及の妨げとなる。散水量を削減する目的で、内気温を夜冷育苗処理に最適な温度に制御した。内気温の制御方法としてon/off制御と、散水量を負荷に合わせて調節する適応制御を行った。両制御とも目標温度の19℃に対し、内気温が精度良く制御され、夜間には散水量が削減出来た。


(B23)

ハウス内土壌水分の制御システムの開発研究(1)
−土壌水分の変動予測−

川上卓男・中野和弘・大塚雍雄(新潟大)・本間利光(新潟県農総研)・大田達之(インテリジェントシステムズ)

 ハウス内において土壌水分の目安とされるpF値と日射量、気温、湿度から求めた重回帰式を用いて、pF値の経時変化の予測モデルを検討した。その結果、pF値の予測値と実測値はほぼ一致して変動することが示された。


(B24)

水耕培養液中の病原菌制御のための膜ろ過装置の開発

金子明子(筑波大)・大谷敏郎(食総研)・福田直也(筑波大)・佐瀬勘紀(農工研)・高柳謙治(筑波大)

 トマトの湛液水耕栽培における培養液中の病原菌(トマト青枯病菌)を除去するため、精密ろ過膜を使用した培養液ろ過法について実験を行った。その結果、除菌能力と目詰まり防止を考慮すると、孔径0.3μm程度の膜が適当であった。また、栽培実験では、除菌処理をしない区よりも菌の増殖を低く抑え、発病が遅延された。


(B25)

移動式トマト栽培システムに関する研究(1)−生産システムの試作−

池田英男(大阪府大)・増山伸光・岩本恒男(誠和)

 省力化、軽作業化、作業環境の快適化、高生産性等を目的として、家庭電気製品などの生産工場で見られるような生産ラインを想定したトマトの移動栽培システムを試作し、基本的技術を完成した。


(B26)

フエンロー型温室の風洞実験による風力換気時の気流の可視化

奥島里美・佐瀬勘妃(農工研)・池口厚男(畜試)
前川孝昭(筑波大)・五十部誠一郎・邱国玉(農工研)

 フェンロー型温室について軒高や換気窓の開閉と換気特性の関係を明らかにする、風洞模型による風力換気時の可視化実験を行った。その結果、温室外部および屋根部を除く内部については循環流や逆流、剥離流等の定性的な気流性状を把握することができた。


(B27)

園芸用プラスチックハウスの風害発生の現況とその特徴

豊田裕道・森山英樹(農工研)・瀬能誠之・前川孝昭(筑波大)

 ハウス全体の挙動を考慮した構造設計法を検討するため、台風によるハウスの被災状況について、沖縄と千葉県での調査を行った。この結果、平坦地ではハウス骨組み倒壊やパイプ基礎部の浮き上がりが見られ、斜面部のハウスでは上方向からの力によると考えられる屋根面の変形、基礎部の沈下がみられるなど、立地配置による被害状況の違いが明らかになった。


(B28)

農林漁業体験民宿に関する調査研究

瀬能誠之(筑波大)・大川暢一郎(福岡県)

 わが国のグリーン・ツーリズム展開の基盤条件である農林漁業体験民宿について調査研究を行った。民宿経営、利用形態など17項目に関する分析を行い、(1)農家民宿の問題点、(2)農林漁業体験民宿の経営上の問題点、(3)地域的取り組みの課題、について言及した。今後の大きな課題として、農山村地域の協力態勢づくりと農林漁業体験民宿の整備とその経営の安定化が重要であると指摘した。


農業施設学会