フライアッシュ系土壌硬化材でパドックの泥ねい化防止を図る際の、適用土壌、混合率などを、農家パドックでの試験施工と土質試験を行って検討した。有機物含有量が少なく、粒度の粗い砂質土に75〜100kg/m3以上の硬化材混合率と施工厚20cmを確保すれば、3年程度の泥ねい化防止効果の持続が期待できると判断された。
つなぎ牛舎では乳牛の起立横臥パターンは管理作業に制約され、マットレス設置前後で大きな変化はみられなかったが、牛床毎の横臥時間割合は設置後高くなり牛床改善効果が認められた。フリーストール牛舎では、マットレス設置により平均横臥頭数および横臥率が増加し、牛床毎の横臥時間割合も増加した。連続横臥時間は48分から設置後73分へ延長されマットレス設置により高い牛床改善効果がみられた。
豚舎内の臭気の発生量の推定、臭気軽減のための必要換気量の推定を行った。気温0℃、気流速0.2m/sで推定した場合、換気回数は13回/hとなり、冬季の臭気軽減を目的とした換気は不可能である。気温30℃、気流速0.2m/sのときの臭気軽減のための換気回数は44回/hであり、この換気量も暑熱時の豚舎の換気量推定値を遥かに超え、単純な換気によっての臭気軽減は不可能である。
無窓採卵鶏舎を対象として超音波噴霧器を用いた植物性油噴霧により舎内で粉塵をトラップする方法について検討した。菜種油を乳化剤(レシチン)で水に溶かした、2%(重量比)の水溶液を14g/head day散布した場合、2mm未満の粉塵濃度は、試験区と対照区で有意であり約42%減少し、噴霧後1日経過しても効果が持続した。10mm以上30mm未満の大きい粉塵も有意差があり、約50%減少させることができた。
生活排水路に浄化施設(積層網状体および多孔性コンクリートブロック)を設置、脱窒菌固定化担体を封入し廃水浄化能力を評価した。窒素源については,NO3−NおよびNO2-Nはそれぞれ60%および79%の平均除去率が得られたがNH3-Nの除去能力は見られなかった。炭素源については、98年1月〜2月の平均除去率はBOD 45%、COD 58%,TOC 52%であり担体の生物的な作用と考えられた。
ターンテーブル式MBCRを用いて脱窒処理を行った。固定床型に比べて、高負荷での連続運転を安定して行うことが出来た。運転性能は窒素負荷量107.2mgN/l/hrで定常的に除去率90%以上で、HRT1.4時間以上では100%近くの除去が可能であった(流入硝酸態窒素100mg/l)。ターンテーブル式MBCRでは、定期的に磁界の方向を変化させることでカラム中の磁性担体が移動し、カラム中の閉塞を防ぐことが出来る。
糞尿処理方式の異なる3酪農場において、3つの指標(経済性、化石エネルギー収支および窒素収支)に関してデータを収集し、[投エネ/所得]比、[窒素負荷/所得]比などの複合的指標を求めた。この方法により、環境などに配慮した施設の比較評価が可能となった。
牛舎から排出された糞尿をバーンクリーナー搭載型ローラープレス式固液分離機で分離し、分離液を約30日間累積貯留ならびに曝気処理を行い、曝気槽が満杯になった時点で塩化ビニールフィルムバック型貯留槽に貯留した。運転が安定した時点では1日の送気量約500m3、通気時間約3.5時間で液温を50℃に維持することが出来た。投入固形分は約9%で曝気槽では約4%に低下した。
ふん尿混合物を攪拌・曝気して好気性発酵を促進し、散布時における悪臭の低減技術を開発するため、通気量(0.6〜1.4L/min/DMkg)、通気方法(24時間連続通気、12時間間欠通気)、外気温度(13.7〜26.1℃)などが発酵に及ぼす影響について検討した。発酵時の液肥の平均温度は外気温度に大きく影響され、外気温度が低いほど発酵温度が低いが、乾物分解率が大きい傾向を示した。
生活廃水レベルの低濃度アンモニアの新しい除去方法としてMAP晶析法を検討した。20mgN/Lの濃度までアンモニアが除去されることが確認され、種晶なしの状態でマグネシウムイオン濃度、リン濃度が0.02mg/Lのとき20mgN/Lのアンモニアが最高で75%除去された。
実規模施設において、ホタテウロ、イカ内臓、野菜クズの分解処理を行った。これらの農漁業廃棄物344tは、杉材チップを充填した630m3の発酵槽を使用した高温・好気法により2ヶ月間で分解された。発酵槽内の温度は45℃〜70℃、pH値は7.8〜8.3の範囲内を保った。
廃棄物の投入により発酵槽内の灰分含量は増加したが、槽内の容量は増加しなかった。投入された有機物は86.5%が分解され、廃棄物は97.2%が減量化された。
本研究ではコンポスト資材の有効熱伝導率を測定し、その固相率、体積含水率依存性を検討した。
その結果、有効熱伝導率は、体積含水率のみに依存して値が増加することが確認された。固相部の熱伝導率、気相部の熱抵抗、さらに、異相間の熱抵抗などの要因により、有効熱伝導率に村する固相率増加の影響は相殺されてしまい、体積含水率のみに依存していると考えられた。
生物系廃棄物の堆肥化反応に及ぼす酸素供給速度の影響を調べた。その結果、反応速度を高く保つためには3.6g・h-1・kg-vm-1以上の酸素供給速度が必要であることが明らかになった。反応の質は酸素蹟度約4.3%vol.を境界に変化した。酸素供給速度は供給ガス酸素濃度が約4.3%vol.以上であれば、ガス流量と供給ガス酸素濃度を包括した指標として利用可能であることが確認された。
メタン発酵システムによる豆腐おからのエネルギ資源化を目的として、液化豆腐おからの実験的処理を嫌気性接触型リアクタにより行った。実験の結果、pH緩衝プロセスの適用、リアクタ内反応環境(pH、攪拌)の改善、低有機物負荷の設定、液化プロセスにおける有機酸変換効率の向上等が、メタン発酵システムによる豆腐おからのエネルギ変換系成立の条件として明らかになった。
ロックウールを固定床としたメタン発酵槽のアンモニア(NH4+,NH3)の阻害および回復特性を調べた。その結果、発酵糟へのアンモニアの影響はアンモニア添加濃度、添加方式、水理滞留時間(HRT)および発酵槽の有機負荷によるものであることが判明した。
中温メタン菌を低温域に馴化し、栄養塩を包括した担体の表面にメタン菌を付着させてメタン薗の密度と活性を高く維持するメタン発酵槽により、廃水の処理能力を高める実験を行った。高分子を用いて栄養塩を包括し、その表面にメタン菌を付着させることで、メタン菌密度とメタン活性が増加した。栄養塩の濃度は1000倍で、担体の充填率は10%が最も適している。メタン活性は温度5〜25℃の範囲で、懸濁培養の4.5〜5.8倍となった。
本研究は前川・張らにより嫌気実験管で酢酸を基質とするメタン発酵への微量金属塩濃度の影響を研究した上に、3.7Lの嫌気性培養ジャーフアーメンタリアクタを用いて従来の微量金属塩濃度(0.1ml/L)と15ml/Lの高微量金属塩濃度における酢酸分解系馴養メタン菌の半連続培養を行い、メタン生成量およびメタン細菌の増殖を比較し、微量金属塩濃度の最適化によって高効率畜産廃棄物からメタン発酵への効果を求めた。
酢酸馴養メタン菌とプロピオン酸馴養メタン菌を用いて、半連続式実験を行い、酢酸濃度による両種類馴養メタン菌のプロピオン酸消費速度への影響、プロピオン酸と酢酸を同時に存在した場合のメタン菌の挙動を検討し、酢酸とプロピオン酸のメタン生成に相互作用を究明した。
酢酸馴養メタン菌とプロピオン酸馴養メタン菌と言う異なる菌種を用いて、半連続投入式実験を行い、プロピオン酸濃度による両種類馴養メタン菌の酢酸消費速度への影響、プロピオン酸と酢酸を同時に存在した場合のメタン菌の挙動を検討し、それぞれのメタン菌に対する阻害濃度を求めた。
実用規模の精密ろ過膜を用いた水耕培養液除菌装置を試作し、トマトを水耕栽培しながら検討したところ、低コストでメンテナンスフリー、さらに十分に実用的な耐久性と操作性があることが明らかになり、養液をほぼ完全にクローズド化できる見通しも得られた。
単棟フェンロ型温室における風力換気時の気流性状について風洞模型実験により調べた。その結果、最も風上側の天窓では流入が卓越しており、開口部正面中央での気流速は、それ以外の天窓列の開閉条件が異なっても大きな違いはなかった。最も風下側の天窓の開口部正面では流入が卓越していたが、開口部側面では逆に流出している等、複雑な空気の流れも明らかとなった。
温度を一定に制御しながら液体試料の短波長域のスペクトルを透過法により測定する方法を確立した。牛乳成分分析に応用した結果、良好な結果が得られた。また、スペクトル測定の作業性を向上させるため、それぞれ別の試験管を用いる方法をも考案した。
かんきつ貯蔵庫の壁材として吸湿保持機能がある人工ゼオライト混入材容器を製作してイヨカンの貯蔵実験を行った。ボード(ゼオライト混入)はPoly板とほぼ同じ温度変化で、保温・断熱効果があると考えられた。ボードは平均97.5%の高湿度で安定していたが、Poly板は99%以上の過湿状態が続き、果実面に水滴が観られた。試作ボードは水分の吸着保持に効果があると共に、保温機能も有すると思われ、貯蔵庫壁材への利用が考えられる。
本研究では、畜舎建築物における屋根上積雪状況の観測調査を行った。その結果、屋根勾配を有する畜舎においては、滑落雪現象が発生するために屋根上積雪深が地上積雪深より小さな値となる。しかし、屋根勾配が緩やかな場合や暖房を行わない畜舎においては、滑落の発生に要する期間に数十日を要する事例が観測された。
本研究では、畜舎建築物で発生する滑落雪現象と温度との関係について検討した。その結果、滑落雪現象は、屋根葺材の裏面温度が0℃以上、もしくは外気温が0℃以上となった場合に発生することが明らかとなった。このことから、滑落雪現象の発生する畜舎建築物では、温度を指標として積雪荷重の評価が可能であると考える。
本報では、滑落雪現象を考慮した積雪荷重の評価方法を確立するために、外気温を指標として滑落雪現象の発生に要する期間、およびこの期間内の積雪荷重を算出した。その結果、算出した滑落雪現象の発生に要する期間はいずれの地点で7日を上回るものの、各観測地点で算出した滑落雪現象の発生に要する期間を考慮した積雪荷重を用いることで、滑落雪現象を考慮した積雪荷重の評価が可能であると考える。