(B1)
施設栽培における炭酸ガス施用チューブの開発
藤重宣昭・佐藤洋一(宇都宮大)・田代操(白楊高)・山田敏仁(液化炭酸)
チューブによる作物への少量施用を目的にして、ガス吐出圧0.4 [kg/cm3]、流量0.1 [liter/min/m] の最小条件で全面放出型の積層チューブを考案した。CO2施用効果を水耕ホウレンソウで検討した。ベッド周辺の外列で生育が大であったが、積層チューブ区ではチューブに近接した内列での生育が増加し、量外列との間の生育差が小さくなった。
(B2)
中国における省エネルギ施設作物生産システムに関する研究
−在来型「日光温室」について−
山口智治(筑波大)・陳青雲(中国農業大)・畔柳武司(筑波大)
中国では、近年、施設園芸と野菜生産が飛躍的な発展を遂げてきた。この進展に、在来型「日光温室」が大きな役割を果たしてきた。日光温室とは、特殊な貯熱・保温構造を持ち、最低気温が-20℃の中国北方の冬季においても無知温で野菜を栽培する園芸施設である。その構造、環境性能、発展状況ならびに今後の研究展開について報告した。
(B3)
イチゴの快適栽培システムの試作
奥島里美・佐瀬勘紀(農工研)・崎山一・成川昇(千葉農試)・邸国玉(農工研)
イチゴの快適栽培システムとして,移動式の高設2段ベンチを試作した。上下段での採光差の問題を生じることなく約1.5倍まで植栽密度を高めることができる。また、作業者は温室中央部の作業ゾーンに座ったままで、作業を行うことができるなどの利点をもつ。実際に栽培を行った結果、養液の供給方式等、いくつかの問題点が明らかになった。
(B4)
風洞模型実験によるフェンロ型温室内の温度分布
奥島里美・佐瀬勘紀(農工研)・前川孝昭(筑波大)・池口厚男(畜試)
高軒高の多達棟フェンロ型温室について、温度差換気及び風力換気と温度差換気が併存する場合について風洞模型実験により温室内部の温度分布を測定した。その結果、有風時、無風時ともに、風上側の方が風下側より気温が高い分布となった。実物換算風速が1m/sの場合、部分的に無風時の場合よりも気温の高い領域が現れた。さらに風速が大きくなると、気温は低下した。
(B5)
温室内暑熱環境の実態
−冬期温室内におけるWBGTについて−
奥島里美・佐瀬勘紀・邸国玉(農工研)・林泰正(ESD)
茨城県つくば市の農業工学研究所2連棟ガラス室において、運動時の熱中病発生指標として用いられているWBGT(Wet Bulb Globe Temperature)を測定した。その結果、温室内では冬期でも晴天日には、10時〜15時にかけて、熱中症による死亡事故が発生する可能性がある注意レベルのWBGTが発生していることがわかった。また、温室内気温とWBGTは相関が高かった。
(B6)
ハウス土壌の塩生化・酸性化
−ハウス土壌の現状分析一
癸生川絵里・山口智治(筑波大学)
1990年より塩類集積に関する調査を行っているつくば市の栽培利用経過年数16年のハウス土壌について調査分析を行った。本報では、ECによる塩性化調査に加え、とくに酸性化による生育障害の潜在性を検討するため、酸性強度因子と容量因子すなわちpH(H2O)、pH(KCl)、pH(CaCl2)のpH3種と交換酸度Y1について、トマト・キュウリ輪作栽培期間中において経時的に分析した。
(B7)
養溝循環栽培のための電気加熱式養液殺菌装置の開発
李公仁(韓国農業機械化研究所)
固形培地で養液栽培する場合に排出液を加熱処理により確実に効率よく殺菌し,再利用する目的で、電気加熱式用養液殺菌装置を試作し.その実用性を検討した。 70℃、90℃処理区では供試した全ベての病原菌が完全殺菌された。加熱処理による多量およぴ微量要素の養液成分の不容化は認められなかった。以上より.加熱殺菌装置を用いることで養液栽培での排出液の再利用が可能となり、資源環境保全およぴ経済性面での改音が期待できる。
(B8)
台風7号(1998)による果樹施設の被災事例について
奈良・和歌山県下のハウス調査による
松島健一・森山英樹(農工研)・豊田裕道(九州農政局)
奈良・和歌山県下には規模の大きな柿用ハウスが多く建設されており.台風7号(1998)によるこれらの施設被害は著しかった。調査結果から、ハウスの被災事例に基づいて倒壊パターンを分類し、倒壊の要因について考察を行った。その結果、基礎の強度不足、接合部の強度不足が大きな要因であることが、また形状の異なるアーチ型ハウスと平張りハウスでは倒壊形態の違いが認められた。
(B9)
ハウス内土壌水分の制御システムの開発研究(3)
中野和弘・水野忍・大塚雍雄・石割久晶・斎藤貞文(新潟大)
ハウス内土壌水分のファジイ制御の適応性を実験的に検討した。ファジィ制御区はpF値のやや高い期間があったためその後の生育と収量への影響が心配されたが、収量、品質、収入に関して他の2区と同等かそれ以上の結果であったこと、潅水量は慣行区より30%も節水できたことなどから、ファジィ潅水制御はハウス栽培において有効であることが示された。
(B10)
植物工場におけるHACCPプラン作成例
豊田淨彦(神戸大)・田本均(川鉄ライフ)・北村豊(島根大)
断熱型二重トラフを用いたNFT方式の水耕栽培によりリーフレタスを生産する植物工場を対象に、食品の衛生・品質管理システムであるHACCP方式の適用を検討した。施設内の環境は防虫設備とエアーウォツシャーにより、外部と生物的に隔離され、無農薬栽培を前提にしている。各工程における微生物的危害の要因は環境と作業者でありその多くは一般衛生管理により制御可能と考えられる。
(Bll)
キクの真空予冷に関する研究
秋永孝義・川崎聖司・松嶋卯月(琉球大)
沖縄県では切花用の真空予冷装置が既に10年近く運転されている。しかし、ときおり市場から花弁に傷みがあると指摘されている。そこで、真空予冷した小萄「芳香」の品質評価と貯蔵実験を行って、花弁に損傷を与えない運転条件を検討した。その結果現行の5mmHg25分の予冷では花弁に傷みが発生することが確認されたので、実用的な条件として10mmHg35分を提案し、貯蔵実験で実証した。
(B12)
低温貯蔵がカーネーション切り花の品質および糖含量に及ぼす影響
水口聡・渡辺久・川崎哲郎(愛媛農試)
現在カーネーションの出荷調節のために一般的に行われている低温貯蔵が、開花後の品質や糖含量に及ぼす影響を調べた。その結果、5℃で1週間貯蔵することにより、花径および花持ち日数に品質低下が生じることが明らかとなった。また、これらの品質低下は低温貯蔵個体の糖含量が適期収穫個体のものより少ないことに起因しているものと考えられた。
(B13)
MA貯歳時におけるキウイフルーツの品質変動
Ahmad Addo・咲山諭子・佐竹隆顕(筑波大)・大森定夫(生研機構)・前川孝昭(筑波大)
収穫後の青果物の品質保持を目的としたフィルム密封貯蔵(MA貯蔵)におけるキウイフルーツの物理・化学的特性の測定を行った結果、ガス低透過性フィルム密封包装ならびにエチレン除去剤が果実の品質保持に有効に作用することが各測定結果および食時の官能評価試験により明らかとなった。
(B14)
赤色発光ダイオード弱光照射CAの家庭用
冷蔵庫ヘの適用(予報)
富士原和宏(東大)
家庭用冷蔵庫、特に家庭用冷蔵庫の青果物専用冷蔵用小室に、赤色発光ダイオード弱光照射CAを適用することで、現在市販されている家庭用冷蔵庫におけるよりも緑色青果物の鮮度保持期間を大幅に延長可能であると考え、実用化を目指した研究を開始した。ここでは、適用のための基本的要件、光源、光源の設置位置および青果物表面における光強度について、整理・検討した。
(B15)
CHARACTERIZATION OF TEXTURAL CHANGES IN SOYBEAN COTYLEDONS SUBJECTED TO ACCELERATED STORAGE
Ojijo, N.K.0., T.Kmura, N.Shimizu and H.Koaze
Fresh soybean sarnples were subjected to an accelerated storage regime to induce hard-to-cook (HTC) defect. The stored samples registered a five-fold increase in hardness after 3 months. This was attributed mainly to the formation of new softening substrates. Four softening substrates were identified on the graphs of peak compressive force verses.
(B16)
密度とインピーダンスによる複合選果技術の開発
−スイカの密度と電気特性による肉質障害果の判別−
加藤宏郎(京大)
スイカの肉質障害果を判別するため電気インピーダンスと密度を測定した結果ウルミ(煮え)果は密度が高くインピーダンスが小さかった。非破壊測定にはマルチ電極を用い内部果肉の2周波抵抗比を計算で求めた。果実密度と非破壊計測による2周波抵抗比を組合せた判別分析の結果、正常果とウルミ果の分布に明確な相違が見られ、密度と抵抗比の複合計測でウルミ果を判別できた。
(B17)
青果物共選プラントシミュレータの開発
−等階級自動割付方式の箱詰め工程について−
都甲洙・相良泰行(東大)・原田晃男(ナベル)・川西啓文・森島博・福重直輝(日大)
本研究は青果物共選プラントにおいて、新システムや操業法の改善指針を検討するために、等階級自動割付け方式箱詰め工程の共選プラントをモデルとして、人−機械糸のシミュレータを開発し、このシミュレータで実際の操業状態を精度良く再現できることを確認した。
(B18)
シミュレーションによる青果物共選プラントの合理化計画
−等階級自動割付方式箱詰め工程の事例−
都甲洙・相良泰行(東京大)・原田晃男(ナベル)・川西啓文・森島博・福重直輝(日大)
本研究は等階級自動割付方式箱詰め工程の共逮プラントをモデルとして開発された「等階級自動割付けシミュレーション」により、人−機械系の操業状態を把握し、この結果に基づき共選プラントの合理的な操業法の指針を提案することにある。
(B19)
常鶏卵の非破壊検出法に関する研究(2)
中野和弘・大塚雍雄・正岡超・笹岡聖史(新潟大)
褐色卵における血卵検出の可能性について、可視光域の透過光画像を収集し、各波長の透過率を用いて検討した。ある波長に対する透過比率をしきい値とすることにより、正常卵の判別率は95%、血卵の判別率は90%であった。ニューラルネットワークによる判別率は、それぞれ99%、97%であった。
(B20)
極微弱発光の画像計測による品質評価の可能性
−未熟米の微弱発光−
萩原昌司・大谷敏郎・小川幸春(食総研)
本研究は極微弱発光計測を用いた、新しい農産物の品質評価技術の確立を目的としている。コメから自発的に放出される「極微弱発光」の画像計測を行った結果、正常な精白米に比ベ白濁した未熟米の発光量は約1.7倍多いことが分かった。同一の試料で測定した脂肪酸度の分析結果も未熟米は精白米より1.4倍高く、極微弱発光の測定による簡易な品質評価の可能性が示された。
(B21)
メタン発酵システムによる厨芥のバイオガス変換(2)
−高濃度有機酸スラリー生成に関する比較研究−
賈俊業・北村豊・蒋偉忠・倉林宏行・藤浦建史(島根大)
モデル生ごみ(厨芥)スラリー(TS:0.72%)を原料とする完全混合型酸生成プロセス(CSTR)からの流出スラリーでは、バイオガスの基質となる有機の濃度が低かった.そこでモデル生ごみスラリーを濃縮してリアクタに投入する方式と流出液の未分解固形物をリアクタに返送する方式を考案し、その比較研究を行った。その結果、従来よりも高濃度の有機酸スラリー生成が見込まれた。
(B22)
Dry Methane Fermentation System for Livestock Manure (1)
Jiang, W., Y. Kitamura, Jia, J., N. Ishizuka (Shimane Univ.)
A set of experiments was carried out to develop the Dry Methane Fermentation System to treat non-or low water-diluted livestock manure. VA, pHs, TS and VSS in the mixture of manure and anaerobic sludge with variable concentrations were tested at 36±1℃ being treated by Rotational Drum System. The organic acids decreased with increasing in water-dilution, and 39-49% organic solids were degraded and gasified in batch fermentation for 25 d.
(B23)
フスマを原料とした太陽光発電併用メタン発酵システムの評価
織田敦・笈田昭(京大)・山崎稔(近大)
小麦製粉時の副生物であるフスマをメタン発酵によってエネルギ変換するシステムを構築した。システムの稼動に要する補助エネルギは太陽光発電によって補う方式を採用し、通年で外部からのエネルギ投入を必要としない、廃棄物処理とエネルギ生産を両立させたクローズドシステムを完成させた。
(B24)
NADPおよびNADHによるメタン菌活性の測定
井原一高・前川孝昭(筑波大)
メタン発酵におけるメタン菌活性の指標として、菌体内に含まれるNAD(P)Hを専用センサを用いてオンライン計測した。酢酸を基質とし合成培地を用いた運転で、スタートアップ後、メタン生成の立ち上がりよりも早くNAD(P)Hの上昇が見られた。
(B25)
複合的指標による十勝地区と釧路地区の酪農生産システムの比較
干場信司・河上博美・野田直行・森田茂(酪農大)・野田哲治(JA浜中町)・池口厚男(畜試)
北海道の草地酪農地帯である釧路地区と畑酪地帯である十勝地区のそれぞれ一町村を対象として、酪農生産システムを経済性のみに偏らずに、エネルギーや窒素負荷も放えた3指標、および、それらを組み合わせた[投エネ/所得]比や[窒素負荷/所得]比などの複合的指標を用いることにより、総合的な評価・比較を試みた。
(B26)
草地酪農地帯のH農協所属農家群の多面的評価
−家畜の健康と人間の満足感を加えて−
河上博美・干場信司・獅子原彩・森田茂(酪農大)・野田哲治(JA浜中町)
徳川直人(東北大)・久保田学(NOSAI標茶支所)・池口厚男(畜試)
昨年と同様の地域を対象とし、経済性、エネルギー利用、窒素負荷の3指標に、新たに家畜の健康および人間の満足感を加えた複合的評価した。家畜の健康は、疾病の発生回数を調査することにより、また、人間の満足感は、アンケート調査により求めた。
(B27)
ブドウの乾燥を目的とし太陽乾燥システムに関する研究
−ブドウの乾燥特性と品質変化−
青木秀敏(八戸工業大)
自然太陽光に近い波長を持つ陽光ランプを用いてブドウの乾燥特性と品質変化を測定し、温風乾燥法の場合と比較した。その結果、太陽乾燥法における乾燥速度は乾燥初期こそ温風乾燥法の場合より小さいが、乾燥後半から大きくなった。これについては、水蒸気の透過抵抗となる果皮の収縮硬化する度合いが、伝熱形態の適いによって変化するためと考えられる。
(B28)
木材炭化によるエネルギ変換技術の開発
小林有一・柏嵜勝・竹永博(宇都宮大)
木材を炭化する過程において、熱エネルギの効率的な投入方法を検討するために、炭化装置を試作して実験を行った。供試材料として調整コストの抑制ならびに未利用資源の有効利用を目的として、炭への利用が少ない針葉樹(スギ)を角材で用いた。加熱実験により、温度、発生ガス濃度を指標に、炭化の過程を計測した。試料の乾燥は大きさと比例傾向にあるが、炭化は試料の大きさが大きな物の方が速やかに進行する傾向を示した。
(B29)
放射冷却を用いた坪モデルの冷却実験
−異なる被覆材下における放射冷却の効果−
小綿寿志・後藤眞宏・奥山武彦・佐瀬勘紀(農工研)
大気放射冷却による青果物の直接冷却を想定し、4種類の被覆材を展張したテント内にモデル球を設置し、放射冷却による冷却の効率に及ぼす被覆材の影響を測定した。実験結果を1)テント内放射収支量、2)被覆材による長波放射透過の違い、3)冷却における放射冷却の寄与率、4)キャベツの品温低下量の推定、5)被覆材の保冷性の項目で解析した。