農業施設研究会設立趣意書
近年、社会的ならびに経済的情勢は著しく変化し、農業もまた、それに対応した自らの体質改善を迫られていることは、御承知のとおりであります。
体質改善の指針としては、農業の機械化はいうまでもなく、さらに進んで農業施設の導入、つまり農業施設化の必要性が、広く農業関係者の間で強調され、農政の側にあっても農業構造改善事業、農業振興地域整備法等を通じて、実際に農業近代化施設の建設を推進しつつあります。
このように農業生産体系において、農業施設が不可欠のものと認識され、各地に農業近代化施設が出現し始めるにつれて、その計画、設計、施工および管理運営に関する体系的資料を求める声が高まり、農業施設化への道を切り拓く研究の推進が各方面から要望されるに至りました。
農業施設は、種子センター・育苗センター、農業機械格納庫、農業倉庫、籾乾燥調製貯蔵施設などの農産施設、温室・冷房室、青果調製貯蔵施設、選果包装施設などの園芸施設、酪農施設、養豚施設、養鶏施設などの畜産施設を始め、養蚕施設、製茶施設、林産施設などに区分され、各作目ごとに生産から流通に至るまで極めて多岐に渡ります。
これらの農業施設は、一見極めて多彩に見えますが、研究分野としては、適正環境条件ないしは加工・調製・貯蔵条件の設定とその条件を具現する方法、管理作業の合理化、施設の機械的メカニズムや構造・材料の検討など、各施設に共通した課題が見られ、共通の方法によって研究を進めることができます。
上述の要望にこたえていくためには、志を同じうする技術者、研究者、指導者が相寄り、緊密な連絡をとりながら、農業施設という具体的対象に対し共通の方法によって研究を展開し、適切な農業施設化を推進し、農業の近代化に寄与しなければならないと痛感します。
ここに、私ども有志が発起人となって、農業施設研究会の設立を意図する所以があります。広く同学の士の御賛同を得、研究会への御参加を願って止みません。
発起人一同
1970.07.16