要 旨
近年、農耕地への有機物資材の施用が再び見直され、作物残渣や家畜排泄物の施用も積極的に行われるようになった。コンポストの熟度の確保は、作物に対し安全に施用するために必要なものであり、農家においては極めて重要な問題となっている。
本研究は、作物残渣と乳牛ふんとの混合コンポストの後熟過程における熟成の程度を評価するために、醗酵過程の変化を調査するとともに、後熟過程の腐熟評価指標として、水分、有機物量、pHおよびC/N比という一般性のあるものを選び、これらの変化を検討した。得られた結果は次の通りである。
1.良好な安定したコンポストは、通気プロセスの醗酵温度が65〜70℃程度、後熟プロセスの水分を45〜50%とすることによって得られる。これによって製品コンポストは、取り扱いと膨軟材の選別が容易となる。
2.コンポストの水分、C/N比、粒子径および粒子分布は、コンポストサイクル完了までの所要時間に強く影響する。
3.後熟時間の短縮化を目標とする場合は、醗酵後コンポストの水分および有機物量を減少させる必要がある。水分が低ければコンポストは安定している。
4.水分、有機物量、pHおよびC/N比を腐熟評価の指標とした場合は、醗酵後コンポストは後熟12週間でよく安定した。
5.良好な後熟のためには、水分約50%、C/N比は20〜30にするのが望ましい。
6.家畜ふんと作物残渣とで作られたコンポストで、腐熟し安定したものは、水分約50%、有機物量約75%、C/N比は約20である。