農業施設19巻1号
1988.7,29〜40
論文:

フリーストール牛舎の構造に関する研究(英文)

市川忠雄・野附巌・鎌田寿彦・前間千秋・上野克美

要 旨

 フリーストール型休息場を備えた放し飼い式乳牛舎(以下フリーストール牛舎と略す)の各施設の合理的な配置並びに各部の適切な寸法を明らかにするために、わが国において成牛60頭以上をフリーストール牛舎で飼育する酪農家を北海道(14)、関束・東山(10)および九州(4)から計28戸をそれぞれの地域の指導者の推薦により選定し、これらの牛舎の配置や構造等の測定および使用状況の調査を行った。その成績の概要は以下の通り。
1) フリーストール牛舎のフリーストールの配列は、建物の両側壁面内に沿って2列に配列されているものが最も多く、単列、3列および4列のものは少なかった。飼槽は休息場内に設置されているものと、別棟として外に設置されているものがほぼ同数であった。専用搾乳室はいずれも休息場に接して直角に建設され、内部は4ストール複列のヘリンボーンタイプのものが最も多かった。
2) フリーストールの寸法についてみると、ストール長、ストール幅、仕切柵高さおよび牛床面の通路面からの高さはそれぞれ 2,200-2,400mm、1,200-1,250mm、1,000-1,100mmおよび 200-300mm のものが最も多かった。
3) 設計頭数(牛舎設計時の収容予定頭数)1頭当たりの施設総面積は最小6.7m2、最大15.4m2、平均12.6m2 であり、このうち最も広い面積を要しているのは休息場内の牛用通路で全体の 27.8%、つづいてストール部が 23.0%であった。残りの約50%は給餌場、搾乳室、待機場および牛乳処理等のためのものであった。
 以上の調査結果ならびに文献検索あるいは使用者の意見などを総合し、成雌乳牛の体重を650-700kgと仮定した場合、わが国における今後のフリーストール牛舎の標準として下記のようにものが適当と判断された。1.長さ×幅を 2,400×1,200mm とし、通路面からの高さ250mmとしたストールを畜舎の両側壁内面に沿う形で2列に配列する。2.専用搾乳室はヘリンボーン式とし、フリーストール配列の一端に接して直角に配置する。3.収容牛1頭当たりの牛舎総面積は 12-13m2 とする。


農業施設学会