農業施設20巻1号
1989.7,113〜120
論文:

乳房清拭作業に関する研究
−乳牛の大きさと糞尿溝構造が牛床の汚れに及ぼす影響−

佐原傳三・相原良安・市川忠雄・川西啓文・長島守正

要 旨

 乳牛の大きさ及び糞尿溝構造が乳房の汚れと関係深いとみられる牛床の汚れに及ぼす影響を明らかにするために、大きさの異なる乳牛を供試し、長さ160cmの牛床後部に3種類の糞尿溝を設置し、排糞・排尿時の乳牛の後肢の位置、糞・尿の落下位置、糞の拡散範囲及び糞の累積拡散範囲を測定・分析した。
 その結果、乳牛の大きさの影響についてみると、排糞・排尿時の後肢の位置及び糞と尿の落下位置は牛の体重が10kg増すごとに、約1.01と1.23cm後方へ移動し、牛床寸法が一定の場合は牛床上に落下する糞・尿の拡散範囲と、牛床上へ貯留する糞の累積面積の減少がみられ牛床の汚れ範囲の軽減が認められた。
 また、糞尿溝構造の影響については、ロストル式糞尿混合型は、開放式糞尿混合型及び閉鎖式糞尿分離型より糞の拡散範囲が狭く、さらに、排尿時の後肢と尿落下位置間の距離もロストル式糞尿混合型は、閉鎖式糞尿分離型より短く、排尿時に尿を遠くへ飛ばさない傾向が明らかであった。したがって、糞尿溝はロストル式糞尿混合型がよいと結論した。


農業施設学会