要 旨
筆者らは西南暖地に位置し、冬季の日照時間が比較的少ない佐賀平野の低平地における地中熱交換ハウスの暖房効果を確かめたが(小島ら1987、1988)、本報ではハウス地下部における温度分布調査と土の熱伝導率の測定を行った。
その結果、地中熱交換システム運転開始前の地下部の温度変化は深さ60cmより深い層ではほとんど見られなかった。
地中熱交換システム運転開始後9日では夏交換パイプの周りの部分の土壌で僅かな温度上昇が見られた。
1ヶ月後のハウス内地温との温度較差は60cmまでの浅い層において大きいことが観察された。また、放熱後であってもハウス内の地温がそれと同じ深さの外側の地温より低くなることはなかった。従って、地中熱交換システムは佐賀平野において地温低下無しに利用できるといえよう。
土壌の熱伝導率(及び含水率)は深さ10cmで0.25(19%WB)、50cmで0.38(27.1%WB)、100cmのところで0.51kcal/mn℃(47.8%WB)であった。
佐賀平野では冬季深さと共に含水率が増し、熱伝導率が大きくなる。また、それぞれの深さの土壌は含水率の増加と共に熱伝導率を増加する性質があることを明らかにした。