要 旨
本研究の最終目的は、し尿を効果的に分解し、溶液としての分解生成物を液肥として農地に還元することである。
し尿を分解するための実用的なパイプライン方式による連続水熱処理装置を設計し、作製した。本装置は主に、排出圧を試料の圧入圧に利用する高圧ポンプ、反応塔、酸素ガス供給装置からなっている。本装置の特徴として、反応塔は水熱条件下において比較的耐腐食性のあるSUS304で作られており、反応塔は、塔内の温度勾配を防ぐために4個のそれぞれ独立した電気炉によって加熱される構造になっている。また、反応塔内の温度は、熱電対を用いて常に測定できる。
予備実験としてバッチ式オートクレーブを用いし尿の分解を調べると、水熱条件下で容易に分解した。すなわち、反応温度300℃、反応時間10分間、酸素ガス圧20kg/cm2の反応条件下において、し尿の90%以上が分解した。また、連続水熱反応装置の特性試験を水を用いて行い、バッチ式オートクレーブによる90%の分解率を得た処理条件下と同じ反応条件を制御することに成功した。