農業施設21巻1号
1990.7,7〜12
論文:

乳房清拭作業に関する研究
−乳牛の大きさとおよび牛床の長さが乳房の汚れおよび乳房清拭作業に及ぼす影響−

佐原傳三・相原良安・市川忠雄・川西啓文・長島守正

要 旨

 乳牛の大きさ及び牛床の長さが乳房の汚れ及び乳房清拭作業時間に及ぼす影響を明らかにするために、ロストル式糞尿混合型糞尿溝を備えた幅130cmで長さが160cm、170cmおよび180cmの3種類の牛床を設置し、これに大きさの異なる6頭の搾乳牛を繋留し、各寸法ごとにそれぞれ3日間ずつ、乳房の汚れ及び乳房清拭作業時間を測定した。
 乳牛の大きさ及び牛床の長さの影響についてみると、牛床の長さが一定の場合は乳牛の体重が小さくなるほど、また、乳牛の体重が一定の場合は牛床が長くなるほど、乳房の汚れが大となり乳房清拭作業時間が多くかかる傾向が認められた。これらの関係を朝作業時の成績で示すと、乳房付着糞乾物重量及び乳房清拭作業時間は、乳牛の体重が10kg減少するごとに167.3mg及び8.6秒増加し、牛床の長さが1cm増加するごとに148.4mg及び6.5秒増加した。
 つぎにこれらの実験結果から、朝作業時の乳房清拭作業時間が一定の場合の乳牛の体重と牛床の長さとの関係を求めたところ、乳牛の体重が10kg増加することに牛床寸法は1.3cm長くなっていた。この関係は既存の各種の体重別牛床寸法基準から求めた同様の数値よりもやや大きい値であり、乳房清拭作業時間を一定にすることを重視して牛床寸法を決める場合には、既存の基準は再検討すべきものと思われた。


農業施設学会