要 旨
天日による自然乾燥では切干し大根の品質は雨などの天候の変化により著しく劣化する。しかし、高温下の熱風による人工乾燥では変色を招き、商品価値が著しく低下する。また、鹿児島県では桜島の降灰という特殊環境を考慮しなければならない。本研究は密閉したビニールハウス内で切干し大根の除湿乾燥実験を行い、乾燥特性、乾燥能率、乾燥経費およびハウスの効果について調べ、除湿循環乾燥システムの可能性の検討を行った。すなわち、0.75kWのヒートポンプ方式の除湿乾燥機により、約100kgの大根を用いた実用規模での実験を行い、屋内実験と比較した。その結果、(1)ハウス内外の平均温度差は夜間4.0℃、昼間11.5℃あり、ハウス内での蓄熱効果が認められた。(2)密閉したハウス内空気の相対湿度は最終的に56%まで低下し、除湿効果が認められた。(3)大根を含水率9.3%w・b・まで乾燥するのに67時間要し、屋内実験と比較すると30時間短くなった。このとき、平均乾燥速度はハウス内で1.46%w・b・/h、屋内で0.82%w・b・/hであり、約1.8倍の速度で除湿乾燥が行われた。(4)乾燥経費は切干し大根の製品1kg当り約380円であった。