要旨
ビニルハウスの耐風設計資料を得るため、風洞実験を行った。模型は縮尺1/20の両屋根型の剛模型と柔模型を用い、実験気流の風向は桁行(奥行)方向壁面に直角とした。剛模型実験から角ばった稜線をもつものと稜線部が曲面のものとの風圧係数分布を比較すると、稜線の極く近傍の局所を除いてほぼ類似した分布であり、模型全体に作用する風圧力(揚力、抗力)もほぼ同じ値であった。柔模型実験では開口位置と開口率を変化させて押えひもの張力、骨組の曲げ応力及び室内圧を計測した。この結果、ビニルハウスの耐風メカニズムは開口位置に大きく依存し、開口率はあまり影響しない。即ち、風上側壁面に開口部のあるものは室内圧係数が正となり被覆ビニルが膨張する。これに対して風下側両壁面に開口のあるものは室内圧係数が負となり被覆ビニルの形状は変化しない。又、全閉型及び風上・風下側両壁面に開口のあるものは、開口率が変化しても室内圧係数は殆ど零である。すなわち、強風下でのビニルハウスの形状変化が、揚力、押えひもの張力及び骨組の曲げ応力に大きく影響する。筆者らは、ビニルハウスの耐風設計に関する考え方と設計上有用な諸係数について提案した。