農業施設23巻3号
1993.3,117〜125
論文:

閉鎖型畜舎の入気流方向に影響される舎内気流分布のFEMによる予測(英文)

池口厚男

要 旨

 無窓分娩豚舎に対して入気流方向の違いによる舎内気流分布の予測を有限要素法を用いて行った。なお、二次元、定常、等温、非圧縮性、粘性流れを仮定し、舎内には気流の障害物となる豚房と母豚を置いた。有限要素法で解析すること、経済性、第一段階として場の平均的な情報、すなわち平均流のみを得ることまた、マイクロコンピュータでの使用等を考慮して、乱流モデルには、ゼロ方程式モデルを採用した。計算結果と模型実験の結果とを比較することで、予測の検証を行った。その結果、気流の障害物が存在し、入気流方向が異なっても、定性的な流れのパターンに関し、渦の位置や一次気流などから判断して、その大要は予測可能であると見倣された。自己保存型の流れの解法に信頼性があるゼロ方程式モデルでも室内乱流場に一応適応できると思われる。しかし、気流速に関しては予測と模型実験とでは全体的に一致せず、予測のほうが大きく計算された。気流速の精確な予測を行うには、本数値計算で採用しなかった境界条件に対する壁法則、要素分割を細かくする、また、乱流モデルを2方程式モデルにすることが必要であると考えられる。本数値計算ではマイクロコンピュータの使用を前提としたが、定性的な流れの予測のみにその適用が留まると思われる。


農業施設学会