要 旨
低コスト型無窓豚舎の夏季における舎内環境を解明した。豚舎はカマボコ型で、材料費を安くするために、豚舎骨組みに鉄製パイプを、壁体に反射フィルムを用いた。夏期の外部からの熱の侵入を少なくするために、壁体は中間に厚さ0.2mの通気層を有する二重被覆構造である。換気方式は、豚舎妻面の換気扇で外気を舎内に導入する陽圧換気を用いた。外気をポリダクトを用いて舎内奥行方向に等配分した。ポリダクトには半径方向断面の吹出口1穴、2穴及び4穴を用いた。気流誘導シートを舎内の気流を整える目的で用いた。それの舎内気流への影響を検討した。舎内空気は通気層を通して外部へ排出した。夏季における測定結果からは次のことがわかった。
1.舎内気温は外気温に対して日中で約1K、夜間で1.5Kから1.9Kそれぞれ上昇していた。舎内気温は外気温に追従して変化しており、日射が直接的に舎内気温に影響しない。
2.舎内外気温差を約1K以下に日中抑えるためには、換気回数は最低でも約20回/hが必要である。
3.舎内気流分布は吹出口1穴の条件が、他の吹出口条件に比較して適していた。その吹出口1穴の条件の中でも気流誘導シート有りの場合が、気流誘導シート無しの場合と比較して、豚に均一な気流を当てることが可能となる。
次ぎに、豚舎内土壌の熱容量は豚舎部材や舎内空気の熱容量に比べて大きいので、土壌の熱移動は非定常状態、豚舎部材や舎内空気における熱移動は定常状態としたシミュレーションの結果から、次のことがわかった。
4.壁体を一重被覆構造にした場合と通気層を有する二重被覆構造にした場合、舎内気温を比較すると二重被覆構造の方が夜間には約0.2K上昇するが、日中は約2K低くすることが可能となる。
5.通気層を有する二重被覆構造の壁体から舎内への日中の伝達熱量は、一重被覆構造のそれの約35%となり二重被覆構造が有利となる。キーワード:豚舎, 環境