農業施設24巻1号
1993.7,21〜30
論文:

アイスポンドによる自然冷熱蓄熱技術の開発(1)
−TWIN(温度−風速積算値)の導入と製氷制御への利用−

小綿寿志・佐藤義和・奈良誠

要 旨

 アイスポンドにおける積層式製氷を自動化する目的で、まず低温実験室内および屋外のアイスポンドにおいて、水膜の凍結に要する積算寒度を異なる風速の下で測定した。室内実験の結果、氷上気温から求めた水膜の凍結に要する積算寒度は、氷上風速の増加に伴い指数関数的に減少することが明らかとなった。アイスポンドにおける実験では、地上1.5mの気温および地上3mの風速を用いると、地上風速と水膜の凍結に要する積算寒度との間に同様の傾向が認められ、その関係式を得た。また熱収支解析により、このような関係は風速の増加とともに総括熱伝達率が増加することに主に起因することを明らかにした。  次に、水膜の凍結速度に対する風速の貢献度を数値化し、これを積算寒度に乗じた値を、温度−風速積算値(TWIN)と定義した。単位厚さ水膜の凍結に要するTWINは、8.6K・h・mm-1-waterと求められた。以上の結果、TWINを用いて水膜の凍結時期を推定することが可能となり、製氷時の散水間隔を自動制御するため、製氷モードと融雪モードとからなる製氷制御プログラムを開発した。

キーワード:アイスポンド, 冷熱蓄熱, 温度−風速積算値, 製氷, 総括熱電熱率


農業施設学会