要 旨
馴養したメタン菌によるH2/CO2(80/20%)の混合ガスを基質とした連続メタン発酵をpH7.2、温度37℃で2.6lのジャーファメンターで行った。メタン菌の増殖及びH2/CO2混合ガスのメタンへの変換における動力学的パラメータを非定常解析法を使って3時間間隔の実験データから決定した。得られたメタン菌の比増殖速度μおよびH2の比基質消費速度はそれぞれ0.064(h-1)と104.8(mmol/h・g)であった。これらの結果は回分式の実験で得られたμmaxおよびqmaxと一致した。これによって、物質移動に律速されない条件下では菌が最大比増殖速度μmaxで増殖することを明らかにした。また、混合ガスの供給速度を変化させてメタン発酵を行った。基質ガス供給速度が177mL/minの場合、CO2の転換率80%で菌濃度及びメタン生産速度がそれぞれ1879mg/Lと35.15mmol/L・hに達した。これらの値は今までのCSTRで行う純粋或いは混合培養の結果と比べ、非常に高い値であった。また、148−177ml/minのような高い基質ガス供給速度の場合、H2の消費及びメタンの生成速度が最大の値に達した後、急速に低下する現象が見られた。そこで1NのNa2S5mLを注入したところ、直ちに回復し、最大基質消費速度は10時間程度続いた。これは培養液の中の硫黄源物質が基質ガスで流され欠乏したことにより菌の生育に阻害を生じたからであると思われた。H2/CO2合成メタン菌の連続培養においてNa2を硫黄源物質として使う場合、一定の時間間隔でのNa2の添加が必要であると考えられた。キーワード: メタン発酵, CO2固定, 硫黄源物質, 馴養メタン菌, 発酵動力学