農業施設25巻1号
1994.6,39〜45
論文:

遠赤外線による農産物の乾燥(1)
−遠赤外線の加熱基礎特性−

伊藤和彦・韓忠洙

要 旨

  遠赤外線を熱源とする農産物の乾燥方式を確率することを目的に、遠赤外線ヒーターおよび遠赤外線の特性を明らかにした。市販されている二種類の代表的な遠赤外線ヒーターの放射体の分光放射率、供給電源電圧とヒーター表面温度およびヒーター表面の温度分布を測定した。その結果、両放射体の放射率は3〜15μmの範囲で0.9以上の高い価を示し、表面温度は電圧に比例して変化し、面状ヒーターは表面温度に比較的大きい温度差が生ずることが明らかになった。周囲空気の相対湿度を40および90%としたときの空気中の水蒸気に吸収される遠赤外線の量はほとんど変化しなかった。
 色相を変えた受熱板による吸収エネルギー量は遠赤外線の場合は色相、特に明度値にほとんど影響を受けなかったが、赤外線ランプ(波長の短い赤外線を発生する)の場合は明度値が増加すると吸収エネルギー量は大きく減少した。
 β−カロチンとクロロフィルaの分解率を測定した結果、遠赤外線加熱による分解率は太陽光照射および赤外線ランプ加熱による分解率と比較して低い値を示した。

キーワード:遠赤外線,分光放射率,ヒーター表面温度,色相別吸収エネルギー量,色素分解率


農業施設学会