要 旨
家畜や家禽の肢骨に多発している脚弱症の発生の低減を目的とした基礎的研究として、脚弱症の発生要因の一つとされる栄養成分やその水準といった飼料要因が、豚の肢骨の関節構成体および骨幹の力学性や物理性におよぼす影響の一端を明らかにするとともに、骨軟骨症や骨関節症の発現との関連についても検討を加える一連の研究を行った。
一連の研究の端緒として、変形および正常関節構成体の力学性の一端を把握するために豚の肢骨の関節軟骨・海綿骨複合系に対して押込み試験を行い、概ね6ヶ月齢までの肥育豚の軟骨・海綿骨複合系の押込み強さは約22〜34N/mm2であるのに対して、骨軟骨症や骨関節症の病変をもつ豚の同複合系の押込み強さは約16〜23N/mm2であり、体重の支持機能が低下していることを明らかにした。また複合系の見掛けの弾性係数は月齢とともに増加し、骨頭が硬化することなどを明らかにした。キーワード:脚弱症, 家畜骨, 力学性, 関節構成体, 押込み試験, 押込み強さ, 見掛けの弾性係数