農業施設26巻1号
1995.6,3〜11
論文:

対流熱伝達率におよぼす風向・風速の影響

田中章浩・奥島里美・佐瀬勘紀・伊藤寛

要 旨

 対流熱伝達率と風向・風速の関係を、ビニールハウス構造体を対象に、風洞模型実験をとおして検討した。本実験には局所的な乱流レイノルズ数一致の相似則、および乱流構造の近似相似則を用いた。斜め流の場合の模型対流熱伝達率を実物値にスケールアップするための係数は、平板に沿う平行流と垂直流の場合の値を補間して求めた。
 対流熱伝達率の模型値と実物値の関係では、補間スケールアップ係数を用いて求められた対流熱伝達率を、近似実物値とすることが可能であると考えられた。
 風速と対流熱伝達率の関係を曲線回帰した結果、回帰式の傾きは屋根で大きく、妻面で小さいことがわかった。したがって、風速の影響は屋根に強く、妻面に対しては弱いことがわかった。
 風向と対流熱伝達率の関係では、風向と対流熱伝達率は各壁体ごとにあるきまった変化傾向を示すことがわかった。風向の影響は風下側の側壁および妻面で強いことがわかった。また、他の壁体においてはその影響は15%から20%であることがわかった。
 強風時には対流熱伝達率を風速のみの関数として扱うのでは不十分であり、風速と風向の両者の関数として表すことが必要であることがわかった。

キーワード:模型実験,相似則,熱伝達


農業施設学会