農業施設26巻1号
1995.6,13〜20
論文:

数種の低温処理がNFTで栽培したイチゴの花芽分化ならびに開花に及ぼす影響

院多本華夫・木下昌大・前川孝昭

要 旨

 クリスマスや正月の祝いのデコレーションケーキなどでわが国のイチゴ需要は冬季に集中しており、この時期に合わせるイチゴの工場型栽培技術の確立が必要となる。本研究はNFT装置に定植した'女峰'(Fragaria×ananassa Duch. cv. Nyoho)イチゴ苗の根圏に、10〜15℃に冷却した水道水を20〜30日間循環させ、花芽分化や分化後の苗の発育、開花状況などに及ぼす冷水処理の影響を調査した。花芽分化は20日間の処理で促進され、葉柄汁液中の硝酸態窒素濃度が高水準で維持された。また、処理後の苗の花芽の発達は良好であった。頂花房開花時期は10℃20日間の処理では早まったが、30日処理では逆に遅れた。しかし、30日処理によって斎一の頂花房開花状況が得られた。特に30日間による根圏の冷水は腋花房の開花時期を早め、開花時期も短縮され、開花状況をそろえた。

キーワード:イチゴ苗,冷水処理,根圏,花芽分化,頂花,腋花,生育,開花


農業施設学会