農業施設26巻1号
1995.6,39〜49
論文:

ハウス内環境の制御システムに関する研究(2)
−ファジィ理論によるトマト栽培環境設定値の算出と制御−

連小東・中野和弘・倉田和彦・渡辺秀一

要 旨

 ハウス内環境制御を実現するためには、各環境要因の設定値を決定することが重要である。そこで、北陸地域におけるトマトの半促成栽培を対象として、栽培農家への聞き取り調査を行った。この調査結果をもとにルールを作り、トマトの半促成栽培を対象として、収量、品質(A品率、空洞果率、乱形果率)、コスト(燃料消費率)、生育ステージ、天候などに見合った合理的な環境設定(温度、湿度)をファジィ推論により算出した。また加温ハウスのエネルギー低減、制御の応答性向上を目的として、実験用ハウス内の環境制御にもファジィ理論を応用し、温度、湿度の変化率に応じて、設定値に対するスレッシュホールドを変化させて(以下ファジィ制御)、制御特性を検討した。この制御方式と比較する目的で、通常のON/OFF制御も行った。ヒータによる温度制御をした結果、ON/OFF制御に比べ、ファジィ制御の加温時間と累計誤差はともに少なくてすんだ。換気による温度制御では、ファジィ制御はON/OFF制御より、設定温度に対する誤差が少なかった。温度、湿度の複合制御では、温度制御の差は見られなかったが、ファジィ制御の方が、設定湿度に対するオーバーシュートや累計誤差が低くおさえられた。

キーワード:ハウス, 環境制御, トマト栽培, 環境設定値, ON/OFF制御, ファイジィ制御


農業施設学会