農業施設27巻1号
1996.6,21〜29
論文:

ハウス内環境の制御システムに関する研究(3)
−ハウス内土壌水分の変動予測・制御システムの開発−

連小東・中野和弘・大塚雍雄・湯浅和広・五十嵐太郎

要 旨

 ハウス内土壌水分の変動を予測し、土壌水分を最適条件に制御するために、セラミック水分センサを使用し、パソコンレベルでの自動灌水システムを開発した。この制御システムは製作経費が安価であり、また取り扱いの簡便性、灌水計画の汎用性等の特徴を有し、ハウス内土壌水分計測・制御装置としての実用性が認められた。使用した水分センサの実用性を検討した結果、pF測定値は、土壌の水分状態をよく反映していると判断された。また、従来使われたポーラスカップ土壌水分センサの測定値との差もないことから、測定値のラグタイムと塩類集積による影響を考慮に入れて使用すれば、ハウス内土壌水分制御に十分利用できると判断された。土壌水分変動実験の結果、各土層土壌のpF値に及ぼす灌水の影響は、本実験の流量の範囲では、量が極めて重要であり、また、土壌水分制御システムのサンプリングタイムは一定時間以上とらないと、安定した制御ができないことが判った。土壌水分制御の実験を行った結果、土壌水分pF値を設定した通りに制御できた。本研究で最適灌水量の計算とそれに任意の幅を持たせるpF値の制御は極めて有効であるものと考えられる。さらに、本研究ではフィードフォワード制御方式を導入して灌水量の補正を行うことにより、pF値は設定値を維持し、精度よく安定した制御が可能であることが確認された。

キーワード:ハウス内環境, セラミック土壌水分センサ, pF値, パソコン制御, フィードフォワード制御, 最適灌水量, 自動灌水


農業施設学会