農業施設27巻3号
1996.12,129〜140
論文:

畜舎の臭気に関する研究
−豚舎の臭気強度の現状−

福重直輝・川西啓文・長島守正・都甲洙

要 旨

 本研究は実際の畜舎の臭気強度の現状を把握することを目的に、夏季と冬季に畜舎内とその周辺の臭気強度の実測を行い、臭気強度と環境要素の関係を検討した。
豚舎内臭気強度の経時変化においてその最高値は冬季が高かったが、豚舎内臭気強度の平均値は夏季の方が高かった。また、臭気強度の最高値は夏季(49Hz)および冬季(53Hz)ともに16時に示された。臭気強度と豚舎内の環境要素の重回帰分析から、臭気強度は豚舎内の環境要素との関係が認められ、豚舎内では気温、絶対湿度および風速が臭気強度に影響し、高温多湿の気象条件下で臭気強度が強まることがわかった。これに対して、豚舎の周辺では風速が影響し、風下では風速が増すと臭気の認知閾値濃度の範囲が広がり、風上では狭まる傾向が認められた。また、豚舎周辺の比臭気強度(豚舎周辺の臭気強度を豚舎内の平均臭気強度で除したもの)と風速の間には豚舎からの距離、風向などによって異なる関係が得られた。

キーワード:臭気強度, 官能試験, においセンサー, 環境要素


農業施設学会