農業施設28巻1号
1997.6,3〜11
論文:

低温馴養メタン菌を用いたプラグフロー型2相式メタン発酵装置のスタートアップと適正有機物負荷

黒須和代・前川孝昭・阿部充

要 旨

 酢酸を基質とするメタン発酵を10Lの発酵槽を用いて、pH7前後、温度35℃で馴養した中温メタン菌を用い、温度を25、20、15、10、5℃に,有機酸負荷量を2.0、1.0 、0.5g/L/dにそれぞれ変化させ、水理学的滞留時間(以下HRT)を20日間としたメタン菌の馴養を試みた。これによってメタン菌の温度に対する最適有機酸負荷を得た。実用規模の1/1500プラグフロー型2相式メタン発酵装置(全容量44L)を試作し、メタン発酵実験装置内の流体の可視化実験を行いメタン発酵装置内への原料投入位置を決定した。その後、中温メタン菌を用いた豚糞尿によるメタン発酵実験を行った。メタン発酵槽内温度を11.5〜15.0℃に設定し、外気温度を8℃前後に保ち、冷蔵庫内に試作したメタン発酵装置を入れ、底部に設定した電気ヒータによる加温を行い、発酵槽内温度を11.5〜15.0℃に保持した。スタートアップ時はメタン発酵槽内温度を14.0〜18.0℃として開始したところ、植菌後10日目にガス発生が見られた。中温メタン菌の馴養による低温メタン発酵は、可能であることが確認できた。

キーワード:中温メタン菌, 低温馴養, プラグフロー型2相式メタン発酵装置


農業施設学会