農業施設28巻3号
1997.12,143〜148
論文:

花粉管生物検定法によるコンポスト腐熟度および品質評価に関する研究(2)
−花粉管の生長に及ぼすコンポスト水抽出液添加の影響−

任順栄・院多本華夫・張振亜・前川孝昭

要 旨

 コンポストの水抽出液を培地として培養した花粉管の生長状況からそのコンポストの腐熟度を検定するにあたって、必要なコンポストの水抽出液の抽出方法,抽出された被検液における希釈濃度の影響を検討した。さらに、コンポスト腐熟度と種の発芽率との関係についても調べた。
 コンポスト液の最も効果的な抽出方法として、コンポストを60℃の一定量の温湯で数時間振盪し、その液を遠心分離した上澄液とする方法である。この方法で抽出されたコンポスト液を花粉管培地に添加したところ、添加量の多少によってナスの花粉管長も増減した。コンポストの水抽出液の成分分析の結果,未腐熟コンポストではアンモニア態窒素および揮発性有機酸濃度が高く、反対に粗灰分とフミン酸の含有量は少なかった。さらに、未腐熟コンポストの抽出液は明らかにナス、ナツツバキともに花粉管の生長を抑制した。コマツナの発芽および根の生長の観察でも、花粉管培養と同様に、未腐熟コンポストの水抽出液がコマツナの発芽および根の生育を抑制した。

キーワード: コンポスト, 腐熟度, 花粉管培養, ナス, ナツツバキ


農業施設学会