農業施設28巻3号
1997.12,165〜173
論文:

NMRを用いた西瓜の空洞,糖度検査装置の開発
−実用化に向けての実験的検討−

斉藤一功・三木孝史・林征治

要 旨

 本研究では,NMRを用いた西瓜の空洞および糖度検査装置の実用性を実験データに基づいて検討した。これまでに、NMRを用いた西瓜の空洞および糖度測定の可能性は原理的には示されていたが、それらは西瓜を固定した状態での測定に基づくものであった。本研究では、搬送用コンベアをNMR分光計にとりつけて、西瓜を搬送しながら測定をおこなった。
 空洞測定においては、西瓜を350mm/秒の速度で搬送しながら測定したところ、信号強度は約30%低下するものの、固定した状態と同じ精度で測定が行えることが判明した。また糖度測定に関しては、まず最適な測定部位を決めるため西瓜の糖度分布の測定を行った。その結果、測定部位として中心部が適していることが判明した。次に西中心部のNMR緩和時間を測定した。この測定を行う際にはコンベアによって搬送されてきた西瓜をマグネットの中心部に6秒間停止させた。こうして得られた緩和時間と,緩和時間測定後に試料を破壊して得た糖度との相関を調べ、検量線の作成および評価を行った。その結果SEPが0.49Brix%、Biasが0.02Brix%という結果が得られNMRを用いた糖度測定の実用性が示された。

キーワード:NMR, 磁気共鳴, 非破壊, 品質評価, 糖度, 空洞, 西瓜


農業施設学会