要 旨
佐賀県伊万里市産のニホンナシ(豊水)を用いて、振動および貯蔵実験を行った。輸送振動の有無および貯蔵温度の違いが、その後の貯蔵中のナシ果実の物理的特性および糖度、酸度などの品質に与える影響を調査した。果実への輸送振動は佐賀から大阪までの高速道路を走行輸送中のトラック荷台の振動状態を実測記録し、これを実験室内で再現する方法で与えた。加振後、温度0℃および10℃、湿度90%で貯蔵した。貯蔵温度の高さおよび貯蔵期間の長さが目減り率を大きくし、硬度、含水率および糖度、酸度を低下させるが、振動を受けた場合、さらにこれらが加速された。果皮色は、明度値が低くなるが、赤色度値は高く、色相値も増大した。ナシ果実に与えた貯蔵期間および振動の有無などの非破壊判別が近赤外分光法を用いた判別分析で可能であることを示した。キーワード:ニホンナシ, 振動, 貯蔵, 近赤外分光法, 判別分析