農業施設29巻2号
1998.9,57〜67
論文:

高濃度乳牛糞尿固液分離スラリーの中温メタン発酵における担体の効果

梅津一孝・牛雨・干場秀雄・高畑英彦

要 旨

 本研究は、高濃度乳牛糞尿固液分離スラリーを対象とした固定床式メタン発酵槽について、有機物負荷を3.15から10.09g/L・dまで上昇させ、その菌体保持能力を明らかにすることを目的とした。固定床式発酵槽の担体には、ポリウレタン、ポリエステルを用い、メタン量、メタン濃度および排出消化液の性状について検討を行った。
 有機物負荷の増加に対して固定床式メタン発酵槽は、有機物負荷10.09g/L・dで、従来型の発酵槽よりもメタン量、メタン濃度ともに安定した。発酵槽内に占める担体の割合の高い発酵槽は、低いものよりも、安定した発酵を維持した。ポリエステルは、ポリウレタンよりもやや菌体保持能力が高かった。また実験期間中、両担体の損失は認められなかった。
 以上の結果より、供試した固定床式メタン発酵槽内の担体は菌体の保持能力を有し、固定床式メタン発酵槽は高濃度乳牛糞尿固液分離スラリーを対象とした高有機物負荷時の発酵に有利であることが明らかとなった。

キーワード: 固定床式メタン発酵, 乳牛糞尿, 嫌気発酵, メタン発酵, 家畜糞尿


農業施設学会