要 旨
玄米の新しい利用法を開発する目的で、発芽玄米の製造を試みた。玄米の良好な外観と食品機能性を保持させるため、発根を抑制した出芽が得られる環境制御法を検討した。発芽に影響する酸素濃度の制御を考慮して、気相発芽試験と液相発芽試験を行った。玄米を気相下で静置した気相静置発芽では、静置した液中での液相静置発芽および流動化させた液中での液相振とう発芽と比較して、玄米発根後の根の発達が最大であった。液相静置発芽においては、発芽初期の発根が抑制され、さらに幼芽の出芽遅延とその形態むらが多く見られた。一方、液相振とう発芽は、発芽初期の発根が抑制され、液相静置発芽より幼芽の出芽が早く、形態のむらが少なかった。液相発芽では、静置および振とう発芽ともに、液量に対する玄米の供試重量が多いほど、出芽後の芽の伸長が遅延した。
玄米の完全浸漬、液の振とうによる流動化および30℃前後の液温保持によって、発根を抑制した出芽が得られた。振とうによる液の流動化は、胚芽部に溶存酸素を供給する効果が認められ、出芽と芽の発達速度は溶存酸素濃度の影響を受けていることが示唆された。キーワード: 玄米, 環境制御, 発芽, 出芽