要 旨
本論文は、ロックウールを用いた固定床メタン発酵槽のアンモニアによるメタン発酵阻害および回復持性を調べ、遊離アンモニアを考慮して検討した。
その結果メタン発酵槽へのアンモニアの影響はアンモニア添加濃度、添加方式、水理学滞留時間(HRT)および発酵槽の有機酸負荷によるものであることが判明した。アンモニアの瞬時添加では、HRTを1日および酢酸負荷を 1.5, 4.0, 7.0 g/L・day に設定した時アンモニア態窒素の最大許容瞬時添加濃度はそれぞれ20, 20, 12g-N/L であった。酢酸負荷を同じく設定し、HRTを5日とした時には、アンモニア態窒素の最大許容瞬時添加濃度はそれぞれ 20, 15, 8g-N/Lであった。アンモニアを連続添加した場合のメタン発酵が順調に進行する最大アンモニア態窒素濃度は発酵槽の酢酸負荷と相関していたが、HRTとの相関性は認められなかった。酢酸負荷を 1.5, 4, 7g/L・day、HRTを1,5日に設定した時、メタン発酵が阻害を受けず、順調に進行するアンモニア窒素濃度はそれぞれ 16.5, 15, 12g-N/Lであった。
発酵阻害が生じてメタン発酵が停止した時、アンモニア濃度の低い培地をメタン発酵槽に供給して発酵槽の中のアンモニアが洗い出されて低濃度になる約2週間経過後にメタン発酵は完全に回復した。キーワード: メタン, アンモニア, 遊離アンモニア, ロックウール, メタン発酵槽, 固定床, アンモニア阻害