要 旨
MA貯蔵時のリンゴの糖度や酸度などの内部品質およびリンゴの発するアロマの変動予測を3層のBPニューラルネットワークにより試みた。ふじおよび王林の2品種のリンゴをそれぞれポリエチレンバッグに詰め、3℃、10℃および室温といった温度条件の下で4〜22週間の貯蔵試験を行った。果肉の糖度および酸度、果皮色、果肉硬度、質量およびバッグ内のCO2、O2ならびにアロマ濃度などといったMA貯蔵時の11種類の特性値を貯蔵期間中2週間毎に破壊および非破壊法により測定した。
このうち、非破壊の測定が可能であるバッグ内のCO2およびO2濃度、果皮色情報としての明度指数および色相角、貯蔵時の質量損失などをリンゴの内部品質等の予測を目的としたニューラルネットワークの入力データとして実測値より選択する一方、ネットワークの教師信号として糖度および酸度の実測値ならびにアロマ濃度の実測値それぞれを入力し、ニューラルネットの学習を行った。
MA貯蔵時の果肉の糖度および酸度、ならびにアロマ濃度の変動を予測するニューラルネットワーク・シミュレーションの結果、ネットワークの出力値と糖度および酸度の測定値、ならびに同出力値とアロマ濃度の測定値はおおむね良く近似し、貯蔵したリンゴの内部品質の非破壊評価支援技術としてのニューラルネットワークの可能性の一端が明らかとなった。キーワード: 貯蔵リンゴ, 物理化学的持性, 内部品質, 非破壊評価, ニューラルネットワーク