要 旨
栽植密度と花房より上位に残す葉数が、養液栽培による一段どり栽培トマトの生育と果実収量に及ぼす影響について調べた。栽植密度300〜3,000株/aで検討したところ、a当たり果実収量は栽植密度が高くなるほど大きくなったが、株当たりの果実収量は、栽植密度1,500株/a以下で大きくなった。"桃太郎"に比べ"マルチファースト" では、低密度の栽培になるほど着果数が多くなり、株当たり果実収量が大きくなった。両品種とも、栽植密度が高くなると平均果重は小さくなり、また、空洞果が増えて正常果率は低くなった。平均果重の目標を150g〜200gにおくと、栽植密度は"桃太郎"で700〜1,200株/a、"マルチファースト"で1,000〜1,700株/aで目標を達成できる。これらのことと、苗のコストや作業能率等を考慮すると、最適な栽植密度は、"桃太郎"の冬播き春どり栽培では1,200株/a,他の作型や"マルチファースト"では1,000株/aと考えられる。栽植密度1,000株/aで秋播き冬どり、春播き夏どり栽培をすると、‘桃太郎’で700kg/a以上‘マルチファースト’で1,000kg/a以上の高い収量が得られたが,冬播き春どり∴夏播き秋どり栽培ではそれより低くなった。‘桃太郎の場合、茎葉が繁茂する夏播き栽培や低日照期の栽培では空洞果が多く、これを防ぐには、花房より上位に残す葉を1枚にするのが良く、それ以外の作型や‘マルチファースト’では全般に正常果率が高く花房房より上位の葉数は3葉が良かった。キーワード: 養液栽培, トマト, 一段どり, 栽植密度, 葉面積, 空洞果