要 旨
慢性疾病対策の観点からの合理的な養豚生産システムを構築するため、10頭のSPF母豚とこれらから生産された19頭の子豚を用い、生後7日齢以降の哺育期間について、日齢と季節の適いによる血漿中γ-グロプリン(IgG)の濃度変化を測定して適正な離乳日齢を検討した。
哺乳子豚のIgG濃度は、二次関数的に低下し、その低下の程度は日齢の進行に伴って緩やかになることが示された(P<0.01)。また、季節別には、とくに冬〜春季の低下割合が大きくなる傾向(P<0.08)が見られた。日齢の進行に伴う子豚のIgG濃度の低下割合は、気温の日較差(r=-0.82)や相対湿度(r=0.88)と相関が高く、子豚の生時体重(r=0.47)、母豚の血漿中IgG濃度(r=0.20)、1腹の子豚数(r=0.09)との相関は見られなかった。これらのことから、子豚の血漿中IgG濃度水準に依拠した慢性疾病対策を目的とした離乳日齢は、できるだけ早期とする必要があるが、従来の常識的な範囲である16〜18日齢以降では離乳早期化の効果は小さく、免疫能維持のためには、分娩豚合および離乳子豚舎の温度変動幅を縮小する環境調節の実施が有効であると考えられた。キーワード: 生産システム, 大規模化, 適正離乳日齢, 免疫, γ-グロプリン